午後:債券サマリー 先物は小幅続落、2年債入札結果の反応限定的
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29日の債券市場で、先物中心限月12月限は小幅続落。この日に財務省が実施した2年債入札は強めの結果となったが、重要イベントを控えていることから上値を買う動きは限られた。 28日の米長期債相場が続落(金利は上昇)した流れが東京市場に波及し、債券先物は寄り付き直後に143円79銭まで軟化する場面があった。ただ、時間外取引で米長期金利の上昇が一服したことが国内債を下支え。為替が円高方向に振れたことで日銀の早期利上げ観測がやや後退したこともあり、午前9時10分ごろには143円95銭まで切り返した。とはいえ、石破茂政権が日本維新の会や国民民主党といった拡張的な財政政策を志向する野党との連携を強めれば、国債の増発につながるとの警戒感もくすぶっていることから追随買いは広がらず。30~31日に開かれる日銀金融政策決定会合や11月1日に発表される10月の米雇用統計、5日の米大統領選などを見極めたいとして積極的な売買を手控える向きが多かった。なお、2年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が5厘と前回(9月30日)の9厘から縮小し、応札倍率は4.87倍と前回の3.81倍を上回った。 先物12月限の終値は、前日比2銭安の143円85銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日と同じ0.970%で推移している。 出所:MINKABU PRESS