午後:債券サマリー 先物は続落、長期金利0.955%と約2カ月ぶり高水準

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市況

 10日の債券市場で、先物中心限月12月限は続落。米景気懸念が薄れていることを背景に、米長期金利が上昇基調を強めていることから国内債にも売りが出やすかった。

 前週末に発表された9月の米雇用統計が強い内容となったことで、市場では米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方が広がっている。また、9日に公表された9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、参加者の大多数が0.5%の大幅利下げを支持していたものの、一部では0.25%の利下げが望ましいとの考えを示していたことが明らかになり、米連邦市場員会(FRB)の利下げペースが緩やかになるとの観測も米金利の先高観につながっているようだ。米長期金利は前日に4.07%と約2カ月半ぶりの高水準をつけ、この流れが東京市場に波及するかたちで売りが先行。日経平均株価が続伸し、投資家がリスク選好に傾きやすかったことも安全資産とされる債券の重荷となった。午後に入ると、9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を前にした調整売りが膨らみ、債券先物は引け前に143円89銭まで下押す場面があった。なお、この日に財務省が実施した5年債入札の結果は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が3銭と前回(9月10日)の2銭から小幅に拡大し、応札倍率は3.73倍と前回の3.76倍をやや下回った。

 先物12月限の終値は、前日比25銭安の143円90銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.025%上昇の0.955%と約2カ月ぶりの高水準で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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