午後:債券サマリー 先物は小反発、30年債入札結果は順調
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8日の債券市場で、先物中心限月12月限は小反発。米債券安を受けた売りが一巡したあとは切り返し、午後には30年債入札の順調な結果を手掛かりとした買いがみられた。 債券先物は売りが先行した。前週末に発表された米雇用統計が強い内容だったことで、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退するなか、7日の米長期金利が約2カ月ぶりに4%を上回ったことが影響した。ただ、この日の時間外取引で米長期金利の上昇が一服したことや、中東情勢に対する懸念などから日経平均株価が反落したことが国内債を下支え。債券先物は前日まで3日続落していたことから値ごろ感が意識されやすいこともあり、徐々に買いが優勢となりプラス圏に浮上した。午後に入ると、30年債入札の結果が好感されるかたちで、先物は一時144円33銭まで上伸。小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が10銭となり、前回(9月5日)の20銭から縮小したことに反応した。とはいえ、米経済がソフトランディング(軟着陸)するとの見方から米金利の先高観が根強いほか、日銀による追加利上げの思惑が依然としてくすぶっており、積極的に上値を買い上がる動きは乏しかった。 先物12月限の終値は、前日比5銭高の144円26銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日と同じ0.920%で推移している。 出所:MINKABU PRESS