午後:債券サマリー 先物は大幅反落、日銀の追加利上げ観測が再燃
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30日の債券市場で、先物中心限月12月限は大幅に反落。石破茂氏が自民党の新総裁に選出されたことを受け、日銀の追加利上げ観測が再燃するかたちで売り圧力が強まった。 市場では日銀の利上げ路線に否定的な見方を示していた高市早苗氏の勝利を見込んでいた向きが多く、この日は朝方から「高市トレード」のポジションを解消する動きが活発化。債券先物は前週末に上昇していたことから反動売りが出やすく、午前10時10分ごろには144円49銭まで下押す場面があった。ただ、石破新総裁が29日に出演したテレビ番組で「緩和の方向性は維持しなければいけない」などと述べたことを背景に売り一巡後は下げ渋る展開。日経平均株価が大幅安となり、投資家のリスク回避姿勢が強まったことも安全資産とされる債券の下支えとなった。とはいえ、市場は新政権がどのような政策を打ち出してくるのか見極めている段階とあって戻りは限定的。また、日銀が夕方に10~12月の国債買い入れオペの実施予定を公表することから積極的には動きにくい面もあった。なお、きょう財務省が実施した2年債入札の結果は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が9厘と前回(8月29日)の3厘から拡大し、応札倍率は3.81倍と前回の5.54倍を下回ったが、相場の反応は特にみられなかった。 先物12月限の終値は、前週末比57銭安の144円65銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前週末比0.005%低下の0.850%で推移している。 出所:MINKABU PRESS