午後:債券サマリー 先物は反発、長期金利0.805%に低下
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24日の債券市場で、先物中心限月12月限は3営業日ぶりに反発。20日の日銀金融政策決定会合後の記者会見で、植田和男総裁が追加利上げを急がない姿勢を示したことが買い手掛かりとなった。 20日夕に行われた会見で、植田総裁は経済・物価見通しが実現すれば利上げを継続する考えを改めて表明する一方、円安に伴う輸入物価の上振れリスクは相応に減少しているとし、利上げ時期の判断について「時間的余裕がある」と発言。これがハト派的と受け止められ、早期の追加利上げ観測が後退した。23日の米長期債相場が小幅続落(金利は上昇)した影響は特にみられず、債券先物には断続的に買いが流入。きょう行われた大阪経済4団体共催の懇談会で植田総裁が「政策判断をする際に、内外の金融資本市場の動向やその背後にある海外経済の状況などについて、丁寧に確認していく必要があるし、そうした時間的な余裕はある」との見解を示すと先物は一段高となり、この日の高値で取引を終えた。なお、この日に財務省が実施した流動性供給入札(対象:残存期間1年超5年以下)は、応札倍率が3.81倍(前回は3.26倍)となり、市場では無難とみる向きが多かった。 先物12月限の終値は前営業日である20日に比べて64銭高の145円11銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で20日に比べて0.025%低下の0.805%と8月15日以来の水準で推移している。 出所:MINKABU PRESS