午後:債券サマリー 先物は小反発、5年債入札は無難に通過

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市況

 10日の債券市場で、先物中心限月9月限は小反発。5年債入札を無難に通過した安心感が広がる場面もあったが、手控え理由に事欠かないことから上値は重かった。

 9日の米長期債相場は米連邦準備理事会(FRB)による利下げを織り込むかたちで続伸(金利は低下)したが、大幅な利下げ観測は後退しているとあって上げは小幅にとどまった。これを受けた東京市場の債券相場は買いの勢いが限られ、債券先物は前日比8銭高の144円86銭で寄り付いたあとは失速。時間外の米長期金利が上昇する場面では国内債に売りが流入し、午前9時30分ごろには一時144円76銭とマイナス圏に沈んだ。午後に入って、5年債入札で一定の需要を集めたことが確認されると強含んだものの、米国時間10日に米大統領選候補者である共和党のトランプ前大統領と民主党のハリス副大統領とのテレビ討論会が予定されているほか、11日には8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから買いは続かず。また、11日に秋田県金融経済懇談会に出席する中川順子審議委員や12日に岡山県金融経済懇談会に出席する田村直樹審議委員の発言を警戒する向きもあったようだ。なお、5年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が2銭と前回(8月14日)の5銭から縮小し、応札倍率は3.76倍と前回の3.51倍を上回った。

 先物9月限の終値は、前日比1銭高の144円79銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日と同じ0.890%で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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