午後:債券サマリー 先物は大幅続伸、長期金利4カ月ぶりの低水準

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市況

 5日の債券市場で、先物中心限月9月限は大幅続伸。日経平均株価の急落や円高の進行など市場の混乱が続くなか、相対的に安全な資産とされる債券を選好する動きが強まった。

 2日に発表された7月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月比11万4000人増と市場予想(17万~19万人増)を下回り、失業率が4.3%と前月の4.1%から上昇したことで米景気の先行きが懸念されている。同日の米債券市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げに踏み切るとの観測が広がり、米長期金利が一時3.78%と23年12月下旬以来の水準まで低下した流れが東京市場に波及した。また、日経平均株価が大きく下落して始まったことも投資家心理を冷え込ませ、質への逃避から債券買いが活発化。債券先物は午前9時20分ごろに取引を一時中断する「サーキットブレーカー」が発動され、約10分後に再開されたあとには一時146円14銭まで上伸した。あす財務省が実施する10年債入札への警戒感から伸び悩む場面もあったが、「円高進行で輸入物価の上昇圧力が弱まれば、日銀の追加利上げの必要性が低下する」との見方などから堅調地合いを維持。午後に入って日経平均株価が下げ幅を広げると、債券先物は改めて買い直され引けにかけて強い動きとなった。

 先物9月限の終値は、前週末比2円26銭高の146円06銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前週末比0.205%低下の0.750%と約4カ月ぶりの水準で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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