午後:債券サマリー 先物は後場急伸、日銀政策公表後に長期金利一時0.915%に低下

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市況

 14日の債券市場で、先物中心限月9月限は大幅続伸。後場に上げ幅を拡大した。前日の米国市場で長期債価格が上昇(金利が低下)した流れが円債市場に波及した。日銀はこの日まで開いた金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めた一方、国債買い入れの運営に関し、今後1~2年程度の減額計画について、7月の次回会合で決定する方針を明らかにした。当面は3月会合の決定に基づいて国債買い入れを実施するという。減額の具体的な規模などを今回の会合で示さなかったほか、声明文のなかでは利上げを示唆する文言も見当たらず、債券買いを誘う形となった。

 日銀は今回の政策決定を踏まえ、「債券市場参加者会合」を設けて今後の国債買い入れの運営について、市場参加者の意見を聴取する予定。マーケットに配慮し、時間をかけて減額を行うとの思惑も広がった。海外投資家を中心に今回の決定は総じてハト派と受け止められたほか、日銀の利上げシナリオへの不透明感も意識された。先物は一時144円26銭まで上昇したが、次第に引け後の植田和男総裁の記者会見の内容を確かめたいとのムードが強まり、戻り売りで上げ幅を縮めた。

 前日の米国市場では市場予想を下回った5月の生産者物価指数を受けて利下げ観測が後退したほか、米財務省が実施した30年物国債入札が堅調な結果となったこともあって、米長期金利は4.24%に低下した。

 先物9月限は前営業日比46銭高の143円92銭で取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は同0.040%低い0.925%で推移。一時0.915%まで低下した。


出所:MINKABU PRESS

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