午後:債券サマリー 先物は続伸、30年債入札結果は強め

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市況

 6日の債券市場で、先物中心限月6月限は4日続伸。米債券高の流れを引き継ぐかたちで始まり、財務省が実施した30年債入札が強めの結果となったことを受けて上げ幅を広げた。

 米民間雇用サービス会社ADPが5日に発表した5月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったことを受け、同日の米債券市場では米インフレ圧力が和らぐとの見方が台頭。米長期金利は約2カ月ぶりの水準に低下し、これが国内債の追い風となった。米債券高を好感する動きが一巡したあとは上値が重くなる場面もあったが、日銀の中村豊明審議委員が「当面は現状の政策維持が妥当」と発言したことが伝わると再び買いが流入。30年債入札の結果で需給の引き締まりが意識されると、債券先物は午後に一時144円25銭まで上伸した。その後は上げ一服となったものの、日銀の植田和男総裁が参院財政金融委員会で「現実のインフレ予想は、まだ2%に達するには少し距離がある」「国債買い入れは、出口戦略を進めていくなかで減額することが適当であると考えている」などと述べ、これをハト派的と受け止める向きもあって堅調に推移した。なお、30年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が9銭と前回(5月10日)の30銭から縮小し、応札倍率は3.59倍と前回の3.25倍を上回った。

 先物6月限の終値は、前日比32銭高の144円15銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.045%低下の0.955%と約3週間ぶりの水準で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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