午後:債券サマリー 先物は反発、2年債入札は無難に通過

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市況

 30日の債券市場で、先物中心限月6月限は反発。午前は欧米債券安を受けた売りが優勢だったが、午後は2年債入札を無難に通過したことをきっかけに持ち直す動きとなった。

 29日に発表されたドイツの物価指標が上振したことが欧州債利回りの上昇につながったほか、同日に実施された米7年債入札が低調な結果となったことが米長期金利の上昇を促し、これが国内債にとって逆風となった。加えて、日銀の安達誠司審議委員が前日に「円安が加速、もしくは長期化することで、想定しているよりも早いタイミングで消費者物価の上昇率が反転する可能性がある」などと発言し、日銀による追加の政策修正が意識されやすいこともあり、債券先物は午前9時40分過ぎに142円85銭まで下押す場面があった。ただ、先物は前日まで4日続落していたことから値ごろ感が意識されやすく、売り一巡後は徐々に下げ幅を縮小。午後に入ると2年債入札を波乱なく通過した安心感に加え、時間外取引で米長期金利の上昇が一服したことが買い手掛かりとなり、先物はこの日の高値で取引を終えた。なお、2年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が9厘と前回(4月23日)と同じで、応札倍率は3.78倍と前回の3.48倍を上回った。

 先物6月限の終値は、前日比8銭高の143円20銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは午前に約13年ぶりとなる1.1%台に乗せたが、午後は低下に転じた。午後3時時点では前日比0.020%低下の1.055%で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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