午後:債券サマリー 先物は大幅続落、長期金利1.075%に上昇 12年5カ月ぶり高水準

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市況

 29日の債券市場で、先物中心限月6月限は大幅続落した。連休明けの米国市場における長期債価格の下落(金利の上昇)が重荷となったほか、日銀の早期利上げ観測も広がり、債券の持ち高を圧縮する目的の売りが優勢となった。

 国内では利付国債の入札や国債買い入れオペなどの需給イベントがないにもかかわらず、先物は断続的な売りが継続し、午後に一時143円09銭まで下落した。米国市場で利下げ観測が後退するなか、外国為替市場では円安基調が継続しているとあって、日銀が早期に利上げに踏み切るとの見方が広がった。今後の国債買い入れオペでオファー額が減額される可能性を指摘する向きも多く、需給懸念も相場の下押し要因となった。

 日銀の安達誠司審議委員は29日、熊本県金融経済懇談会で講演を行い、その後記者会見に臨んだ。講演のなかで、安達審議委員は物価動向次第で、利上げにより金融緩和度合いを調整するペースを早めることもありうるとの考えを示したと伝わった。金利の先高観が強まるなかでは、債券への売りを促す材料となったようだ。

先物6月限は前営業日比38銭安の143円12銭で取引を終えた。現物債市場で新発10年債利回り(長期金利)は同0.040ポイント高の1.075%に上昇。2011年12月以来、およそ12年5カ月ぶりの高水準をつけた。


出所:MINKABU PRESS

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