午後:債券サマリー 先物は続落、長期金利1.035%に上昇

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市況

 28日の債券市場で、先物中心限月6月限は続落。前日の米債券市場が休場で手掛かりに欠けるなか、日銀による金融政策修正を警戒した売りが断続的に流入した。

 債券先物は寄り付き直後に143円57銭まで上伸する場面があった。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が27日に「ECBは6月と7月両方の会合で利下げをする可能性を排除するべきではない」との考えを示し、同日のドイツやフランスの長期金利が低下したことが国内債の支援材料となった。ただ、日銀の内田真一副総裁が前日の講演で「過去25年間の金融政策運営におけるデフレとゼロ金利政策との闘いの終焉(しゅうえん)が視野に入った」などと述べ、政策正常化を一段と進める構えを示したことが重荷となるかたちで軟化。午後に入ると財務省が実施した10年物のグリーントランスフォーメーション(GX)経済移行債(クライメート・トランジション国債)入札の結果が明らかとなり、最高落札利回りが予想を上回ったことで「弱め」と受け止められると一時143円38銭まで下押した。とはいえ、発行額が大きくなかったことから相場への影響は限定的で、引けにかけては下げ渋る動きとなった。

 先物6月限の終値は、前日比2銭安の143円50銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.005%上昇の1.035%と2012年4月以来およそ12年ぶりの水準で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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