エネルギー不安継続で「都市油田」テーマ性再燃、関連株は活躍本番へ <株探トップ特集>
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―ゴミを資源に生まれ変わらせる企業の取り組み続々、今春の法改正・政府計画も後押し― 中東のエネルギー供給の正常化はいまだ遠い。米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)価格は今月に入って1バレル=100ドル大台をまたもや突破した。春先の米国によるイラン攻撃でいったん110ドル台まで急騰した後、夏にかけて70ドル割れの場面もあったが、ここにきて再び騰勢を強めてきた。原油輸送の要衝ホルムズ海峡や、その代替ルートとなるバベルマンデブ海峡の安全性が依然として確保されないためだ。イラン情勢は泥沼化の様相を呈し、本格的な原油価格の下落は当面望めないだろう。こうしたなか、物色テーマとして「都市油田」に目を向けてみたい。ここから改めて脚光を浴びそうだ。 ●30年までに1兆円の官民投資 都市油田とは日常生活で廃棄される石油化学製品を有用な資源として捉え、これを油田に見立てて表現したもの。電化製品に含まれる金属を資源として捉える「都市鉱山」と同様のコンセプトの言葉だ。原油から精製される物質の一つ、ナフサの不足懸念を受けて「白黒ポテチ」や住宅設備メーカーによる一時受注停止が社会的な関心を集めた今年春ごろ、株式市場において有力な投資テーマとして話題を集めた経緯がある。 その後テーマとしての人気は徐々に薄れていったが、足もと原油価格の高止まりが続くなか再び関心が高まる公算は大きい。政策面での追い風がある点もポイントだ。折しも今春から改正資源有効利用促進法が施行された。再生プラスチックなど再生材の利用義務がある製品を作る事業者に対し、利用計画の提出や定期報告を求めるというものだ。時を同じくして政府はプラスチックや重要鉱物の リサイクルを強化する「循環経済行動計画」を策定。再資源化拠点などの構築・ネットワーク形成に向け、2030年までに約1兆円の官民投資を目指す方針を掲げた。 ●出光興産、リサイクル設備の運転開始 既に企業の動きは活発化している。出光興産 <5019> [東証P]は4月、千葉県市原市にある拠点で油化ケミカルリサイクル設備の商業運転をスタートさせた。処理能力は年2万トン。家庭や企業などから排出される使用済みプラスチックを原料に、独自技術を用いて軽質原油に相当する油を生産するという。 三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]とENEOSホールディングス <5020> [東証P]も廃プラスチックのケミカルリサイクル施設を昨年7月に竣工した。超臨界水熱分解技術を持つ英国企業と連携し、同技術を用いて化学的に分解する油化処理を行う。三井化学 <4183> [東証P]は廃プラなどの廃棄物を再利用する取り組み「RePLAYER(リプレイヤー)」を推進。新素材やリサイクルシステム、バリューチェーンの開発を進めている。 ●TREHD拠点開設へ、リファバスGは大手と実証 関連銘柄は前段の企業に加え、まずは産業廃棄物処理や資源リサイクルといった「静脈産業」に位置づけられる銘柄群を押さえておきたい。今春に都市油田のテーマが注目を集めた際に大きく動意づいたものもあり、要マークとなる。 大栄環境 <9336> [東証P]は廃棄物の収集運搬から中間処理、無害化処理、リサイクル、最終処分までを一貫して手掛ける業界大手。プラスチック再資源化施設を4月に全面稼働させた。複数企業との連携で廃プラの回収から製品化までを支援するサービス「iCEP PLASTICS(アイセップ プラスチックス)」も展開する。新規施設やM&A効果が寄与し、直近の第1四半期決算は好調だった。 TREホールディングス <9247> [東証P]は廃棄物処理大手のタケエイと、資源リサイクル大手のリバーホールディングスが経営統合し、21年に誕生した企業だ。今年4月、千葉県にプラ再資源化に特化した拠点を開設すると発表。今年度中の操業開始を目指す。同月にはリサイクル事業者のエム・エム・プラスチック(千葉県富津市)と資本・業務提携することも明らかにした。 リファインバースグループ <7375> [東証G]は廃プラ再生事業を拡大するため「ポリオレフィンリサイクル事業」を今年開始した。三菱ケミカルらと自動車向け高品質再生プラの安定供給で実現可能性調査を行うほか、大手ゼネコンらと建設現場から出る廃プラのリサイクル実証を行うなど取り組みを加速させている。エアバッグや漁網を使った再生ナイロン樹脂の展開にも力を入れる。 アミタホールディングス <2195> [東証G]は資源回収ステーション「MEGURU STATION(めぐるステーション)」を軸にプラスチック循環モデルの構築を進める。エンビプロ・ホールディングス <5698> [東証S]、三和油化工業 <4125> [東証S]、イボキン <5699> [東証S]もプラ再資源化を手掛ける。ミダックホールディングス <6564> [東証P]は前述のエム・エム・プラスチックと資本・業務提携している。 ●サニックスH、廃プラを発電燃料に このほか見逃せないのがサニックスホールディングス <4651> [東証S]。シロアリ駆除を祖業とするが、近年は太陽光発電システムや産廃処理など多角化している。廃プラを加工して発電燃料にする事業を手掛け、業績全体のなかで一定の規模を占めるまでに成長している。この燃料を使った発電事業も展開する。都市油田のテーマが注目を集めた際に人気化した銘柄の一つだ。 合成樹脂製品を製造加工するフクビ化学工業 <7871> [東証S]は、出光興産グループや竹中工務店(大阪市中央区)らと共同で使用済みプラを用いた建設資材への活用に成功したと4月に発表。三菱系商社中堅の明和産業 <8103> [東証P]はプラスチックのリサイクル事業を手掛けるタカロクを昨年グループ傘下に収めた。廃プラの回収から販売までサプライチェーンを強化する狙いがある。 株探ニュース