三井郁男氏【調整局面は長期化するのか、夏相場の方向性を再点検】 <相場観特集>

投稿:

コラム

―前週末の急落経て連休明けは2091円高、米ハイパースケーラー決算は吉と出るか―

 連休明け21日の日経平均株価は2091円高と急反発した。前週末17日の下落幅は過去5番目の大きさとなるなど、このところボラティリティの高い相場環境が続いている。高値から一時10%を超す下げとなった日経平均はテクニカル分析上「調整局面」入りとなったが、再び戻りを試す形になるのだろうか。今後の相場の展望について、アイザワ証券投資顧問部ファンドマネージャーの三井郁男氏に話を聞いた。

●「TOPIXベースでのリカバリーに期待」

三井郁男氏(アイザワ証券 投資顧問部 ファンドマネージャー)

 前週末まで値幅を伴って日経平均株価は大きく下落し、25日移動平均線との下方カイ離率は一時7%を超えた。値幅的な調整は進んだ印象があるが、戻りを試す展開となるにはもう少し時間がかかりそうだ。なかでもキオクシアホールディングス <285A> [東証P]が荒い動きとなっている。同社のファンダメンタルズは大きく変化しているわけではなく、投資家の物色対象から外されることはないと考えているが、これだけの変動をみせつけられると、心理的に萎縮せざるを得ない面がある。

 米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が高値から20%以上の下落となり、弱気相場入りとなった。韓国総合株価指数(KOSPI)は更に大きな下げとなっている。台湾積体電路製造(TSMC)やASMLホールディングが好決算を発表したにもかかわらず、半導体株の押し上げに至らなかった現実がある。今週から米テック大手の決算発表が相次ぐ。ハイパースケーラーが高水準の設備投資計画を維持するとの期待感が広がるなかで、株式相場が好反応を示すにはプラスアルファのサプライズが必要な状況となっている。

 東京市場も半導体関連株は急落を余儀なくされたものの、それ以外のセクターで買いが入った銘柄は多い。半導体株への集中から半導体以外への「分散」の流れを背景に、NT倍率も低下傾向にある。この先は「TOPIXベースでのリカバリーが入りやすい局面となるだろう。TOPIXがしっかりとした動きとなれば、日経平均も底堅さを示すことになるはずだ。

 半導体以外への資金シフト先として有望視されるセクターの一つが輸送用機器である。円安が続いていたこともあり、トヨタ自動車 <7203> [東証P]やSUBARU <7270> [東証P]を含め4~6月期の業績モメンタムが大きく悪化することは想定しにくい。資源価格が高止まりする環境下で三井物産 <8031> [東証P]や三菱商事 <8058> [東証P]など商社株には見直し余地がある。金利上昇が追い風となっているメガバンクや損保大手、三菱重工業 <7011> [東証P]をはじめ防衛関連なども候補に挙がる。SaaS関連株のリバーサルというのも注目点の一つとなっており、IT・ソフトウェア関連でNEC <6701> [東証P]や富士通 <6702> [東証P]の決算が堅調なものとなれば、評価機運の一段の高まりに寄与するに違いない。この先1ヵ月間の日経平均は6万1000~6万8000円の範囲で推移すると予想している。

(聞き手・長田善行)

<プロフィール>(みつい・いくお)
1984年からファンドマネージャーとして日本株運用を40年以上にわたり続ける。国内銀行投資顧問、英国の投資顧問会社、国内大手信託銀行を経て、投資顧問会社を設立。2013年からアイザワ証券の投資顧問部で日本株ファンドマネージャー。自ら企業調査するボトムアップ運用を続けている。

株探ニュース

オンラインで簡単。
まずは無料で口座開設

松井証券ならオンラインで申し込みが完結します。
署名・捺印・書類の郵送は不要です。