人気復活なるか、国策テーマで覚醒間近「エンタメ株」の仕込み場到来 <株探トップ特集>

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コラム

―今年から経産省の支援事業スタート、日経新指数と連動型ETFも誕生し話題に―

 投資家から根強い関心を集める「エンターテインメント株」。一方それとは裏腹に関連銘柄の株価は冴えない状況が続く。半導体などAI関連株に投資マネーが一極集中し、物色の対象外となってしまったことが要因の一つとしてある。春先から全体相場が最高値圏を駆け上がるなかにあっても、任天堂 <7974> [東証P]をはじめソニーグループ <6758> [東証P]、サンリオ <8136> [東証P]、バンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]といった主力級の銘柄群は軒並み下値模索の展開を余儀なくされた。しかしここにきて、こうした悪い流れに変化の兆しが見え始めている。国策という強力な追い風材料が改めて意識される状況となってきたのだ。

●関連中小型株が相次ぎ人気化

 高市政権が進める戦略17分野の官民370兆円投資計画にマーケットの視線が集中している。分野別に金額の多い順にみると、やはり一番は「AI・半導体」(101兆6000億円)。続いて「デジタル・サイバーセキュリティ」(55兆4000億円)、「創薬・先端医療」(43兆3000億円)と並ぶが、この次にランクインしたのが「コンテンツ」。金額は33兆7000億円だ。安保3文書改定の影響がまだ織り込まれていない「防衛産業」(4兆7000億円)はさておき、次世代通信を含む「情報通信」(28兆8000億円)、「航空・宇宙」(18兆5000億円)、「量子」(13兆2000億円)よりも多い。

 政府によるコンテンツ支援の取り組みは既に動き出している。経済産業省は今年からコンテンツ産業成長投資支援事業「IP360」をスタートした。日本発コンテンツの海外売り上げを2033年までに20兆円とすべく、複数年の支援を含めた大規模・長期・戦略的な官民投資を推進し、海外展開を促進するというものだ。IP(知的財産)創出から作品製作、海外でのローカライズやプロモーションまで幅広く支援していく。

 このほど支援事業の1回目の採択結果が公表され、これに選ばれた企業が直近マーケットで相次ぎ急動意している。Link-Uグループ <4446> [東証S]は6月26日、子会社が運営に参画するマンガアプリ(集英社提供の「MANGA Plus by SHUEISHA」、スクウェア・エニックス提供の「Manga UP!」)がそれぞれ採択されたと発表。これを受けストップ高を交えて急伸した。同日にはGunosy <6047> [東証S]もゲームメディアを運営する子会社が採択されたことを明らかにし、翌営業日に商いを伴って上昇した。Amazia <4424> [東証G]も業績修正とあわせ、採択を発表し物色人気化した。

●任天堂株は下げ止まりか

 コンテンツなどエンタメ株の代表格と言えば任天堂だろう。トランプ関税に耐性があるとして昨年前半まで大いに物色人気を集めたが、年後半は一転して利益確定売りが先行。今年に入ってからはメモリー高騰の影響や、それと同時並行で進むAI一極集中相場のダブルパンチで更に下値を探った。苦しい時間帯が長く続いたが、足もとではAI相場に落ち着きがみられるなか、これまで売り込まれていた「非AI銘柄」に循環物色がじわり拡大。エンタメ株にも資金が還流し、同社株は下げ止まりの気配をみせている。

 ここからのエンタメ株の復活に期待したいところだが、これに寄与しそうなトピックが一つある。日本経済新聞社が5月から「日経エンタメ・コンテンツ株指数」の算出・公表を開始したのだ。20社で構成され、任天堂やソニーG、サンリオ、バンナムHDなどが採用された。そして翌6月には同指数に連動したNEXT FUNDS 日経エンタメ・コンテンツ株指数連動型上場投信 <586A> [東証E]が上場した。同指数をベンチマークとする投資信託が今後増えてくれば、ファンド経由の資金流入が見込まれ、エンタメ株全体の盛り上がりにつながることが見込まれる。

 エンタメ株は ゲームから マンガ、 アニメまで投資テーマとしての裾野は広く、数多くの関連銘柄が存在する。今回はその中から業績や株価の面で食指が動きやすい中小型の妙味株を5銘柄ピックアップした。

●妙味株5銘柄

 ブシロード <7803> [東証G]はトレーディングカードを主力にゲーム、ライブ、グッズまで幅広くカバーする総合エンタメ企業。傘下に新日本プロレスリングを保有していたが、5月にテレビ朝日・サイバーエージェント <4751> [東証P]へ譲渡すると発表。これに伴う売却益を織り込み、26年6月期の純利益予想を前の期比35%増の46億2600万円へ上方修正。従来の4期ぶり最高益予想(39億円)に更に上乗せする格好となった。自社株買い効果もあり、株価はボトム圏から上放れを鮮明としつつある。

 ハピネット <7552> [東証P]はバンダイナムコ系の玩具・ゲーム卸最大手。大企業グループに属する強みをベースに業容を広げ、26年3月期は6期連続の営業増益を達成して最高益更新。27年3月期も増益が続く見通しだ。成長ドライバーの一つとして期待されるのがカプセルトイ事業(アミューズメント事業)。カプセルトイが外国人から高い人気を誇ることは周知の通りであり、ここ数年で同事業はインバウンド需要を背景に急拡大している。足もと同社株も底値離脱の動きを強めている。

 セルシス <3663> [東証P]はイラスト・マンガ・アニメーション制作用の作画アプリ「CLIP STUDIO PAINT」を手掛けるソフト開発会社。国内外で展開し、ユーザー数の8割以上は海外、累計出荷は全世界6300万本に及ぶ。国内マンガ家の9割以上・アニメ制作現場の8割以上が利用する圧倒的な市場シェアを有している。業績は好調を極め、26年12月期は3期連続の営業最高益を計画。10日に上期計画を上方修正しており、通期上振れへの期待が膨らむ。株価は最高値圏を舞っている。

 まんだらけ <2652> [東証S]は中古マンガやキャラクターグッズ、玩具などマニア向け商品を取り扱う店舗を運営する。サブカルの聖地・秋葉原に大型店「コンプレックス」の2店舗目を昨年オープンし、今年6月には大宮にも大型店を開業した。25年9月期は営業減益となったが、これは体制強化の先行投資によるもの。インバウンド需要を追い風に26年9月期は増益に転じ、再び最高益を狙う。直近の月次は好調だ。数年前の大相場後の調整一巡から出直り途上にあり中長期でマークしたい。

 ドリコム <3793> [東証G]は利益急拡大局面に入っているゲーム会社。営業利益は26年3月期の3.6倍増益に続き、27年3月期も前期比2.4倍の10億円を計画。24年リリースの「Wizardry(ウィザードリィ)」シリーズ最新作の好調に加え、不採算タイトルの赤字縮小や費用適正化が奏功する見通しだ。4期ぶり復配方針を示し、業績計画達成への自信をのぞかせた。一方で足もとの株価をみるに、まだ織り込みは進んでいないもよう。底値買いのチャンスとみたい。

株探ニュース

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