【植木靖男の相場展望】 ─ハイテク調整一巡から再浮上の兆し
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「ハイテク調整一巡から再浮上の兆し」 ●霧の中の東京市場、株高は続くのか 東京株式市場は日ごとに混迷の度を深めているようにみえる。一方、世界の株式市場の牽引役である米国ではNYダウがジリジリと水準を高めてきている。その動きに支えられてか、日本市場は一気に下落することなく、一進一退の攻防を続けている。 なぜ、米国株は高いのか。株価の基本は景気だと言われる。いまの米国景気はとにかく堅調だ。そして、米国以外の国々の経済も濃淡はあるものの底堅い。 その背景だが、いま世界的に防衛力強化の動きが進んでいる。すなわち、米国とイラン、ロシアとウクライナの軍事衝突など、いまだ世界の戦乱は収まらない。地政学的リスクの高まりを背景に、欧米やアジア、日本などが防衛予算を増やし、世界は軍需景気に乗っている。加えて、米国が日本を含む同盟国に防衛費をGDP(国内総生産)比5%まで引き上げるよう求めており、防衛費拡大の圧力は高まる一方だ。世界の株価が2022年のロシア・ウクライナ戦争から上昇に転じている背景には、こうした流れもあると思われる。 相場はトランプ米大統領の一言一句に翻弄されているが、米国株の上昇トレンドそのものは変わらず、株高は当面終了しないとの説も内外から聞こえてくる。だとすると、日本株も上昇基調は崩れないとみられる。とはいえ、現実に内外の株価は過熱状態にあり、いつ崩れてもおかしくない、との見方も根強い。 そこで、理屈のうえで最悪の事態をシミュレーションしておきたい。それは円安、債券安、株安のトリプル安の進行だ。円安の背景には国力の衰えがある。過去30年間、日本のGDPはあまり成長していないが、米国のそれは急拡大している。また、金利の水準も米国に比べ低い。マネーは金利の高い方へと流れる。円安・ドル高のトレンドはこれでは変わらない。とすれば、今後さらに円安、債券安は続く可能性がある。つまり、株価を巡る諸環境は良好とはいえず、円安、債券安が進行すれば株価崩落のトリガーが引かれてもおかしくはない。では、いつ頃、下げに転じるのか。これは誰にも分からない。最後に参考になるのはやはりチャートだろう。 ●NASDAQの動きに注意 足元で日経平均株価は気になる動きをみせていた。7月2日に1741円安と急落し、8日の6万6819円までわずか4日でおよそ2000円も下げたのだ。9日、10日は上昇したが、売り方の買い戻しとみれば「大勢に影響なしか」と映る。だが、米国に視線を転じると、これまで調整していた NASDAQ指数が反発の態勢に入り、仮に週末10日にさらに上昇すれば、日柄からみて久しぶりに買い転換のサインが灯りそうな様相にある。 仮にそうなれば、これまで調整色を強めてきたハイテク株の再浮上が期待できるというものだ。 そこで、今回は期待を込めてハイテク株から久々にソフトバンクグループ <9984> [東証P]を取り上げてみたい。これまでキオクシアホールディングス <285A> [東証P]がAI(人工知能)・半導体相場をリードしてきたが、どうやらそれはソフトバンクグループに代わるとみてもよさそうな両社の株価展開だ。 このほか、Terra Drone <278A> [東証G] にも注目したい。世界の防衛関係者の間で最も注目されている兵器が ドローンだ。業績というよりは、まずは同社のドローン技術そのものが評価されるのではないか。 また今後、金利上昇がさらに続くのならば、やはり出遅れは金融株と言えよう。売買高からみてみずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]に注目したい。 2026年7月10日 記 株探ニュース