明日の株式相場に向けて=キオクシア25日線割れをどう捉えるか

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 2日の東京株式市場で日経平均株価は4日ぶりに反落。大引け間際に売り直しの流れとなり、終値は6万8000円台と6月12日以来、半月ぶりの安値水準となった。日足は上ヒゲと下ヒゲが極端に短い陰線となり、ほぼ十字足の6月30日を事実上の陰線とするのであれば、売りサインの「上位陰線5本」が出現したとみなすことが可能だ。TOPIXは小幅に4日続伸となったが、同じく陰線で引けた。

 米株式市場では1日、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が6%を超す大幅な下げとなり、東京市場に少なからず緊張感が走った。2日の韓国株価指数(KOSPI)に至っては一時8%を超える下げとなり、激しい振幅を続けている。起点となったのは米ブルームバーグ通信の報道である。メタ・プラットフォームズ<META>がAI向けの余剰計算能力を販売するクラウド事業を計画していると伝わった。「余剰」という需給のダブつきを想起させるワードが、AI関連の設備投資需要を巡る投資家の楽観に揺さぶりを掛けることとなった。

 半導体メモリー価格の高騰は、AIデータセンターの採算を悪化させる要因となる。半面、半導体メモリー各社においては、データセンター投資への慎重姿勢が広がったとしても、製品需給がひっ迫した状態が長期にわたって続くのなら、数量の伸び悩みを単価の上昇が補う形で利幅を確保できる。ハイパースケーラーとは利害が対立する。需要と供給の供給面に関して言えば、韓国が6月末に新産業戦略を提示した。サムスン電子とSKハイニックス<SKHY>による投資規模80兆円超の新工場建設計画は、2030年に工場が完成する見込みだ。半導体による税収を半導体産業の発展に配分しようとする韓国政府の判断は合理的といえるが、過剰供給による市況悪化は過去の半導体産業が幾度もたどった道である。

 SOXは25日移動平均線にタッチし、キオクシアホールディングス<285A.T>は明確に25日移動平均線を下抜けている。ともに日足は陰線だ。キオクシアの終値7万6260円は、ザラ場での史上最高値11万2700円を32%下回る水準。終値の最高値10万8700円を30%下回る。高値からの20%超の調整は一般に「弱気相場入り」とされる。それでも株式市場にキオクシアの先高観は根強く、売りに動く行為は危険とみなされている。今回の半導体株安に関しても「半導体への行き過ぎた一極集中の反動の過程」(国内証券アナリスト)との声がある。半導体メモリー価格やAI関連の設備投資のピークアウトの時期を見計りつつ、AI相場のなかで踊れるうちには踊っておこう──。そんな投資家心理がうかがえる。

 日本時間の今晩には6月の米雇用統計の発表を控えている。祝日の関係で今回は第1週目の木曜日の公表となる。市場予想は非農業部門雇用者数が13万人程度の増加、失業率は4.3%だ。労働市場の堅調ぶりが示されて米利上げ観測が広がった際には、ドル買いの流れが強まるとの見方が広がっている。仮に雇用統計後に米金利が上昇すれば、半導体株に対する利益確定売りの口実になる可能性がある。そのうえで、改めて7月の予定をみると台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の月次売上高の発表が来週10日に、同社の4~6月の決算発表が16日に予定されており、下旬にはマイクロソフト<MSFT>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>などが決算を開示する。ハイパースケーラーの設備投資意欲に変化はあるのか。市場の緊張感が次第に強まることが想定される。AI半導体関連から、原油高によるコスト圧迫懸念が後退した内需株に資金を分散させる動きが継続するシナリオを意識したいところである。

 あすのスケジュールでは、国内では主要な経済指標の発表はなく、アスクル<2678.T>や霞ヶ関キャピタル<3498.T>、マルマエ<6264.T>が決算を発表する。海外では中国でRatingDogによる6月のサービス業PMIや、ユーロ圏の6月サービス業PMI(確報値)などが公表される予定。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁や英イングランド銀行(中央銀行、BOE)のベイリー総裁の発言機会がある。米国市場は3日は独立記念日の振り替え休日となり、休場となる。(長田善行)

出所:MINKABU PRESS

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