ネット銀5行の口座数9%増、預金増加率は大手行・地銀上回る 佐山リサーチオフィス集計

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経済

 ネット銀行の2026年3月期決算とともに公表された口座数は、今年3月末時点で、上位5行合計で3895万口座(前の期比8.9%増)となった。個別の銀行では、楽天銀行<5838>が1808万口座(同7.4%増)、NTT<9432>傘下のNTTドコモの子会社となった住信SBIネット銀行運営のdNEOBANKが915万口座(同10.9%増)、KDDI<9433>傘下のauじぶん銀行が729万口座(同8.2%増加)、大和証券グループ本社<8601>傘下の大和ネクスト銀行が229万口座(同20.9%増)、ソニーフィナンシャルグループ<8729>傘下のソニ-銀行が214万口座(同4.4%増)となり、各行ともに順調に口座数を拡大した。

 佐山リサーチオフィスが各行及び親会社の決算関連資料(単体ベース)などをもとに集計した。預金総額は上位5行で、39兆5043億円(前の期比14.1%増)となった。個別の銀行を見ると、楽天銀が12兆9645億円(同13.0%増)、dNEOBANKが11兆498億円(同12.5%増)、auじぶん銀が5兆7146億円(同24.5%増)、大和ネクスト銀が5兆638億円(同17.5%増)、ソニ-銀が4兆7116億円(同6.7%増)と各行、預金を大きく伸ばした。

 一方、大手銀行8行(三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>と三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>の3メガバンクと三井住友トラストグループ<8309>の三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、りそなホールディングス<8308>傘下のりそな銀行、SBI新生銀行<8303>。みずほ信託銀は国内店分)の預金総額は、646兆1265億円(前の期比5.2%増)。地銀64行(第1地銀61行とともに、りそなHD傘下の埼玉りそな銀行と第2地銀のみなと銀行、山口フィナンシャルグループ<8418>傘下の第2地銀のもみじ銀行を加えたベース)の預金総額は367兆7019億円(同1.6%増)にとどまった。預金者の高齢化に伴い、地銀は相続・贈与などに伴う預金の流出に直面しており、その受け皿として、ネット銀行の存在が大きくなっている。

 銀行収益重要指標である、業務粗利益はネット5行合計で3701億円(前の期比14.3%増)となった。個別銀行の数値を見ると、楽天銀が1622億円(同36.0%増)、大和ネクスト銀(財務諸表から算出)が292億円(同24.8%増)、dNEOBANKが886億円(同14.2%増)、ソニ-銀は474億円(同1.3%増)、auじぶん銀は427億円(同24.8%減)。概ね各行とも順調に拡大したが、auじぶん銀は、役務取引収益が大きく落ち込んだことで、マイナスとなった。

 大手銀8行の業務粗利益合計は9兆736億円(前の期比25.6%増)となり、規模の利益を発揮して順調だった。一方、地銀64行の業務粗利益合計は3兆9220億円(同3.5%増)にとどまり、停滞気味であった。

 特筆すべきは、地銀の23行(ふくおかフィナンシャルグループ<8354>の福岡銀行、しずおかフィナンシャルグループ<5831>の静岡銀行、第四北越フィナンシャルグループ<7327>の第四北越銀行、十六フィナンシャルグループ<7380>の十六銀行、百五銀行<8368>、京都フィナンシャルグループ<5844>の京都銀行など)の業務粗利益が減少したことである。金利上昇に伴う保有国債・社債などの減損処理が発生したことが主因だ。今後の金利動向次第では、今年度以降のリスク管理が問われる難しい局面に突入している。

 通常業務の収益をみる指標の経常利益は、ネット5行合計で1901億円(前の期比14.5%増)と順調だった。個別の銀行を見ると、楽天銀が1043億円(同43.9%増)、dNEOBANKは、413億円(同8.2%増)、大和ネクスト銀が211億円(同49.9%増)、ソニ-銀は167億円(同17.9%減)、auじぶん銀行は、66億円(同68.4%減)と明暗が分かれた。

 ソニ-銀の減益要因は、住宅ロ-ン収益の減少と営業経費の増加。auじぶん銀の減益要因は、役務取引収益の減少と預金利息の増加だった。大手銀8行の経常利益合計は5兆5922億円(前の期比74.6%増)と順調。地銀64行の経常利益合計は2兆2831億円(同39.9%増)と健闘した。利益が減少したのは、3行にとどまり、特損処理などによるものだった。

 ネット銀行は、デジタル化の進展とともに若年層を中心預金の受け皿として業績を伸ばしてきた。金利ある世界のなかで住宅ロ-ンビジネスにおける大手銀行の攻勢に対処するうえで、相続・贈与ビジネスへの取り組み強化などが求められている。

 佐山リサーチオフィス社長 佐山雅致

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