【杉村富生の短期相場観測】 ─“富を生む”投資戦術による特選銘柄!(上)

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コラム

「“富を生む”投資戦術による特選銘柄!(上)」

●TACOトレードの本質とは……?

 トランプ政権の基本方針は“株高”である。主要閣僚にはベッセント財務長官(元ヘッジファンド業界の大物)、ラトニック商務長官(元証券会社の経営者)など相場巧者が揃っている。トランプ大統領はもともと不動産業の富豪だ。市況に対する感覚は鋭い。常に、株価(NYダウ)を眺めている、という。

 いや、伝えられるところによると、今年1~3月は3700回の証券取引を行ったらしい。4~6月はもっと増えているだろう。もちろん、本人の直接取引ではない。合法的な第三者運用機関によるディスクレショナリー(裁量)運用である。AI(人工知能)を駆使し、自動売買システムを採用しているはずだ。値動きの激しさが儲けにつながる。

 なにしろ、財務長官はヘッジファンド出身、為替のプロである。売りも得意だ。ただし、株価を下落させ、マーケットを壊しては元も子もない。トランプ政権がそんな政策を行うはずがないだろう。TACO(Trump Always Chickens Out :トランプはいつも尻込みする)トレードとは究極の相場操縦理論(?)である。

 日本市場はサナエノミクス(日本再設計、成長分野投資戦略)に加え、業績&好需給が株高を支援する。TOPIX(東証株価指数)採用企業の3月期決算(経常利益)は2026年3月期の5.5%増益に続き、27年3月期が9.6%増益、28年3月期は11.3%増益と予想されている。特に、製造業が28年3月期に18.3%増益と回復する。

 日経平均株価の1株利益(予想ベース)は3673円が見込まれ、実績ベース(3338円)比9.5%増益となる。つい最近まで小幅増益予想だった。これは世界経済、企業がコロナショック、ロシアのウクライナ侵攻、トランプ関税を乗り越え、イラン戦争(原油高、調達難)を克服しつつあることの証左ではないか。

 さらに、自社株買い(実施額)は2025年度に前年度比2.2兆円増の18.4兆円に膨らんだ。今年度は20兆円を超える。ちなみに、5月20日時点だと、4~6月の設定枠は7.9兆円(年換算30兆円強)だ。配当金総額は25年度が前年度比3.7兆円増の26兆円だったが、今年度は28兆円に増える。株主還元性向は着実に上昇している。

●ソフトバンクグループが集中人気に!

 さて、物色面はどうか。銘柄選別に際し、筆者が主張しているのはテーマ(話題)性を有する好業績銘柄、および流動性を重視すること。売買の主役は国際マネーだ。国内の機関投資家はこの動きに追随する。順張りがメインである。強い銘柄を徹底して攻める。逆張りの考えはない。彼らは待ちぼうけのリスクを避ける。

 直近の話題としてはやはり、アメリカ市場のIPO(株式公開)だろう。6月に、宇宙開発、AI、 半導体のスペースXがNASDAQ市場に上場する。株式は全世界で売り出される。時価総額は2兆ドル(310兆円)を超えるだろう。

 すでに、アメリカ市場ではロケット・ラボ、ASTスペースモバイルが人気を集めている。日本市場ではispace <9348> [東証G]、大日光・エンジニアリング <6635> [東証S]、共和電業 <6853> [東証S]などがピックアップされている。共和電業はひずみ計を評価する動きである。

 巨大IT企業のIPOは9月にオープンAI、10月にアンソロピックが控えているとされる。公開前だが、評価額はオープンAIが8400億ドル(約133兆円)、アンソロピックが9650億ドル(約152兆円)に達するとみられている。この3社が大フィーバーを演じ、マーケットを刺激するのは間違いない、と思う。

 ソフトバンクグループ <9984> [東証P]はエヌビディアとともに、オープンAIの大株主だ。約6兆円を投資している。ケタが違う。アーム・ホールディングスの含み益も急増している。株価は1万円を目指しているが、ここが終着駅ではない。始発駅だ。引き続いて、集中人気となろう。

 次の着眼点は有力企業の出身者が経営する銘柄だ。TMH <280A> [東証G] の榎並大輔社長は東芝の出身である。半導体業界のことを熟知している。ノースサンド <446A> [東証G] の前田知紘社長はベイカレント <6532> [東証P]出身だ。コンサル業界を知り尽くしている。

2026年5月29日 記

株探ニュース

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