決算通過で狙う!「最高益計画×割安圏」で上値期待の特選6銘柄 <株探トップ特集>
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―27年3月期にピーク益更新見通しも割安評価、水準訂正待つ中小型株をピックアップ― 3月期決算企業の決算発表が先週までに一巡した。26年3月期は、第1四半期こそ米国の関税政策を受けて自動車など外需関連を中心に苦戦を強いられ、全体の半数超が減益または赤字となる厳しいスタートとなった。もっとも、世界的に拡大するAI(人工知能)関連需要の取り込みや価格転嫁の進展に伴う採算改善などを背景に、下期にかけて力強く持ち直し、最終的にはおよそ7割の企業が増益を達成している。続く27年3月期も収益環境に不透明要因は少なくないが、全体としては増益基調を維持する見込みだ。 週明け25日の東京株式市場では、米国とイランの戦闘終結に向けた合意への期待感から、AI・半導体関連の主力株が牽引する形で日経平均株価は初の6万5000円台に乗せた。ただ、資金流入は一部の大型株に偏っており、TOPIX(東証株価指数)が最高値を更新する一方で出遅れ感の強い銘柄も多くみられる。こうしたなか、ここでは独自の成長ドライバーを有して今期に過去最高益の更新を見込みながらも、株価指標面で依然として割安感が強く、水準訂正妙味のある中小型株を探った。 ●27年3月期はAIや金利高が全体業績を牽引 27年3月期の業績予想を開示した東証上場企業1922社(変則決算を除く)を集計したところ、経常利益または税引き前利益の合計額は前期比で約3%増加する計画となった。増益率は1ケタ台にとどまるものの、社数ベースでは全体の6割強が前期実績を上回る予想を示している。 今期の見通しについては、イラン情勢の混迷による原材料や燃料価格の上昇を警戒し、自動車関連や海運、建設セクターなどで減益を見込む企業が目立つ。一方、半導体・電子部品分野は生成AIの普及を背景とした データセンター需要の拡大が強力な追い風となるほか、日銀による政策金利の引き上げを受けた金融セクターの収益改善も全体の利益水準を押し上げる見通しだ。 利益の伸びを牽引するのは、世界的なAIインフラ投資拡大の波に乗る企業群である。半導体検査装置大手のアドバンテスト <6857> [東証P]が大幅増益で連続最高益の見通しを示すほか、データセンター向け光ファイバーが好調な古河電気工業 <5801> [東証P]、AIサーバー向け積層セラミックコンデンサーの特需に沸く村田製作所 <6981> [東証P]、高性能ICパッケージ基板の成長が続くイビデン <4062> [東証P]なども同一会計基準内における最高益の更新や奪還を計画している。また、「金利のある世界」への本格移行を背景に、利ざや改善が進む銀行株は大半が増益を見込む。そのほか、サービス業や小売業、情報・通信業といった内需系セクターでも7割以上の企業が増益予想を示しており、稼ぐ力を一段と高める企業の裾野は広い。 今回は27年3月期に経常利益または税引き前利益が過去最高益を更新する計画でありながら、株価指標が依然として割安圏にある銘柄に照準を合わせた。以下では、好決算を背景に株価が強い値動きを示している最高益見通し企業のなかから、予想PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の水準が低く、見直し余地が大きいとみられる6銘柄を紹介していく。 ◎イノテック <9880> [東証P] メーカー機能を有する半導体商社。足もとでは自社製の半導体検査装置が絶好調だ。AIデータセンターで引き合いが旺盛なNAND型フラッシュメモリー向けテスターを主力としており、需給逼迫と価格上昇が続くメモリー市場の活況が追い風となっている。27年3月期は前期の業績回復を牽引した海外向け製品の好調が継続するうえ、国内需要も急回復に向かい、経常利益は37億円(前期比27.0%増)と、実に26期ぶりとなる過去最高益を更新する計画だ。今期配当は130円(前期125円)に増配を見込むほか、発行済み株式数(自己株式を除く)の8.2%に相当する最大100万株または25億円の自社株買いを実施するなど、株主還元にも余念がない。株価は高値圏でのもみ合いを通じて売り圧力を着実に吸収しており、予想PER11倍台という割安感の強さを背景に再動意のタイミングを探っている。 ◎東京エネシス <1945> [東証P] 電力インフラの強靱化を担う東京電力系の保守・施工大手。前期は主力である原子力発電所の安全対策工事や廃炉関連が収益を牽引したほか、採算重視の受注活動が実を結び、経常利益は55億1800万円(前の期比65.1%増)に急拡大した。また、受注面ではバイオマス分野やインフラ更新・省エネ投資案件などが伸び、期末の受注残高は過去最高の1449億円に積み上がっている。続く27年3月期はこの豊富な受注残を順調に消化し、経常利益75億円(前期比35.9%増)と11期ぶりの最高益更新を目指す。株主還元は総還元性向50%以上を目標に累進配当を掲げ、今期配当は77円(前期63円)と8期連続増配を計画する。脱炭素や原発再稼働に加え、生成AI普及に伴うデータセンター新設も追い風となり、電力設備需要は今後も拡大が見込まれる。株価は2300円台の保ち合いを経て、一段高をうかがう展開にある。 ◎コメ兵ホールディングス <2780> [東証S] ブランド品リユース の国内最大手。高級時計、バッグ、ジュエリーなどを扱う「KOMEHYO」を展開し、近年は海外出店も積極的に進めている。前期は旺盛な個人の買い取りニーズを店舗網の拡大や既存店の成長で捉え、良質な在庫を豊富に確保。需要に即した販売活動も奏功し、小売、法人販売ともに想定以上に好調で大幅な増収増益を達成した。続く27年3月期はブランドリユース市場の成長が続くなか、経常利益96億8000万円(前期比13.7%増)と2期連続の最高益更新を狙う。また、ローリング方式で更新された中期経営計画では29年3月期に営業利益145億円(前期実績は92億8800万円)と意欲的な目標を掲げる。株価は決算発表を受けて急落したものの、その後は切り返しに転じている。予想PER10倍台と割安感は強く、直近高値5720円の次は23年8月につけた上場来高値6390円がターゲットとなる。 ◎三精テクノロジーズ <6357> [東証S] 遊園地のジェットコースターや舞台設備などを手掛ける。積極的なM&Aで海外の遊戯機械メーカーやテーマパーク設計会社を傘下に収め、施設のコンセプト提案から大型ライドの納入までテーマパークを丸ごとプロデュースできる総合力が強みだ。エンターテインメント需要の回復を追い風に、業績は拡大傾向が続く。前期は海外でジェットコースターの大型案件を獲得したほか、国内ではコンサートやイベント向け仮設舞台装置のニーズを取り込んだ。続く27年3月期は豊富な受注残を背景に、経常利益78億円(前期比14.8%増)と6期連続の2ケタ成長で最高益更新を見込む。今期配当は95円(前期は記念配当20円を含め90円)と実質大幅増配を計画するほか、10億円規模の自社株買いを実施するなど株主還元姿勢も際立つ。株価は青空圏を舞う展開にあるが、予想PER9倍前後と依然として割安感は強く、更なる見直し余地は大きい。 ◎白銅 <7637> [東証P] アルミニウムを中心にステンレス、プラスチックなど多様な産業用素材を扱う専門商社。商社でありながら国内7工場を有し、顧客の要望に合わせた高精度な切断・加工まで手掛ける製造業の側面を併せ持つ。業績を支える主力分野は 半導体製造装置向けの部材供給であり、前期は年度後半から同分野の需要が底打ちして回復基調を強めた。続く27年3月期は半導体市況の本格回復が業績を強力に後押しし、経常利益は47億円(前期比47.3%増)と5期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。業績拡大に伴い、今期配当は前期比42円の大幅増となる128円を計画している。航空宇宙分野への展開など高付加価値化を進めているほか、無借金経営の強固な財務体質をベースに次なる成長投資への余力も大きい。株価は好決算を受けてマドを開けて急騰した後、高値圏で強含みに推移している。配当利回り3.8%近辺、予想PER11倍台のバリュエーションに割高感はなく、日柄調整を経ての一段高が期待される。 ◎山梨中央銀行 <8360> [東証P] 山梨県内トップの地方銀行で、2027年に創業150周年を迎える。前期は地元山梨における半導体製造装置関連の設備投資に伴う資金需要を確実に取り込んだほか、東京で不動産や製造業向けの融資を伸ばす「シン・東京戦略」が想定以上の成果を上げ、貸出金が伸長。金利上昇を背景に利息収入などの資金利益も大きく伸びた。27年3月期は貸出金利息が引き続き増加し、経常利益183億円(前期比32.2%増)と20期ぶりに過去最高益を塗り替える計画だ。今期配当は前期比32円増の163円へ増配を予定している。好調な収益環境を背景に、中期経営計画における28年3月期の最終利益目標を140億円以上(従来100億円以上)へ引き上げた。また、本来は34年3月期に掲げていた長期ビジョンの定量目標(ROE8%以上、純利益200億円以上)についても3年前倒しで実現する見通しへと修正。こうした一連の強気な材料が株価上昇の原動力となっている。 株探ニュース