三井郁男氏【最高値更新続く日経平均、AI関連以外に物色広がるか】 <相場観特集>

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コラム

―3日間で5000円超高、初の6万5000円台乗せも個別株では優勝劣敗鮮明に―

 25日の東京株式市場で、日経平均株価は6万5000円台に初めて突入し、東証株価指数(TOPIX)は2月につけた史上最高値を更新した。中東情勢を巡る楽観から米原油先物相場が急落し、リスク選好姿勢を強める形となったが、プライム市場の値下がり銘柄数は半数を超え、AI・半導体関連株とそうでない銘柄のパフォーマンスにはくっきりと明暗が分かれている。この先、投資家の物色の裾野は広がっていくのか。今後の相場展望について、アイザワ証券投資顧問部ファンドマネージャーの三井郁男氏に話を聞いた。

●「不確実性はAI関連の株高要因に」

三井郁男氏(アイザワ証券 投資顧問部 ファンドマネージャー)

 米国とイランの和平交渉について、トランプ米大統領が最終調整の段階だとの認識を示した。トランプ大統領は合意を急ぐことがないように指示を出したとも伝わっているが、マーケットはホルムズ海峡開放の織り込みに向かっている。海峡封鎖によるインフレを懸念材料として世界的に金利に上昇圧力が掛かっていたが、これがピークアウトするのなら株式市場にはポジティブに働く。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に関しても、物価上昇リスクが後退するのであれば、利上げに傾いた状態から中立的なスタンスに変化すると想定される。

 ホルムズ海峡封鎖で大きなダメージを受けると考えられていたアジア諸国のなかで、日本経済はレジリエンスを示している。金利の上昇が収まれば、高市政権の積極的な財政政策による景気押し上げ効果が見込めるという点で、マクロ面での安心感が際立つことになる。4~6月期の国内成長率がマイナスになったとしても、7~9月期以降の回復が見通せるようになるはずだ。同様にリビジョン・インデックス(アナリストによる業績予想の修正動向)も、落ち込んだ場合は一時的なものにとどまるに違いない。ホルムズ海峡の封鎖が長期化せず終息するとのシナリオをもとに、目先のところで日経平均は6万3000~6万5000円を中心とした動きになるとみている。直近で急ピッチな株高となっており、テクニカル指標が示す過熱感などを踏まえると、短期的には荒い動きとなる可能性がある。

 業績の急拡大が期待されているAI関連株は、中東情勢の不確実性の存在ゆえに物色された面がある。これと対極に位置するような銘柄群に見直し買いが入るのか注目される。具体的には不動産や建設といったセクターだ。このうち建設では関電工 <1942> [東証P]やきんでん <1944> [東証P]といった電気工事関連が有力な物色候補となるだろう。ファンダメンタルズの観点で電線株に対する投資意欲の高まった状態も続きそうだ。ファナック <6954> [東証P]や安川電機 <6506> [東証P]、川崎重工業 <7012> [東証P]といったフィジカルAI関連も、強調展開が続くとみている。キオクシアホールディングス <285A> [東証P]の株価は、韓国サムスン電子と比較して業績に伸びしろが見込めることを踏まえると、高水準で推移するのではないか。このほか米スペースXのIPOを控えるなかで、中小型の宇宙関連株もマークしておきたい。


(聞き手・長田善行)

<プロフィール>(みつい・いくお)
1984年からファンドマネージャーとして日本株運用を40年以上にわたり続ける。国内銀行投資顧問、英国の投資顧問会社、国内大手信託銀行を経て、投資顧問会社を設立。2013年からアイザワ証券の投資顧問部で日本株ファンドマネージャー。自ら企業調査するボトムアップ運用を続けている。

株探ニュース

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