明日の株式相場に向けて=エヌビディア無双とSBG大噴火に騒めく

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 きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1879円高の6万1684円と6日ぶり急反発。前日までの直近5営業日で合計3400円超も水準を切り下げていたことで、突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買いを誘うタイミングではあったのだが、それでも一時2200円あまりの急騰は、投資家マインドに鮮烈な残像を落とした。きょうはエヌビディア<NVDA>の好決算発表、そしてソフトバンクグループ<9984.T>の上昇パフォーマンス、この2つが東京市場における急反騰劇のBGMとなった。

 まず、エヌビディア決算については毎度のことだが、目を見張るモンスター級の好決算だった。26年2~4月期決算は売上高が前年同期比85%増収の816億ドル、最終利益については同3.1倍の583億ドルという凄まじい伸び率で、事前コンセンサスの高いハードルをやすやすと飛び越えてみせた。製造業にして、この驚異的な利益率の高さ(グロスマージンで75%)も他に類を見ない。更に5~7月期業績予想に関しては売上高が前年同期比95%増の910億ドルを見込む。ほぼ2倍である。グロスマージンは2~4月期と同様の水準で75%を見込んでおり、圧倒的な価格支配力を改めて印象付けた。

 イメージしていた通りデータセンター部門の急成長が全体を押し上げており、同部門の売上高は何と前年同期比で92%増。株主還元にも抜かりなく、800億ドルの自社株買い実施と、大幅増配も併せて発表した。ハイパースケーラーが収益を伸ばす一方、設備投資に前のめりでフリーキャッシュフローが押しなべて低いのとは対照的に、エヌビディアは潤沢な手元資金をいつもがっちりと確保している。そして、これをごっそりと株主還元に振り向けるというのは、ジェンスン・ファンCEOの今後の経営に対する自信の裏付けともいえる。ただ、決算発表後の同社株の時間外取引では強弱観が対立し、当初は高く推移する場面もあったが結局売りに押し込まれる展開となった。とはいえ、今回の決算発表は固唾を呑んで見守っていたマーケット関係者にすれば、満額回答といってよい素晴らしい内容であったことは否定されない。株価も目先筋の利食いが一巡すれば再び最高値圏を走る展開が期待できそうであり、そこら辺のニュアンスがきょうの東京市場にも伝わった。

 もっとも、きょうに関して言えば日経平均の満を持しての急反騰は他に立役者がいた。2000円を超える怒涛の上げは、指数寄与度の高いソフトバンクグループ<9984.T>のなせる業であり、前場中ごろからストップ高カイ気配に張り付いた同社株の上昇パフォーマンスにホットマネーの視線も釘付けとなった。同社株1銘柄で日経平均を800円以上も押し上げたからだ。前日にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が「米オープンAIが早ければ22日にも米国でIPOを申請する準備に入った」と報じ、東京市場でもにわかに色めき立った。ソフトバンクGはオープンAIに積極的に投資しており、口さがない市場筋は「AIバブルという沼で一蓮托生」などと揶揄するような声もあった。しかし、オープンAIはその実力をIPOを契機に開花させそうであり、ソフトバンクGは同社に11%程度出資しているだけに、その含み益に加え企業価値向上の道筋が見えたことは大きい。

 ちなみに、きょうはソフトバンクGを筆頭にAI・半導体関連の主力どころが総出で綱引きに参加したような株高オンパレードとなった。寄与度ランキング2位が東京エレクトロン<8035.T>、3位がアドバンテスト<6857.T>、4位がイビデン<4062.T>、ここまでの4社で日経平均を1500円弱引き上げている。この後も、6位にキオクシアホールディングス<285A.T>、9位にフジクラ、10位にレーザーテック、11位にディスコと続く。これら「AIデータセンター・ファミリー」で、きょうの日経平均上昇分の8割方を占めているというのが実態であった。きょうのプライム市場の個別株は値上がり銘柄数がかろうじて1000に乗せたが、全体の65%にとどまる。通常モードの強含み程度の相場の風景と変わらない。

 とはいっても、日経平均のプットオプションを買い込んでいる向きや、日経レバを信用で売り建てているようなショート筋にとっては焦る場面かもしれない。振り子がいったん戻りに転じると、リスクオフの巻き戻しが加速する傾向がある。ここはタイミング的にAI関連の主力どころを追撃するのも当然ありだが、先物を絡めたAIアルゴに翻弄されやすく、しばらくは注意が必要だ。中小型材料株の中から当欄でも何度か取り上げてきた銘柄で目先動意含みのものに改めて着目。AIデータセンター関連で北川精機<6327.T>、キオクシア関連の穴株である三井ハイテック<6966.T>、AIソリューションに磨きをかけるサイオス<3744.T>、アルミ価格の高騰を背景に大紀アルミニウム工業所<5702.T>、更に今期業績回復色鮮明な医薬品メーカーで生化学工業<4548.T>などに目を配っておきたい。

 あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に発表される4月の全国消費者物価指数(CPI)にマーケットの注目度が高い。また、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。このほかに3月の毎月勤労統計(確報値)も発表される。後場取引時間中には4月の全国スーパー売上高が開示。海外では4月の英小売売上高、5月の独Ifo企業景況感指数のほか、4月の米景気先行指標総合指数、5月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)など。また、ウォラーFRB理事の講演が予定されている。なお、この日はメモリアルデーの前営業日に当たり米債券市場は短縮取引となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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