大塚竜太氏【波乱含みの下値模索、これは買いの好機か?】 <相場観特集>
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―一時6万円大台攻防で思惑錯綜、金利上昇への警戒感も― 18日の東京株式市場では日経平均株価が前週末に続き荒れ模様となった。一時は1000円を超える急落で6万0300円台まで水準を切り下げ、ともすれば6万円大台攻防を意識させる場面に遭遇した。ただ、キオクシアホールディングス <285A> [東証P]がストップ高カイ気配に張り付いたのをはじめ、好決算銘柄の一角は買い人気を博しており、投資家の物色意欲は失われていない。日経平均も売り一巡後は下げ渋る動きを示した。ここから夏相場に向けた全体指数や個別物色の方向性について、東洋証券の大塚竜太氏に意見を聞いた。 ●「買いの好機到来、セクターローテーションも視野」 大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト) 前週末に続いて、きょうも日経平均は下値を探る動きとなったが、好決算銘柄に対する投資マネーの物色ニーズは貪欲であり、キオクシアが取引時間中に寄り付かず、ストップ高比例配分となったことからも流動性相場の色彩が強いことが分かる。短期的な調整色は否めないとはいえ、トレンド自体は容易に崩れそうもない。深押し場面は出遅れた向きにとって絶好の買いのチャンスと捉えてよいだろう。 原油市況高騰によるインフレ圧力を背景に、世界的な金利上昇が警戒されている。確かに中銀が相次いで金融引き締めに動いた場合、そこだけ切り取れば株式市場にはネガティブだが、経済環境に目を向ければそれ以上に物価上昇圧力が強まっているわけで、ある意味当然過ぎる話といえる。インフレ経済の中で株式市場が時価総額を膨らませるのもまた自然な流れである。 また、企業決算が良好であるということも、マーケットに強力な追い風となっている。日経平均の予想EPSが前週末時点で3273円と過去最高を記録している。もちろん一部のAI・半導体関連企業の好決算に引っ張られていることは確かなのだが、企業の全体収益が増勢を続けている以上、株価は基本的に押し目買いで報われる公算が大きい。 目先最大の注目イベントとしては20日に予定されるエヌビディア<NVDA>の決算発表であり、市場の関心はそちらに向いている。素晴らしい決算内容となることに疑いはないが、問題はマーケットコンセンサスという非常に高いハードルを越えられるかということ。その意味では決算後に下がる可能性の方が高いとみているが、そうなれば例のごとく買い場を提供してもらっているという見方でよい。日米ともに半導体セクターは売り急がず、押し目買いを基本に考えておくところだ。アドバンテスト <6857> [東証P]、キオクシアといった主力銘柄は引き続き注目だ。 もっとも、今までのようなAI関連(半導体を含む)に一極集中していた資金は徐々にセクターローテーションの動きをみせ始めている。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]などメガバンクや大成建設 <1801> [東証P]、大林組 <1802> [東証P]などのゼネコン、日本製鉄 <5401> [東証P]を筆頭とする鉄鋼株にも目を向けておきたい。 (聞き手・中村潤一) <プロフィール>(おおつか・りゅうた) 1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。 株探ニュース