テンバガーの卵を拾え!「好業績・高ROE」珠玉6銘柄リストアップ <株探トップ特集>

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コラム

―決算プレー終了後の静寂で本領発揮、選りすぐりの成長株に株高発進のベルが鳴る―

 週末15日の東京株式市場では日経平均株価が一時1700円を超える下げとなり、6万1000円を割り込む場面があった。今週は13日に終値で6万3000円台に乗せ史上最高値を更新したが、目先は高値警戒感からの売り圧力が顕在化した格好だ。

 もっとも、これはここまで大相場の牽引役となっていたAI・半導体関連の主力銘柄がいったん利食い急ぎの流れとなったことが背景で、個別株に目を向けると全体指数とは逆向きのベクトル(上値指向)を維持している銘柄も多かった。実際、この日は日経平均とは裏腹にTOPIXの下げは15ポイントにとどまり、個別株をみても値上がり銘柄数がプライム市場全体の過半を占めている。決算発表絡みで行き過ぎたイベントドリブン・トレードの反動は出たが、ここは仕切り直すチャンスともなる。マインドを現実路線に引き戻し、決算発表を参考に好内容かつ収益成長シナリオの描ける銘柄に照準を合わせたい。

 怒涛の決算発表ウィークも15日の700社前後の発表をもってほぼ終了する形となった。3月期決算企業のファンダメンタルズを俯瞰すると、2025年度は総じて好調な内容が目立ったが、26年度については原材料費や人件費に代表される経営コストの上昇を背景に慎重な見通しも散見される。投資家サイドとしては、企業の足もとの業績内容はもとより、来期以降の成長力や株主還元などを見極めたうえで、株価上昇余地の大きい銘柄をいかにピックアップしていくかということが課題となる。そして収益好調で、なおかつ東証が要請する「資本コストや株価を意識した経営」に積極的に取り組む姿勢をみせる企業は、今回の決算発表を契機に次第に存在感を強めていく可能性が高い。

●決算発表通過後は高ROE銘柄にスポットライト

 そうしたなか、企業のファンダメンタルズの評価材料として重視されるのがROE(株主資本利益率)であり、投資対象を選別するモノサシとして非常に役に立つ。投資家が魅力を感じる企業の株式を買うという行為は、当該企業の株主となることを意味するが、企業側にすれば投資家が出資した資金をいかに効率よく活用して、利益を上げるかということが大きな経営テーマの一つといえる。ROEはその観点で企業の評価値を定点観測で示すもので、ROEが高ければ高いほど価値のある投資対象という解釈が可能だ。高ROEで成長に向けた取り組みや株主還元が担保されれば、その企業は株主にキャピタルゲインをもたらす可能性も相応に高くなるのが道理である。

 ROEは企業が稼ぎ出した最終利益を自己資本(株主資本+評価差額)で除して算出(通常は最後に100を乗じて%で表記)するが、一般的には8%が最低限目指すべきハードルとされている。この8%という数値は14年に公表された経済産業省の政策提言レポートである「伊藤レポート」が基点となっており、投資家が株式投資で追求する期待収益率は、日本企業の場合は7%強と試算されたことが背景にある。机上論ではあるがROEが7%以下の場合、事業を存続すること自体が「株主価値の毀損」につながるという論理だ。裏を返せば、ROEが2ケタ水準(10%を超える水準)を保てれば企業として株主に十分報いる経営を行っているというお墨付きが得られることにもなる。

●高ROEのニッチトップ、レーザーテクは100倍化

 例えば、かつての売買代金トップ常連銘柄であったレーザーテック <6920> [東証P]の場合、高ROE銘柄ならではの株価大化けのシナリオに乗った。現在のROEは46.9%。同社が半導体製造装置分野でオンリーワン企業として名を馳せ、株価を激変させたのは周知の通りだ。同社株は今から10年前の16年5月の時点で300円台半ばに位置していた。目先5月7日には4万6720円の上場来高値をつけた後、目先は反動で調整を入れているが、この日の終値3万8410円で比較してもざっと100倍となる。テンバガー化した後に更にテンバガー化するという恐るべき変貌ぶりである。

 この背景には言うまでもなく業績の飛躍的拡大があったわけで、それを牽引したのが主力商品のマスクブランクス検査装置だ。世界シェア100%と文字通り独占し、更に半導体の高集積化の切り札として立ち上がったEUV露光装置市場でも、唯一の供給企業として世界で脚光を浴びた。同社は超高付加価値のニッチ市場でシェアを独占し、少ない資本で高水準の利益を創出してきた典型的な高ROEの出世株として名を轟かせ、時価総額もうなぎ上りに膨張のプロセスをたどったわけである。

●好業績中小型株はテンバガー候補の埋蔵エリア

 このほか、高ROEの出世株はアドバンテスト <6857> [東証P]などを筆頭とした半導体製造装置関連に多いほか、サンリオ <8136> [東証P]やリクルートホールディングス <6098> [東証P]といった銘柄もその範疇に入る。業態に関わらず、株主資本を最大限に活用し業績を飛躍させたという点で共通項がある。そして高ROE銘柄は外国人投資家にも好まれる傾向が強い。東京市場では時価総額の大きい主力銘柄が海外マネーの主戦場ではあるが、そうした主力銘柄もスタート地点は中小型株であった。そして、一つ重要なポイントとして株式投資の世界でテンバガーは時価総額の小さい銘柄から輩出されるというコンセンサスがある。

 今回のトップ特集ではROEが2ケタ以上の高ROE銘柄の中から、足もとの業績が好調でなおかつビジネスモデルに成長ドライバーを内包する中小型株に照準。将来的にテンバガーの因子を持つと思われる6銘柄を厳選エントリーした。

●高ROEで成長ロード驀進する変身期待6銘柄

【ヴレインSは製造業へのAI実装で爆発的成長へ】

 VRAIN Solution <135A> [東証G]はAIを活用した外観検査や、音声・数値データなどを組み合わせたAIシステムによるソリューションを自動車、食品、医薬品業界など製造業向けに提供している。生産ラインの検査工程における自動化・省力化が主な事業領域であり、これに付随したDXコンサルティングでも実力を示す。業績は外観検査システムが好調で収益は飛躍的な成長が続いている。26年2月期の売上高は前の期比53%増の32億7800万円と絶好調、これは直近5年(21年2月期との比較)で30倍以上に拡大している。更に27年2月期は前期比47%増の48億2300万円予想と鈍化の兆しがない。今期営業利益については前期比59%増の14億4900万円を見込んでいる。配当はまだ実施していないが、今は成長投資の時間軸だ。ROEは37.2%に達する。

 株価は4月中旬にマド開け急騰を演じてからも波状的な買いが続き、5月11日には4250円の年初来高値を形成。時価はひと押し入れているものの、早晩切り返し高値奪回から一段高が濃厚だ。4000円から上は5000円台後半まで滞留出来高が希薄で真空地帯を走る展開も。

【ボードルアは高度人材育成し企業のDX推進担う】

 ボードルア <4413> [東証P]はITインフラ導入支援ビジネスを展開しており、クラウド・セキュリティなどの先端技術分野における専門性を生かしたサービスで需要を捉えている。コンサルティングから、ネットワークサーバーの仮想化及び構築、運用・保守に至るまでワンストップで対応し、企業のDX推進を後押しする。M&Aを通じた人材確保や高度専門人材の育成に力を入れ、供給能力の向上にも積極的に取り組んでいる。業績はトップライン、利益ともに飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びている。26年2月期売上高は前の期比で5割増、営業利益も4割近い伸びを達成したが、27年2月期も高成長路線をまい進し、売上高が前期比35%増の235億円、営業利益は同30%増の44億900万円と過去最高更新が続く見通しだ。ROEは40%と非常に高い。

 株価は2月下旬に大底圏を離脱し上昇トレンドに転換したが、4月中旬に2300円台で戻り高値を形成後は調整局面に移行した。しかし、目先は売り物も切れてきた。75日移動平均線をサポートラインに、2000円トビ台は絶好の拾い場となりそうだ。

【グロービングはグロースからプライムへ快足昇格】

 グロービング <277A> [東証P]は企業のDX戦略を念頭に置いた独自のコンサルティングサービスを手掛ける。通常のコンサルよりも一歩踏み込んだ形で、事業責任者として人材やノウハウを提供するJI型を特長とし、幅広く企業のニーズを取り込んでいる。24年11月に東証グロース市場に新規上場したニューフェースだが、今年4月30日付でプライムに市場変更した。IPO後わずか1年半での鞍替えとなるが、これは驚異的な収益成長スピードとコーポレート・ガバナンス体制の戦略的強化が認められたもので、新規上場組の超エリートだ。25年5月期営業利益が前の期比7.6倍化を達成したのに続き、26年5月期も高成長トレンドを継続、期中増額修正を経て43%増の40億円を見込んでいる。更に進捗率を考慮して一段と上振れする可能性も指摘されている。ROEは48%台と突出している。

 値動きは比較的荒く、1月19日に3040円の年初来高値をつけた後、そこから約1カ月弱の2月16日に1869円の年初来安値を形成。その後も上下動を繰り返すが、2000円台前半は分散して買い向かってみたい。3000円大台ライン突破が当面の目標。

【高度紙はAIサーバー電源向けで新たな商機獲得】

 ニッポン高度紙工業 <3891> [東証S]は売上高の100%をセパレーターで占める専業大手で、このうちの8割が付加価値の高いアルミ電解コンデンサー用で占める。そしてこのアルミ電解コンデンサーに関しては抜群の商品競争力を誇り、世界シェアで60%前後と図抜けている。データセンターの世界的な建設ラッシュを背景に内部に設置されるAIサーバーの電源需要が沸騰状態にあるが、そのAIサーバー向けで同社のドル箱商品に強力な追い風が吹いている。26年3月期は営業利益が前の期比44%増と急拡大したが、続く27年3月期も前期比25%増の44億円と目を見張る伸びが見込まれる。なお、ROEは10.5%と2ケタ水準を確保している。

 株価は上場来高値圏を舞い上がる展開だが、信用買い残も枯れた状態で上値は軽い。時価予想PERも20倍前後だが、成長力を考慮して一段の上値が期待できる。どちらかといえばオールドカンパニーのイメージもあるが、先端分野のグローバルニッチトップにして600億円台の時価総額はここからの株価変身余地を示唆する。

【インフォMTは第一ライフと資本提携し飛躍期へ】

 インフォマート <2492> [東証P]は外食などフード業界向けにクラウド型の企業間取引用EC基盤「BtoBプラットフォーム」を運営する。飲食店や宿泊施設などと卸業者をつなぐ受発注サービス及び企画書・請求書などのやり取りをデジタル化するサービスで実績が高い。今年2月には第一ライフグループ <8750> [東証P](旧第一生命ホールディングス)と資本業務提携を行い、第一ライフの顧客基盤とインフォMTのプロダクトを融合させ、「BtoBプラットフォーム」の販売連携やAI技術の共同開発などを推進していく計画を発表している。業績成長力は抜群で、営業利益は25年12月期に前の期比2.4倍化となる28億6300万円を達成した。これに続き、26年12月期の同利益は前期比75%増の50億円を見込むなど大幅ピーク利益更新で飛躍期へと突入する。ROEは16.7%と高水準だ。

 テクニカル的には一目均衡表の雲を下抜けやや躊躇する場面だが、長期波動でみて300円台を買い溜めておけば、高い確率で報われる。抜群の業績変化に加え、フード業界のインフラを担うニッチトップとして中期的に株価の居どころを大きく変える可能性がある。

【東エレデバはAI半導体インフラ構築で活躍本番】

 東京エレクトロン デバイス <2760> [東証P]は半導体を主力とする電子デバイスを取り扱う技術商社で、メーカー機能も併せ持ち、潜在的な利益成長力が高い。半導体製造装置で世界屈指の東京エレクトロン <8035> [東証P]は同社の筆頭株主で3分の1強の株式を保有する。取り扱いは外国製品の割合が高いが、東エレク傘下にあるだけに世界的なAI半導体ブームの追い風を享受しやすい強みがある。26年3月期は減収減益ながら、27年3月期は売上高が前期比10%増の2250億円、経常利益は同16%増の113億円予想と回復色を鮮明とする。来期以降もAIデータセンターをはじめとしたAIインフラ構築で同社の優位性が発揮されそうだ。ROEは15.5%だが、30年3月期を最終年度とした中期経営計画では売上高3000~3500億円、ROE20%以上を目指している。

 新値圏での強調展開が続いており、直近5月15日に4205円の年初来高値を形成している。ただし、中長期波動ではまだ底値ゾーンで、24年3月に8180円の上場来高値をつけた経緯がある。時価予想PERも15倍台で技術商社としては割安感がある。





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