来週の株式相場に向けて=「市場分散」か「AI分散」か、エヌビディアに注目
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15日の東京株式市場で日経平均株価は、前日比1244円安の6万1409円と大幅続落した。一時1700円を超す下落となり6万1000円を割り込む場面もあった。市場の関心を集めたのは、フジクラ<5803.T>とキオクシアホールディングス<285A.T>のAI・半導体関連の主力2銘柄だ。前日の後場に決算を発表したフジクラは27年3月期の最終減益予想が嫌気され大幅続落した。また、キオクシアは、この日の引け後の決算発表を前にいったん利益確定売りが膨らんだ。 フジクラは、光ファイバーの製造工程での水素不足が影響している様子で、市場からは「思わぬ伏兵」が足を引っ張ったとの見方が出た。ただし、水素不足は中東情勢とは関係はない模様で、今期業績予想は保守的ともみられている。一方、キオクシアは引け後に決算を公表し、4~6月期の連結営業利益は前年同期比29倍の1兆2980億円の大幅増益予想を示した。この結果に対する週明け18日の市場の反応が注視されている。 この日のフジクラとキオクシアの大幅安は「AI・半導体関連株への一極集中に対する警戒感を反映したもの」(市場関係者)といえる。それだけに、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など金融株やホンダ<7267.T>など自動車株が値を上げていたのは、バリュー株を含めた「市場分散」を意識した動きとみられる。ただ、その一方でAI・半導体関連を中心とする一極集中は続くが、その物色はより裾野が広がる、との見方が大手証券からは出ている。「AI分散」の見方で、具体的には「フィジカルAI」などへ物色の裾野を広げるというものだ。この日もファナック<6954.T>は値を上げており、安川電機<6506.T>やハーモニック・ドライブ・システムズ<6324.T>などが上昇基調を強めている。本格的なバリュー株復活には原油価格の落ち着きも必要となりそうで、米中首脳会談後のイラン情勢の行方は引き続き注視される。 更に来週は、米国市場のビッグイベントとなったエヌビディア<NVDA>の決算発表が20日に予定されている。2~4月期決算は売上高が前年同期比80%増、EPSは同2.2倍との見方も出ており、次世代製品「ルービン」の発売時期などが関心を集めている。その結果は、AI・半導体関連株の行方を大きく左右しそうだ。 上記以外のスケジュールでは、20日に4月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される。21日に米4月住宅着工件数、米5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米5月S&Pグローバル製造業PMIが発表される。18日から19日にはG7財務相・中央銀行総裁会議が開催される。19日にホーム・デポ<HD>、キーサイト・テクノロジー、20日にアナログ・デバイセズ<ADI>、トール・ブラザーズ<TOL>、ターゲット<TGT>、21日にディア&カンパニー<DE>、ウォルマート<WMT>が決算を発表する。 国内では、19日に1~3月期GDP、20日に訪日外客数、21日に3月機械受注、4月貿易収支、22日に消費者物価指数(CPI)が発表される。18日に芝浦機械<6104.T>、20日に東京海上ホールディングス<8766.T>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>、SOMPOホールディングス<8630.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは、6万0500~6万3000円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS