【杉村富生の短期相場観測】 ─企業には難局を乗り切る力がある!

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コラム

「企業には難局を乗り切る力がある!」

●コロナ、ウクライナ、関税、イランショックなど!

 雨のGW(ゴールデンウィーク)である。この期間(長い休み)前後にはイラン情勢に加え、ガイダンスリスク、為替介入(急激な円高)リスクなどが指摘されている。イランとアメリカの軍事衝突については不透明要因が多いが、両国ともに“和平”を望んでいるのは確かだろう。アメリカの場合、戦争権限法による終結期限が存在する。

 ガイダンスリスクは想定通り、航空会社が原油高と国際緊張を背景に、2027年3月期の大幅減益予想を発表している。しかし、ハイテク系セクターは好調だ。アップルなどアメリカの巨大IT企業の決算は大幅増益となっている。やはり、AI(人工知能)、データセンター関連分野は強い。このセクターは引き続き物色の軸となろう。

 為替介入は4月30日に、行われたもよう。1ドル=160円が瞬間、155円台の円高に振れた。GWの為替介入は2024年と同じパターンである。市場参加者が少ないだけに、介入効果は大きい。介入資金は1ドル=103円コストのドル債・ドル預金1.4兆ドルを保有している。このうち、0.2兆ドルのドル預金は自由に使える。

 当局は「160円以下の円安はない。150円前後までの引き戻し」を考えているのだろう。しかし、円高の持続性には疑念が残る。円安の主因はドル高のほか、巨額の資金流出(対米投資)だ。日本売りもある。それに、円高を過度に恐れる必要はない。ファナック <6954> [東証P]の今期の想定為替レートは1ドル=150円である。

 安川電機 <6506> [東証P]などフィジカルAI(人工知能とロボティクスの融合)、半導体関連企業の業績見通しには何らの不安もない。イビデン <4062> [東証P]、デクセリアルズ <4980> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]は設備増強を続けている。これは旺盛な需要を受けての積極経営姿勢だろう。

●逆行高の元気な銘柄を攻める!

 短期的には外部環境の動向に一喜一憂する展開が予想される。しかし、中・長期的には日経平均株価が7万~8万円を目指す壮大な上昇相場が期待できる。ちなみに、日経平均株価が1万5000円台を回復したのは2013年5月だが、現在までに配当金総額は9.6兆円→23.8兆円、自社株買いは1.8兆円→22.3兆円と激増している。

 それに、日本企業は近年、コロナショック、ロシアのウクライナ侵攻、トランプ関税などショッキングな出来事を乗り越えてきた。イラン戦争は深刻な事態は避けられそうだし、第1次オイルショック時の“油断”と違って1次エネルギーに占める石油の比率は76%→35%と低下が著しい。さらに、日本の自社開発原油比率は42%に高まっている。

 原油調達先の多様化には目をみはるものがある。カザフスタン、アゼルバイジャン、メキシコ、アメリカなど。紅海ルートも利用されている。パナマ運河を通過したオイルタンカー8隻が日本に向け航海中だ。出光興産 <5019> [東証P]系の超大型タンカー(VLCC)は原油200万バレルを満載し、ホルムズ海峡を通り、名古屋に向かっている。

 再三指摘しているように、「危機は必ず克服される」、これが歴史の教訓である。4月27日付の日本経済新聞の1面トップは「JAL、部長年収3割増」だった。日本航空 <9201> [東証P]の記事だ。一方、最終面の「私の履歴書」ではANAホールディングス <9202> [東証P]の片野坂真哉会長が登場、コロナとの死闘を振り返っていた。

 すなわち、「5100億円の赤字、賃金カット、2300人が出向」と。つい数年前のことだ。それが日本航空の場合、部長職の年収を最大2500万円に引き上げる、という。存亡の危機が一転、絶好調である。これはANAホールディングスも同様だろう。筆者は今年、松山、福岡、鳥取、札幌便などANAを利用したが、ほぼ満席である。

 物色面はどうか。Terra Drone <278A> [東証G] 、パワーエックス <485A> [東証G] 、テラプローブ <6627> [東証S]、デクセリアルズ、ACSL <6232> [東証G]、TOTO <5332> [東証P]、JR東日本 <9020> [東証P]、グローバルセキュリティエキスパート <4417> [東証G]など元気な銘柄を攻めたい、と思う。

2026年5月1日 記


株探ニュース

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