【植木靖男の相場展望】 ─なお押し目買いに歩ありか
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「なお押し目買いに歩ありか」 ●大天井形成か、調整後に出直るか? 日経平均株価は現在、微妙な位置にあるようだ。4月27日に終値で待望の6万円の大台に乗せた。だが、5月の大型連休を前に、これまでのけん引役だったAI(人工知能)・半導体関連が崩れ、翌28日には売り転換の兆しが見え始めた。一方、出遅れ感が強まっていたTOPIX(東証株価指数)も反攻の機を逃し、同じく難しい局面を迎えている。仮に世界株高のエンジンである米国株が崩れることがあれば、当面、日本株も調整局面入りとならざるを得ない。 問題は、ここ数年の上昇基調が大天井形成となり終止符を打つのか、はたまた短期調整を経て再び上昇局面に復帰するのか、である。 この判断はまだ市場で定まっていない。大天井を打ったとなれば、即刻市場から手を引かねばならないが、答えを出すにはまだ早いと思われる。 円が売られ、債券が売られ、株式も安い、いわゆるトリプル安は最悪の環境といえる。 いま敢えて考えを巡らすとするのならば、まずはこの数年間の上昇相場を振り返りたい。2022年から36年ぶりとなる大相場がスタートし、定石通り3年上昇し、一休みを入れた後、再び1年間の再上昇を経て高値形成の兆しをみせている。 こうした展開は、大正時代の第一次世界大戦時の大相場が3年間の上昇を経て、最後に米騒動をきっかけに1年間の余熱相場、しかも最高値更新という到達点に至ったときと瓜二つ、まったく同じパターンである。 この経験則に照らせば、いまは大天井という可能性もなきにしもあらずだ。 だが、これには反論もある。前回の本コラムで紹介したように、米国のみならず日本で「PEGレシオ」が投資尺度として浮上していることだ。つまり、もはやPER(株価収益率)では手が出せない水準まで買われると、新たな株価指標が必要となる。かつて平成バブルの時は「Qレシオ」が新たに株価の限界水準を測る指標として重視された。もっとも、米国で人気のエヌビディアや、わが国で主役を担う電機、精密機器メーカーのPER水準を鑑みると、まだPEGレシオを持ち出す段階ではないといえる。 ●現在はバブルの旅の途上 ということは、ハイテク株がこのバブル相場の主役であり続けるとすると、未だ大天井を打ったとするにはあたらないということか。ならば、5月1日の日経平均株価の反発もうなずけよう。 このようにみると、いまの状況ではまだ結論を出すのは早すぎるということ。もうしばらく様子を見ねばならないと考える。 実際、トリプル安といっても、こうした状況が続くかどうかははっきりとした答えが出ない。少なくとも5月14~15日の米中首脳会談までは先行きを読むことは難しい。 筆者は、目下はバブルの旅の途上にあり、PEGレシオが今後さらに存在感を強めてこない限り、上昇局面が続くとみている。 いずれにしても、日経平均株価が4月27日につけた最高値をいつ突破してくるのかに注目したい。また、個別物色ではイラン問題次第で新たな主役が浮上してくるのか。はたまたこれまで市場をリードしてきた銘柄群が更に買いを集めることになるのかを注視していきたい。 さて、今回の注目銘柄は人気、将来性、チャート面からみてTerra Drone <278A> [東証G]を挙げたい。技術力で世界に通用する企業だ。 また、久しぶりに見直しの動きがある商社株から三菱商事 <8058> [東証P]、民営化後で初となる鉄道運賃の引き上げを行ったJR東日本 <9020> [東証P]などにも注目したい。 2026年5月1日 記 株探ニュース