ドル円、安値から買戻される このまま下落と見ている向きはまだ少ない=NY為替概況

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ドル円、安値から買戻される このまま下落と見ている向きはまだ少ない=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は安値から買戻される展開となった。ドル円はロンドン時間に急速に売られ、一時155円台半ばまで急落する場面が見られた。前日も円が急伸し介入観測が流れていたが、本日も実施した可能性が指摘されている。

 明日から東京勢は大型連休後半に入り円相場の参加者が少なくなることが想定されるが、連日の介入であれば海外の投機筋も仕掛けづらくなる。日本の当局もその効果を狙っているの可能性もありそうだ。ただ、NY時間に入ると買い戻しが活発化し、157円台に戻す展開。ロンドン時間の急落をほぼ取り戻している。

 このままドル円が下落すると見ている向きはまだ少ない。不透明な中東情勢と原油高による日本経済への影響を考慮し、日銀は急速な利上げには動きにくい。そのような中、ドル円の持続的な下落にはFRBによる積極利下げ、あるいは2025年4月に見られたような「ドル離れ相場」が必要になる。しかし、現状からはそのどちらも望み薄ではある。

 さらにポジション面から見ても、投機筋の円ショートは2025年5月以降積み上がってはいるが、2024年7月の為替介入前ほどの極端な水準には達していない。

 なお、日銀が夕方公表した5月7日受け渡し分の当座預金増減要因の予想値と介入要因を含まない市場推計の差から、5兆円程度の介入が実施されたのではないかとの観測が出ていた。

 ユーロドルは一時1.17ドル台後半まで上昇。ただ、その後は戻り売りに押され、1.17ドル台前半に戻す展開。200日線の上で底堅さは維持しているものの、先月上値を抑えられた1.18ドルの水準には慎重といった雰囲気となっている。一方、ユーロ円は日本の当局の介入観測で182円台に下落していたものの、184円台まで戻している。

 前日のECB理事会を経て、市場は6月利上げへの期待を高めている。短期金融市場では90%近くの確率で利上げを織り込んでいる状況。ただアナリストからは、ECBが6月利上げを見送ればユーロは下落する可能性があると述べている。

 ただ、現状のユーロ圏ではエネルギー価格上昇の二次的影響を示す証拠は限定的。ラガルド総裁も前日の理事会後の会見でこうした動向に触れていたが、二次的影響が明確に現れるには時間がかかるはずで6月は金利を据え置くべきだと述べている。これは市場の織り込みを踏まえると、ユーロが影響を受けやすい状況にあることを意味するという。

 ポンドドルは1.36ドル台半ばに一時上昇。イラン情勢の進展期待が高まり本日は原油が急落しする中、為替市場はドル安の動きが出ている格好。一方、日本の当局の介入観測でポンド円は一時211円台に下落する場面が見られたものの、213円台に戻す展開。

 前日は英中銀の金融政策委員会(MPC)は大方の予想通りに据え置きとなったが、今後利上げを検討する可能性を示していた。様々な見方が出ている中でアナリストからは、高水準のエネルギー価格によるインフレ圧力が、英中銀を年内2回の利上げに踏み切らせる可能性があるとの指摘が出ている。石油供給ショックの性質と、粘着性のある基調的インフレを踏まえると利上げが正当化されると指摘した。

 一方、エネルギー供給の混乱が今後数週間で解消されれば、英中銀の年内利上げの可能性は低下するとの意見も出ている。その場合、英中銀は政策金利を現行の3.75%で長期間据え置くと予想しているという。ただ、原油供給混乱が数カ月続き、エネルギー価格高止まりが続く場合には追加利上げに動く可能性があると分析。いずれにしろイラン情勢と原油相場次第ということになる。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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