物価高乗り切る救世主、「リユース関連株」に押し寄せるホットマネー <株探トップ特集>
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―各社の好調な月次・決算相次ぐ、政府の促進策も追い風に市場規模は拡大へ― リユース各社の月次が好調だ。ハードオフコーポレーション <2674> [東証P]の3月の全店売上高は前年同月比25.6%増と急伸した。トレジャー・ファクトリー <3093> [東証P]も同11.3%増と2ケタ成長を達成。ブックオフグループホールディングス <9278> [東証P]は同6.0%増で9ヵ月連続のプラスを記録した。昨今の物価高に加え、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰で一段のインフレ圧力が懸念されるなか、人々の節約意識が高まるのは自明だ。新品より安くてお得な中古品を選ぶ場面はおのずと増えてくる。日用品やアパレル、家電、インテリアからバッグなどのブランド品に至るまで、日々さまざまなモノを購入する中で「賢い買い物」が求められよう。リユース関連株の活躍余地は大きい。 ●環境省が目標値設定 直近、株式市場において注目を浴びたのが、「なんぼや」を運営するバリュエンスホールディングス <9270> [東証G]。今月10日に26年8月期連結業績予想の上方修正を発表。仕入れ・販売ともに好調なことから、営業利益を前期比3.8倍の55億円へ引き上げた。従来の最高益予想(40億円)に更に上乗せした格好だ。あわせて配当予想も増額修正。これを受け、株価は翌営業日(13日)にストップ高カイ気配に張り付く人気となった。同社株に触発され、この日はBuySell Technologies <7685> [東証G]、コメ兵ホールディングス <2780> [東証S]など同業各社にも物色が広がり、全体軟調地合いのなか逆行高を演じた。 リユース市場は着実な成長を遂げている。環境省の調査によると、中古品・リユース品の市場規模(自動車・バイク除く)は2024年に1兆2813億円に達したという。3年ごとの調査で15年に1兆1235億円、18年に1兆1906億円、21年に1兆2328億円と緩やかながら拡大している。データの詳細をみると、近年の フリマアプリの台頭が市場拡大を牽引しているようだ。もちろん、店頭や従来のネットオークション・ショッピングサイトでの購入比率も依然として多いことが示されている。 その環境省は今年3月、「リユース等の促進に関するロードマップ」を公表した。優良事業者ガイドラインの策定やリユースの認知拡大に向けた取り組み、国・自治体でのリユース品の公共調達を推進する方針などを明示。30年までにリユース業者と取り組みを行う自治体数を約600自治体(24年は約300自治体)に、生活者のリユース実施率を国民の半数となる50%(同40.8%)に引き上げる目標を掲げた。 ●好決算確認済みの3銘柄 中古品を取り扱う店は「リサイクルショップ」と呼ぶことが多いが、リサイクルは「再生利用」とも訳され、使用済み製品を資源として活用する意味合いが強い。資源ではなく、そのままの状態で使い続ける「再使用」を意味するのはリユースとなる。 関連銘柄として、まずは足もとの決算発表ラッシュに絡まないものから取り上げたい。5月期決算企業のブックオフGは前述したように直近の月次が良好だ。全店売上高だけでなく、既存店ベースでも3月は前年同月比5.5%増であり、こちらはなんと62ヵ月連続のプラスを達成。アパレルや家電、携帯電話、書籍、トレーディングカード・ホビー商品などが増収に寄与した。今月に第3四半期決算とあわせ通期予想を上方修正し、営業16%増で連続最高益を達成する見通しを発表。株価は実質的な青空圏に舞い上がった。 2月期決算企業のトレファクは首都圏を中心にリユース店を運営。幅広い商品を総合的に取り扱う「トレジャーファクトリー」を軸に、アパレルや家電、スポーツ用品、ブランド品など特定カテゴリーに特化した業態も多数展開する。今月発表した26年2月期通期決算は物価上昇に伴う生活防衛意識の定着を追い風に、5期連続の営業増益で最高益を達成。続く27年2月期も増益を確保する見通しを示した。増配トレンドも継続中で、株主優待も実施するなど還元姿勢は強い。 同じく2月期決算企業のテイツー <7610> [東証S]は西日本を中心に店舗を展開する。20年に中古品のネット販売を手掛ける山徳を買収し、24年にはマンガネット販売のTORICO <7138> [東証G]と協業(資本提携は25年に解消)。これらを通じて海外展開も推進するなど積極的に業容を広げている。26年2月期の営業51%増益に続き、27年2月期は前期比16%増の16億円予想で4期ぶり最高益更新の見通し。中長期目標として29年2月期に営業利益25億円とする目標を掲げる。 ●関連銘柄さまざま、周辺でフリマも 決算発表の近いものを含め他の関連銘柄も押さえておきたい。冒頭で紹介したハードオフは3月の全店売上高が急伸し、既存店ベースでも前年同月比3.2%増と9ヵ月連続のプラスを継続中だ。業績は25年3月期まで4期連続の営業増益を達成している。訪問出張買い取りのバイセルは24年に「買取福ちゃん」「日晃堂」などを持つ企業グループを傘下に収め、順調にシナジーを発揮。高成長トレンドを歩んでいる。 「セカンドストリート」が急成長中のゲオホールディングス <2681> [東証P]、インバウンド需要を取り込むブランド品のコメ兵HD、アニメ関連のまんだらけ <2652> [東証S]も見逃せない。カメラ・時計を主力とするシュッピン <3179> [東証P]は配当利回りに魅力がある。 また、リユース品流通のオークネット <3964> [東証P]、中古ブランドの大黒屋ホールディングス <6993> [東証S]に加え、買い取りサイト「高く売れるドットコム」のマーケットエンタープライズ <3135> [東証S]、売りたい人とプロの査定士を繋ぐマッチングサービスのウリドキ <418A> [名証N]などもある。神奈川地盤にリユース店を展開するワットマン <9927> [東証S]はこのほどMBOが成立し、近く上場廃止となる。 このほかリユース関連の周辺銘柄として、前述のリユース市場拡大を牽引するフリマアプリに絡んでメルカリ <4385> [東証P]に着目。ここ数年は投資先行期から利益拡大期に入り、最高益トレンドをまい進している。地元の人同士で不用品を直接やり取りできる地域情報サイト・アプリを手掛けるジモティー <7082> [東証G]もマークしたい。 株探ニュース