AI実装で成長神話復活!無双モード全開「ロボット関連」特選5銘柄 <株探トップ特集>
投稿:
―フィジカルAI時代の幕開けは日本の黎明、世界に名を馳せる精鋭企業が目白押し― 週末10日の東京株式市場は日経平均株価が一時1100円を超える上昇で5万7000円台まで一気に上値を伸ばす場面があった。中東情勢の先行き不透明感が拭い切れない局面において意外なリスクオン相場が繰り広げられたが、テクニカル的には5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを経て日足一目均衡表も雲抜けを果たし、トレンド転換を明示する動きとなった。ただし、プライム市場の値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に下回るなど、足もとで著しく強気優勢に傾斜しているというわけでもない。同日のTOPIXが小幅ながら安く引けたこともこれを裏付けている。日経平均寄与度の高いファーストリテイリング <9983> [東証P]の影響が大きく、全体相場は依然として地政学リスクを背景に強弱観が対立した状態にある。 ●AI周辺に還流する投資マネーの実態に着目 しかし、そうしたなかも一つの流れの変化として押さえておきたいのは、米国株市場でAI・半導体関連株が大復活の狼煙を上げているということである。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)がここにきて連日で史上最高値を更新するなど、投資マネーの強烈なバックフロー(還流)が観測されている。東京市場でも半導体セクターへの追い風が意識されるとともに、AIデータセンター や フィジカルAIといった半導体特需の源泉であるAI周辺の成長テーマに再びスポットライトが当たり始めた。 直近では生成AI市場の急成長を支えるAIデータセンター関連株が先駆したが、次はAIの実装によって産業や経済に大きなメリットをもたらすフィジカルAIに注目だ。日本は「ロボット大国」ではあるが、ロボット分野のハードウェアで圧倒的な基盤を誇る一方、AIとの融合によるシナジーでは出遅れている。しかし、高市早苗政権下では、重点投資対象として掲げるAI・半導体分野と並行して、ロボティクスなどの先端テクノロジーを政策的に支援する立場を旗幟鮮明としている。国策のアドバンテージを追い風に ロボット関連に位置付けられる銘柄は、成長戦略の最前線を走る有望セクターとして、投資家の視線を釘付けにすることになりそうだ。 ●ファナックのフィジカルAI戦略で時代は回る 国内では工作機械用NC装置の世界トップメーカーで、産業用ロボットでも日本を代表するファナック <6954> [東証P]の存在が強く意識されている。同社は昨年12月に米エヌビディアとAI・ロボット分野での協業を発表、フィジカルAIへの取り組みを明示しマーケットの耳目を驚かせたことは記憶に新しい。 この経営戦略の効果は既に発現しており、エヌビディアとの戦略的提携発表後、時を待たずしてAI搭載の協働ロボットで1000台を超える案件を獲得したことを開示、更に数倍規模の水準で引き合いがあることが伝わり、マーケットを2度にわたり驚かせた。世界的な人件費高騰を背景に、米国を中心に生産ラインのオートメーション化への需要は強く、同社は再び収益成長ステージへの扉を押し開いたことになる。 ●高付加価値化されたロボットが人間と協働へ このファナックが象徴するようにロボット業界への追い風は勢いを増しつつある。ロボットの在庫調整が進んだところに、入れ替わりで自動化ニーズが高まっており、コスト削減に向けた製造業の設備投資案件を呑み込んでいくことになる。国際ロボット連盟(IFR)によると、産業用ロボットの設置台数はグローバルベースで2023年の実績が54万1000台で、24年は一時的に伸び悩んだものの、25年には受注底入れから57万5000台(推定)と再び増勢となった。そして、今年以降も高水準に上積みされていくことが必至とみられ、28年には70万8000台に達するとみられている。 加えて、この予想数値はAI搭載型の高付加価値化されたロボットの登場によって更に上振れする可能性がある。人間と同じ目線で協働するハイスペックなロボットは製造業における生産ラインの風景を様変わりさせていく。 ●リーディングカンパニー&ニッチトップの宝庫 株式市場でも生成AIの進化と並走して、3次元空間におけるフィジカルAI革命が関連銘柄の株価に強烈な浮揚力を与える場面が想定される。前述のファナック以外では、メカトロニクスの重鎮で世界屈指の産業用ロボットメーカーである安川電機 <6506> [東証P]や、FA空圧制御機器で世界首位の座を占めるSMC <6273> [東証P]、保管・搬送システムなどマテハン技術で世界に名を馳せるダイフク <6383> [東証P]、産業用ロボットで必須となる精密減速機で圧倒的な世界シェアを誇るナブテスコ <6268> [東証P]など、日本にはグローバル・リーディングカンパニーが軒を連ねている。 そして、こうした主力どころの銘柄だけでなく、ロボティクス分野でニッチトップの実力を存分に発揮する銘柄群が国内にはひしめいている。近い将来に訪れるフィジカルAI時代に、業績を変貌させる企業も少なくないはずで、投資家サイドとしてはその可能性を秘める銘柄群の発掘が急務といえる。そのテーゼに則って、今回のトップ特集では「高市トレード2.0」で頭角を現す可能性が高いロボット関連株を5銘柄厳選した。 ●高市トレード2.0で要注目のロボット関連5選 ◎平田機工 <6258> [東証P] 平田機工は生産設備エンジニアリング企業で、自動車や半導体、有機ELをはじめとする家電関連などを中心に生産システムを提供する。ラインビルダーであるとともに、産業用ロボットの製造でも高度な技術力を遺憾なく発揮し、マーケットのニーズに応えている。ロボットでは動作プログラム不要でバッテリーレスの垂直多関節ロボット「AR―Vシリーズ」や、半導体設備向けでは微細化に対応した高精度・高速動作の大口径ウエハー搬送ロボット「AR―Wnシリーズ」で需要開拓が進む。テスラ 、GM 、ダイソンといった超大手メーカーの生産ライン設備の受注実績が同社の実力の高さを物語っている。25年3月期の営業14%増益に続き、26年3月期は前の期比22%増の84億円と伸び率が加速する見込み。更に27年3月期も増収増益基調に変化はなく、売上高は過去最高更新見通しで、営業利益も過去最高だった18年3月期に次ぐ水準に浮上する公算が大きい。 株価は目先急動意しているが、ファンダメンタルズからのアプローチで割高感はなく、早晩2月27日につけた年初来高値3060円を払拭し、実質的な青空圏を走る展開が予想される。日足一目均衡表も雲抜けが目前で大勢トレンド転換を示唆している。28年3月期を最終年度とする中期経営計画では営業利益100億円以上を目標に掲げるが達成は濃厚とみられ、株価は中勢4000円台指向となることが予想される。 ◎川田テクノロジーズ <3443> [東証P] 川田テクは鉄骨と鋼橋で国内首位級の実力を持ち、PC土木(PC橋梁)でも豊富な実績を有する。また、子会社のカワダロボティクスなどを通じてロボット事業を展開している。カワダロボティクスは工場や倉庫などで人間との協働を念頭に置いた人型ロボット(双腕型ロボット)の開発に傾注しており、同社が製造するロボットは自動車や電子機器などの製造業向けが中心だが、食品・化粧品・医薬品の三品産業や、物流・サービス業などにも需要の裾野が広がっている。業績は24年3月期、25年3月期と営業利益が飛躍的な伸びをみせたが、その反動で26年3月期の同利益は前の期比16%減の81億円と減益を見込む。また、27年3月期は増益転換が見込まれるものの伸び率は限定的となりそうだ。ただし、同社が手掛けるロボット事業は早くから人間との協働に主眼を置いていることから、近い将来にフィジカルAI分野を活躍フィールドとする構図が描ける。 3月末を境に株式3分割を実施し、買いやすさが意識される株価となっている。3月上旬以降、修正後株価で1400円台後半から1600円台半ばの往来が続いているが、このボックス上限をクリアし、2月27日の年初来高値水準である1850円近辺が第一目標となる。PER10倍前後に放置され、PBRも0.9倍台と1倍を下回っていることから水準訂正余地は大きい。5日移動平均線を足場に上放れのタイミング待ち。 ◎菊池製作所 <3444> [東証S] 菊池製作は精密部品の製造や金型などの製造を行う。同社は新製品の設計・開発から試作、量産、販売までワンストップで対応することが特長で、「ものづくり支援」というコンセプトを会社側では標榜している。ロボット事業ではマッスルスーツ(装着型アシストスーツ)が有名だが、このほか歩行支援ロボットやドローンなどの製造・販売も手掛けており、ロボティクスを中心に次世代テクノロジー分野における手掛かり材料が多い。業態的にはAIにメカトロニクス機能を加え3次元空間で人間と協働するという立ち位置にあり、フィジカルAIというテーマとも密接に関わる。業績は前期まで営業赤字が続いているが、これは未来への投資に重心を置く研究開発型企業の宿命であり、トップラインは22年4月期以来、拡大基調が続いていることは評価できる。数多くのロボットスタートアップに出資し共同開発を推進している点もポイントで、こうした一連の動きが開花する可能性は高い。 昨年12月初旬を起点とする大相場を演じ、今年1月9日には1257円の高値を形成した。その後は漸次下値を試す展開となり、直近3月末には年初の株価と同水準の700円割れまで調整したが、4月相場では戻り足に転じている。テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現から上昇に弾みがつく可能性がある。急騰習性を考慮して、700円台の押し目は強気に対処して面白そうだ。 ◎IDEC <6652> [東証P] IDECは制御機器メーカーの専業大手でニッチ分野での抜群の商品競争力を誇る。産業用ロボットを人間が操作する際に必須である安全装置「3ポジションイネーブルスイッチ」は世界シェア9割を誇る看板商品で同社の収益に貢献している。このほか操作用のスイッチや非常用停止スイッチでも国内トップシェアで、安全制御分野におけるニッチトップ企業としての位置付けを不動のものとしている。セーフティコンポーネント分野は米国で子会社を通じヒューマノイドロボットなどロボティクス産業を深耕している。28年3月期を最終年度とする新中期経営計画では自動車業界と並んで、ロボット、AMR(自律走行搬送ロボット)などに注力意向を示している。26年3月期は営業利益が前の期比30%増の47億5000万円を計画するが、第3四半期までの進捗率を考慮すると大幅に上乗せされる確度が高い。続く27年3月期も2ケタの利益成長が期待される。 株価は2900~3300円のゾーンでもみ合うが、時価はボックス上限を目指す動き。2月25日の年初来高値3330円をブレークすれば上げ足が軽くなる。株主還元については会社側が130円の安定配当を方針として掲げ、時価予想配当利回りが4%台と高い点も大きく評価できる。株式需給面では信用買い残が枯れた状態にあり、上値での売り圧力が限定的なこともポジティブ材料として意識される。 ◎ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [東証P] ハーモニックは精密制御減速装置メーカーで、アクチュエーター(駆動装置)などを組み合わせたメカトロニクス製品も展開する。同社の手掛ける減速機は小型・軽量で高い精度を有しており、その商品競争力は世界的にも秀でている。また、ミネベアミツミ <6479> [東証P]と人型ロボットに関する開発で連携体制にあり、ロボットハンド向け小型アクチュエーターで協業している点は注目ポイント。両社の技術を融合させ、従来のロボットでは困難であった「人間に匹敵する器用な(滑らかな)動き」に重点を置いた開発に取り組んでおり、これはフィジカルAI市場の拡大とともに同社の収益成長シナリオに反映される可能性が高い。なお、2月中旬には、同社が米国で減速機やアクチュエーターを増産すると報じられ注目を浴びた経緯がある。業績は26年3月期に営業利益で15億円(前の期は600万円)予想と回復歩調をたどり、27年3月期も前期比3~5割の高い伸びが見込まれる。 時価総額3800億円台の大型株だが株価のボラティリティは高い。2月2日に年初来安値3275円を形成した後、約1カ月後の3月3日には年初来高値4935円と5000円目前まで買われた。その後は再び大幅な調整を入れており、時価は急速に切り返し4000円台に乗せる場面もあったが依然として値ごろ感が漂う。上場来高値は20年12月28日の9510円と天井も高く、戻りに転じれば値幅効果は大きそうだ。 株探ニュース