明日の株式相場に向けて=半導体中小型株にリバウンドの蕾が膨らむ

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 きょう(7日)の東京株式市場は日経平均株価が前営業日比15円高の5万3429円と小幅ながら3日続伸。売り買いともに身動きが取りづらい状況で、結局前日終値をわずかに上回る水準で着地した。朝方は先物主導で高く始まり、その後も15分程度上昇を続け500円ほど高くなり、5万4000円台回復を視界に捉える場面もあった。しかし、短期筋の買い戻しが一巡するとそれに追随する実需買いが続かず、あとは引力に委ねるように下値を探った。後場終盤になると日経平均は締まったが、クロージングオークションでは大口売りをぶつけられて上げ幅を縮小した。値上がり銘柄数は全体の7割強に達したが、主力どころは先物絡みでインデックス買いのレールに乗っただけの無機質な戻り足だ。売り方と買い方の思惑がぶつかり合うような活況時の様相とはかけ離れた地合いだった。

 4月相場のアノマリーは日経平均の月足が過去10年間で6勝4敗とデータ的に必ずしも強いとは言えないが、海外マネーが買い攻勢をかける月としてよく知られる。昨年までの10年間で4月に外国人が現物で売り越したのは2020年のみで、あとは全部買い越しであった。勝率にして9割ということになるが、特に22年から25年までの4年間でみると平均で1兆5000億円の買い越しと、かなり腰の入った買い方をしていることが判明している。そのため、過去の例と照らし合わせれば今月は安値をつけに行く過程で海外投資家が買い漁るのではないか、という思惑も一部にはあるようだ。

 ちなみに、昨年の4月は上旬に令和のブラックマンデー(24年8月)を彷彿とさせる波乱安に見舞われたが、その後のリバウンドも強烈だった。当時、外国人は先物を売り叩く一方で、現物を拾いまくった。仮に今回、万が一イランのライフラインを崩壊させるような大規模な軍事攻撃が現実となった場合はショック安に見舞われそうだが、そこにしたたかに買い向かう動きも出そうである。

 個別株に目を向けると、防衛関連が買われやすいのは分かるが、米国株市場では半導体関連の頑強ぶりも特筆される。前日の米株市場では、跛行色はあったものの半導体関連の主力どころが概ね強さを発揮した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながら4日続伸と上昇指向を継続、中期波動の分水嶺である75日移動平均線を完全に上に抜ける格好となった。SOX指数は直近まで約1カ月にわたり8000大台近辺がボックス圏の上限ラインとして意識されてきたが、この日は取引時間中に7963まで上昇(終値ベースでは7916)、早晩、因縁場をクリアして本格的なトレンド転換に期待が募っている。

 市場では「地政学リスクが世界株市場に共通するネガティブ材料として慢性化しているが、そのなか半導体セクターはあまり影響を受けにくいというイメージで見られている部分がある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれる。AIや最先端半導体に絡む銘柄群は防衛関連の一角という範疇でみられるケースも少なくない。ただ、東京市場に目を向ければ時価総額の大きい銘柄は先物主導のインデックス買いに振り回されやすく、どうしても今の時間軸で本腰を入れて買い向かうのは期待リターンの低い戦略ということになる。半導体製造装置関連の主力銘柄群でも、きょうはアドバンテスト<6857.T>がしっかりした値運びをみせる一方、ディスコ<6146.T>が大幅安に売られるなど、相変わらず方向感がつかみにくい地合いであった。

 そうしたなか、前日にも触れたが半導体関連の中小型株が我が道を行く展開で強さを発揮するパターンが多い。前日当欄で取り上げたものではザインエレクトロニクス<6769.T>が動意含みで、石井表記<6336.T>も上ヒゲ形成ながら上値指向を継続し4ケタ大台をにらむ展開となった。このほか、新しいところでは、アクティビストファンドのストラテジックキャピタルが一貫して買い増す動きを続けているA&Dホロンホールディングス<7745.T>が良い動きで、年初来高値2865円奪回から新値街道への回帰が有力。また、生産設備のエンジニアリングを手掛ける平田機工<6258.T>は半導体関連の案件が収益の柱のひとつを担っておりマークしたい。これ以外では、半導体製造装置関連のTOWA<6315.T>やマルマエ<6264.T>などの逆張りに勝機が芽生えそうだ。

 あすのスケジュールでは、2月の毎月勤労統計、3月の対外・対内証券売買契約、2月の国際収支がいずれも朝方取引開始前に発表され、後場取引時間中には3月の景気ウォッチャー調査が開示される。海外ではニュージーランド銀行(中銀)の金融政策委員会が開催され政策金利を決定するほか、この日はインド準備銀行(中銀)の政策金利発表も予定されている。なお、ポーランド中銀は9日までの日程で金融政策委員会を開催する。欧州では2月の独製造業新規受注、2月のユーロ圏小売売上高にマーケットの関心が集まり、米国ではFOMC議事要旨(3月17~18日開催分)に対する注目度が高い。このほか、米10年債の入札も行われる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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