大塚竜太氏【強弱観対立する市場、5万円台前半の攻防どこまで】 <相場観特集>

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コラム

―地政学リスクに振り回されるも押し目には買い向かって正解―

 6日の東京株式市場では日経平均株価が思いのほか強さを発揮し、一時5万4000円台まで歩を進めた。米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃に終結のメドが立たないなか、前週末の欧米株市場が休場だったことで、東京市場では買いの手掛かり材料に事欠いたが、足もとで想定以上に強い値動きを維持した。しかし、先行きに対しては強弱観が対立しており上値も重い。きょうは後場に入って上げ幅を縮小し、疑心暗鬼の投資家心理を反映した。ここからゴールデンウイークにかけての相場展望について、東洋証券の大塚竜太氏に話を聞いた。

●「イラン攻撃で目先波乱も今月末には終結へ」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 日経平均株価は足もと上下に荒れた値動きが続いており、きょうは前週末の欧米株市場が休場で手掛かり材料難のなかも日経平均は続伸した。しかし、これは目先空売り筋のショートカバーによる部分が大きい。当面の間は中東に絡むニュースヘッドラインに振り回される展開を回避しづらく、今週末のオプションSQ算出をにらんで先物を絡めた不安定な地合いが続きそうだ。ただし、中期的なスタンスに立った場合、4月相場は安値買いのチャンスになるとも考えている。

 トランプ米大統領はイランに対し、7日の午後8時(日本時間の午前9時)までに停戦に向けた交渉がまとまらなかった場合、発電所や橋などの重要インフラに大規模な攻撃を行うとしており、これが現実化するかどうかにマーケットの関心が向いている。これについて言えば、トランプ氏はおそらく宣言通りに攻撃を行い、イランが事実上降伏するまで攻撃を続けるとみている。そして4月末ごろには、米国が力ずくでイランをねじ伏せるような構図で中東有事の着地点を迎えるのではないか。したがってそれに前後して株式市場は底を入れる公算が大きいと考えられる。

 米国に関しては前週末3日に開示された3月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が事前コンセンサスを大きく上回るなど思いのほか強い内容だった。これにより、FRBによる利下げ観測が後退することを警戒する声もあるようだが、実際は逆で米経済の底堅さを意識させるデータとしてポジティブに捉えるべきところだ。今週も米国で重要指標が相次ぎ、FOMC議事要旨や2月のPCEデフレーター、3月の消費者物価指数(CPI)などが控えているが、どちらに転んでもこれらによって全体相場の方向性が決まることにはならないだろう。米国株市場が堅調を維持すれば、それを引き継いで東京市場も強さを発揮しやすい。ゴールデンウイークに向けた日経平均のゾーンは下値が5万円大台近辺、上値は5万7000円前後をイメージしている。

 物色対象としては内需株が優位とみている。大林組 <1802> [東証P]などのゼネコンのほか、食品株では味の素 <2802> [東証P]。また、医薬品では大塚ホールディングス <4578> [東証P]などに着目。このほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]や三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]などのメガバンクもまだ上値余地がありそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

株探ニュース

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