明日の株式相場に向けて=“魔のマンデー”回避、半導体株に新潮流
投稿:
週明け6日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比290円高の5万3413円と続伸。1週間前の月曜日が1487円安で2週間前の月曜日が1857円安、3週間前の月曜日は小幅安にとどめたが、4週間前の月曜日は2892円安だった。 “魔のマンデー”に恐怖心を抱いている投資家は少なくないとみられ、「週末に買いポジションを膨らませた状態にしないのが、ここ最近の相場では不文律となっていた」(ネット証券ストラテジスト)とする。しかし、きょうは売り方が慌てるターンであった。 トランプ米大統領がイラン側に対し7日夜までにホルムズ海峡を開放しなければ、発電所や橋などの重要インフラを根こそぎ破壊すると警告、これまでとあまり代わり映えがしない脅しではあるが、交渉期限を空母「リンカーン」、「フォード」に続き、3隻目の「ブッシュ」の到着に合わせたトランプ大統領ならではの圧力のかけ方かもしれない。だが、イラン側は「では無条件降伏します」とはなるはずもない。このタイムリミットが図らずも日本時間の8日午前9時、前場の取引開始時間と重なるということで、投資家にとってはいい迷惑というところ。こういう環境下で、きょうの相場も“魔のマンデー”が繰り返される可能性が高いだろうというのが、人間の思考回路である。しかし、朝方に日経平均は先物主導で大幅高、一時は900円超に買われ、前引け段階では5万4000円台を回復するという想定外の展開となった。米ニュースサイトが「米国とイラン及び中東湾岸地域の仲介国が45日間の停戦条件を協議中」と報じたことがポジティブ視されたとみる向きは多いが、これも過去の例と同様、信憑性の乏しさは否めない。実際、それを裏打ちするように、ショートカバーが一巡した後場寄りから日経平均は下方向に振れた。 投資戦略も森より木を見るスタンスに徹するよりない。ただし、既に大相場を出した半導体関連株の主力どころはどうしても戻り売りに対する警戒が投資マインドを左右してしまう。「過去にあれだけ高値に買われた経緯があるから、安値で拾える今がチャンス」というのは考え方として当然あるが、業績が今後も拡大基調を維持し続けられるかどうかが重要となってくる。これは半導体に限らず人気化した銘柄の宿命ともいえるが、過去の高値は今より何年か先の収益実態を前倒しで織り込むケースが多い。当該銘柄が想定したシナリオ通りに業績成長を果たしても、株価が大分以前の高値をクリアできないのは、そうした事情があるからで、走り過ぎた銘柄が勢いを失うと逆向きのベクトルがかかり始める。かつてのスター銘柄が安く拾えるという理由で押し目を拾っても、その投資家としては、長期スタンスで保有するという気持ちは失せ、戻り途上で利確したいというのが本心となる。皆が同じように考えれば、上値が伸びないのは道理だ。 例えばアドバンテスト<6857.T>などは代表的で、1月29日に大陰線のアイランドリバーサルを示現した後、約1カ月後の2月26日に奇跡的にここをブレークしたが、結果的に陰線で引け、典型的な2点天井を形成した。アドテストの業績は絶好調であり、今後の成長性も疑いないとして、それでも足もとの株価水準が安易に買い場とは言い切れない難しさがある。株価が同社の近未来の収益実態をどこまで織り込んだかが未知数であるためだ。今、同社株が上場来高値圏に再浮上するまで持ち続けるつもりで買い向かっている投資家はかなり少数派に属するはずだ。本当の意味で上値追いを再開するためには、これまでの2倍くらいのインパクトでポジティブ材料が出現することが条件となる。 今、資金を投下する先は主力どころよりも全体指数の影響を受けにくい中小型株の方に期待リターンが大きい。そうしたなか、マーケット上空で滞留する個人投資家マネーなどの待機資金は半導体関連の中小型株に視点が向いているようだ。日本トムソン<6480.T>などボックスもみ合い圏の上限を離脱する矢先にあり継続的にマークしておきたい。このほか、動兆気配をみせている銘柄群をいくつか挙げると、ファブレス半導体メーカーの草分けであるザインエレクトロニクス<6769.T>や、プリント基板の製造装置大手でAIサーバー関連の需要獲得が進む石井表記<6336.T>、次世代成膜技術に長じAIデータセンター向け光デバイス向け成膜装置に引き合い旺盛なオプトラン<6235.T>などをマーク。 更に、昨年来当欄で何度か取り上げてきた北川精機<6327.T>だが、大相場形成後の調整を経て、目先急速に戻り足に転じており要チェックとなる。AIサーバー向けに高多層・高性能なプリント基板材料である銅張積層板(CCL)の需要が急膨張しており、同社のCCL成形用真空大型プレス機への引き合いが旺盛だ。この北川精機の裏銘柄的なポジションにあるのが、フレキシブルプリント基板の試作品製造・販売を手掛ける太洋テクノレックス<6663.T>で、こちらも動兆しきりとなっている。 あすのスケジュールでは、2月の家計調査、3月上中旬の貿易統計がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に30年物国債の入札が行われる。後場取引時間中には、2月の景気動向指数(速報値)、消費活動指数が公表される。この日はIPOが1社予定されており、ヒトトヒトホールディングス<549A.T>が東証スタンダード市場に新規上場する。海外では2月の米耐久財受注額、2月の米消費者信用残高が発表されるほか、米3年物国債の入札も予定されている。また、この日はジェファーソンFRB副議長が講演予定でその発言内容に耳目が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS