【植木靖男の相場展望】 ─休むも相場の局面か

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コラム

「休むも相場の局面か」

●弱気派と強気派が対峙、強まる膠着感

 東京株式市場では現在、執拗なまでのもみ合いが続いている。これはなぜか? 強気派と弱気派が相対する状況にあるからだ。細かく言えば、日経平均株価は3月31日安値の5万0558円と5万4000円処の間で膠着状態にあるのだ。

 強気派と弱気派は今後の見通しに対して、それぞれ確固たる考えを持って対峙している。

 強気派からみれば、わが国はこれまで長期にわたってデフレ経済が続いたが、ここへきてようやく金利が浮上し、いわゆるインフレ経済に戻ったとみる。また、圧倒的な人気を誇る高市政権が“責任のある積極財政”を掲げ、多くの賛同を得ていることがその見方を強める。その結果、強気派の多くは日経平均株価はいずれ6万円台に乗せるとみている。

 では、弱気派はどうみているのか。経済が大転換したとの見方に対して厳しい。それは過去の経験則によるものだ。第一次世界大戦による経済活性化で大正4年から3年間、株価は急上昇。その後いったん大戦終結で上昇期は終了したが、大正8年にいわゆる“残り香”として1年間、投機旋風が巻き起こり、物価と株価がうなぎ登りに急騰。そして、大正9年3月、株式市場が暴落しバブル崩壊となった。

 今回、2022年から同じように3年間、株価は上昇。いったん落ち着きをみせたが、米価上昇をきっかけに“残り香”の如く投機が巻き起こり、株価と物価は上昇した。しかし、当時と同じくおよそ1年後の2月26日に5万9332円の史上最高値をつけて急落している。

 大正時のバブル発生・崩壊と酷似したパターンをみせたことになる。これほど酷似した展開をみせるのは珍しく、過去をなぞるのならば、ピーク打ちからの下げは異常なほどの大きさとなる。

 このようにみると、強気派は日本経済が大転換したとの見通しの上に立脚している。一方、弱気派は経験則を重視する。

 今後の株価はどう展開するのか。筆者にも判断はつかない。日々、株価を確かめていくしかないだろう。

 いずれにしても、投資スタンスとしてはチャート的に買い転換したら「買い」、売り転換したら「売り」というスタンスを忠実に守るしかなさそうだ。

●もみ合いを上下いずれに放れるのか?

 では、当面の展開をどう考えるか。日経平均株価は3月26日から31日まで4日続落し、この間の下げ幅は2685円に達した。中東情勢を巡る不透明感や原油相場の高止まり懸念もあって、なかでも30日には東証プライムの値上がり銘柄数が85まで急減し、銘柄選択どころではなかった。買い手は一刻も早く逃げたいという感覚に脅える場面だ。

 だが、こうした局面で目先は底入れすることが多い。実際、4月1日には2675円高と急反発している。ただ、現時点では依然として買い転換したとは言えず、当面は上昇しても翌日には下げるといった展開が予想される。

 このような時は、下手に動けば損が拡大する可能性が大きい。前述した安値もみ合いを確実に上抜けるまでは動かずに、“休むも相場”で臨むのも一策である。

 いずれにしても客観的に見れば、いまは安値圏でのもみ合いが今後どう動くかがポイントになる。強気派であれ弱気派であれ、ここ1~2週間がもみ合いを脱するときとみることが肝要であろう。休んで観測すれば、しっかりと相場は判断できるはずだ。ここは大局的に半年、1年先を見通す格好の場になるとみている。

 そして、材料よりもチャートを重視すべき段階にあることは言うまでもない。

2026年4月3日 記

株探ニュース

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