日本経済再浮上のエンジン始動、「スタートアップ支援」6銘柄選抜 <株探トップ特集>
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―GDP創出額は22兆円規模と巨大市場に、官民投資の波及効果に期待膨らむ― 高市政権が創設した日本成長戦略会議で掲げられた「戦略17分野」が株式市場の注目を集めている。会議には8つの分野横断的な課題に対応するための分科会も設置されている。その一つが「スタートアップ政策推進分科会」だ。国策を背景にスタートアップ企業の創業・成長に向けた動きが活発になれば、スタートアップ支援に関連する企業の成長機運が一段と強まりそうだ。イラン紛争を受けた株式相場の動揺が一服した際には、内需型の高成長株として関連銘柄への物色機運が強まることも予想される。 ●成長戦略会議で「スタートアップ政策推進分科会」設置 政府は2022年、今後5年間の官民によるスタートアップ支援の全体像を取りまとめた「スタートアップ育成5ヵ年計画」を策定した。27年度にスタートアップへの投資額を10倍を超える規模にすることを目指し、大規模な予算編成や税制改正など各種施策を進めてきた。 そんななか、高市政権は今年2月に肝いりの日本成長戦略会議でスタートアップ政策推進分科会の初会合を開催。城内実スタートアップ担当大臣は「スタートアップが成長戦略の肝である危機管理投資・成長投資の担い手として大きく期待されていることを示している」と冒頭で発言した。現政権におけるスタートアップ振興への前向きな姿勢がうかがえる。 株式市場においては日本取引所グループ <8697> [東証P]傘下のJPX総研が高い成長性を示すスタートアップ企業からなる指数「JPXスタートアップ急成長100指数」の算出・配信を3月9日から始め、指数に連動するETF(上場投資信託)として、11日にはJPXスタートアップ急成長100 <526A> [東証E]が新規上場した。指数を構成するのは上場会社であるが、売上高や時価総額の成長率の高い企業が選定されており、スタートアップ企業のトップに対して自社の成長に向けた経営への意識を一層強める効果が期待される。 日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、スタートアップによる経済波及効果は24年のGDP(国内総生産)創出額が合計22兆3300億円(前年比15.2%増)に及んでおり、すでに巨大な市場を形成している。今後も官民の働きかけで更なるスタートアップ経済が拡大すれば、スタートアップ企業を対象としたビジネスを展開する企業も恩恵を受けることとなる。こうした観点から、スタートアップ支援関連で躍動が期待できる6銘柄を選抜する。 ●スタートアップ支援で躍動機運の6銘柄 国内大手ベンチャーキャピタル(VC)のジャフコ グループ <8595> [東証P]は半世紀以上にわたる歴史のなかで、マネーフォワード <3994> [東証P]やMTG <7806> [東証G]、タイミー <215A> [東証G]などに投資しイグジットしてきた実績を持つ。今期から株主還元姿勢を強化しており、配当はDOE(株主資本配当率)6%又は配当性向50%のうち金額がより大きくなる形で実施する。現在の配当利回りは5.94%と高水準になっている。 フリー <4478> [東証G]はスモールビジネス向けに、バックオフィス業務の生産性向上に寄与するSaaSサービスを開発・提供している。26年6月期第2四半期累計(25年7-12月)は戦略的投資を進めるなか減益も、有料課金ユーザー企業数の増加などで連結売上高は前年同期比3割超に拡大した。決算と同時に通期業績予想を修正し、売上高は419億3000万円(前期比26.0%増)、調整後営業利益は25億2000万円(同33.7%増)と、従来のレンジ予想の上限を上回る見通しを示した。 プロネクサス <7893> [東証P]は上場前のIPO(新規株式公開)実務支援から上場後の開示・IRを総合的に支援。上場を目指す成長企業の資金ニーズも含む課題をワンストップで解決する体制を構築する。26年3月期第3四半期累計(25年4-12月)の連結決算は前年同期の株式売却益の反動で最終減益となったものの、決算支援・開示書類作成に関するアウトソーシングサービスの受注拡大と8月にグループ化したJBAホールディングスが業績に寄与したことで、売上高及び営業利益は拡大している。 FUNDINNO <462A> [東証G]はスタートアップの資金調達や株主管理・経営管理を支援するプラットフォームを提供している。26年10月期の第1四半期(25年11月~26年1月)連結決算は営業赤字も大型案件の計上が後続四半期にシフトすることとなったのが要因。通期業績予想は売上高予想38億9200万円(前期比55.6%増)、営業利益予想11億3200万円(同5.3倍)と大幅成長の見通しで据え置いた。このほど岡三証券グループ <8609> [東証P]子会社の岡三証券と資本・業務提携強化に関する覚書を締結。同社プライベートバンキング部の顧客にファンディノのサービスを活用した投資機会を拡充するという内容であり、将来的な業績向上への期待感が一層高まっている。 PR TIMES <3922> [東証P]はプレスリリース配信サイト「PR TIMES」で、スタートアップ企業を対象に一定期間・本数のプレスリリースが無料で配信できる「スタートアップチャレンジ」に取り組んでいる。また、国内・アジアのスタートアップを中心としたテクノロジー系ニュースを配信するブログメディア「BRIDGE」を運営しており、スタートアップの活況に伴いサービスの利用拡大も期待できる。26年2月期は連結営業利益が前の期比91.8%増の36億円と連続最高益更新の見通し。年初来で株価は28%安と出遅れ感が顕著だ。利用企業社数・プレスリリース配信件数の右肩上がりの成長を背景に業績を大きく伸ばしており、拾い場を探りたい。 フォースタートアップス <7089> [東証G]はスタートアップ企業・成長企業向けの人材紹介サービスを主力とする。26年3月期の連結業績予想は期中に2度の上方修正を行い、売上高予想が51億円(前期比38.1%増)、営業利益予想が10億円(同2.2倍)と過去最高業績の大幅更新を見込んでいる。支援件数が大幅に増加したうえ、成約単価が高水準を維持。27年3月期は中期経営計画における当初目標の上限(売上高61億9200万円、営業利益12億3800万円)を1年前倒しで達成することを目指す。 株探ニュース