サナエノミクス最強スペック株 「防衛関連」究極のニッチ・超特選5銘柄 <株探トップ特集>

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コラム

―波乱相場なんのその、「国家安全保障」強化の鉄壁テーマで見えてきた次の変身株候補―

 東京株式市場は、現在極めて不安定な相場環境に置かれている。米国・イスラエルによるイランへの軍事攻撃で幕を開けた中東有事は、容易に解決のメドが立たない状況となっている。週末27日のマーケットは日経平均株価が相変わらず上下に激しく振れ、一時1000円を超える大幅下落をみせた。

 ただ、その後は急速に下げ幅を縮小、後場はプラス圏に浮上する場面もあった。定石通り個人投資家による駆け込みでの配当権利取りの動きや、機関投資家の配当再投資の動きなどが寄与した形跡がある。配当再投資はTOPIX型が主流で、日経平均よりもTOPIXの相対的な強さが際立ったのはそのためだが、裏返せばこの日は全体相場の下支え役として大いに貢献したことを裏付けている。

 とはいえ、これは年度替わり(4月相場入り)に反動が出やすいところでもあり、決して楽観はできない。調整局面を経て株価水準的に買いやすくなっている銘柄も増えてはいるが、無計画に値ごろ感だけで拾いまくっても結果はついてこない。リスクオフ相場の洗礼を経て個別株の物色方向も見えにくくはなっているが、今回の中東有事で改めて意識されたのが「国家安全保障」のコンセプトである。日本にとっては尖閣諸島問題にも伝播しやすい台湾有事への備えがどうしても必要となってくる。その観点から、今後も中期的に相場の有力テーマとして「防衛」が投資マネーの視線を浴び続けることは間違いないところだ。

●ホルムズ封鎖でファンダメンタル評価に落とし穴

 トランプ米大統領はイランに対し、ホルムズ海峡を開放しなければイランの発電所などエネルギーインフラに対する軍事攻撃を行うことを表明し、最初はタイムリミットを48時間以内に設定するなど強烈なプレッシャーをかけた。しかし、これを受けイランが態度を硬化させたことで、トランプ氏は5日間の攻撃延期を表明し、更にその後、10日間の再延期を発表している。

 現状では日本時間の4月7日ごろまで、イラン側との交渉のタイムリミットが延長された格好となっているが、それまでに落としどころが見つかるのかどうかは不透明である。トランプ氏はイランと生産的な協議を行っているというコメントを出しているが、イラン側は交渉の事実自体を否定している。

 今回の中東有事は、原油輸送の要衝、いわゆるチョークポイントであるホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴い、同海峡経由の原油に9割を依存する日本にとってかなりの経済的デメリットとなることが懸念されている。円安と相まってコストプッシュ型の物価高を加速させ、徐々に経済がスタグフレーションの色を帯びる可能性も否定できない。

 こうなると株式への投資も視点を変えて工夫する必要性が生じる。好調な企業業績をベースにファンダメンタルズからのアプローチで銘柄を選別するのが従来の王道であったが、現在置かれている経済環境を考慮すると、時間とともに買いの根拠が揺らぐことにもなりやすい。おのずと投資マネーの視線は、高市早苗首相が打ち出す重点投資戦略、「国策に売りなし」でクローズアップされる近未来の出世株候補に向かうことになる。

●国家安保戦略の強化で「防衛」が一丁目一番地に

 現在はウクライナ問題も同時進行するなか、世界的にキナ臭さが増しており、前述のように国家安全保障を強化する蓋然性が極めて高まっている。サナエノミクスにおいて重点的に取り組む17の戦略分野にもリストアップされた「防衛産業」が、がぜん存在感を強めてきた。

 2026年度の防衛予算は初の9兆円台に乗る見通しである。12年連続で過去最高更新となるが、この流れは世界情勢を考慮すると不可逆的なものといってよい。更に高市自民と日本維新の会は防衛装備品の輸出規制の緩和を提言している。これは防衛産業全体の成長性を加速させる背景として注目される。

 今回のトップ特集では、防衛関連銘柄の中で大手ではないが、ニッチ分野で他社と一線を画す高技術を有し、サナエノミクス一丁目一番地の政策路線に乗る隠れたキーカンパニーを大選抜。具体的には防衛産業で必須となるコンピューターシステムやビッグデータ解析(コンサル)、レーザー周辺技術(部材)、無人機、宇宙空間利用といった重要領域から有望株を5銘柄ピックアップした。

●時価総額ベースで超安値買いチャンスの5銘柄

◎エブレン <6599> [東証S]

 エブレンはバックプレーンの受託生産を行っている。バックプレーンとは産業用コンピューターの基幹デバイスで、具体的には電子機器内部に搭載される複数のモジュール間の通信と電力供給を行う基板だ。需要先として半導体製造装置向けを主力とし売り上げの6割近くを占めるが、通信やレーダーなど防衛関連案件も増勢で今後は目が離せない。スマートグリッド(次世代送配電網)などの量産スタートにより収益上積み効果が発現、値上がりした仕入れ部材の販売価格転嫁も進み26年3月期営業利益は前期比12%増の5億2000万円を予想。続く27年3月期も2ケタ成長が期待され6億3000万~6億5000万円程度まで拡大しそうだ。少量多品種生産を武器に成長トレンドへの再突入が期待されるなか、15倍台のPERや1倍前後のPBRは依然として株高修正余地を暗示。毎期増配を繰り返すなど株主還元姿勢も評価される。

 小型株で出来高流動性も低く株価は上下に起伏が激しいが、中長期波動では13週移動平均線を下限ラインとして着実な下値切り上げ波動を形成中。直近、3月25日に3640円まで買われ昨年来高値を更新したが、4000円台替えまでは滞留出来高の希薄なゾーンに突入するため、調整一巡後は再び上げ足を速めるケースが考えられる。信用買い残は枯れ切った状態で上値は軽い。20年9月の上場来高値は6480円と天井も高い。

◎VALUENEX <4422> [東証G]

 VNXは自社開発の独自アルゴリズムを基盤としたビッグデータ解析ツールの提供及び、同ツールを活用したコンサルティングサービスなどを手掛ける。売上高全体の過半を占めるコンサルティングは官庁や民間大手企業からの大型受注が相次いでいる状況で、足もとの売上高増勢に寄与している。中央官庁向けでは航空自衛隊の技術情報収集、解析事業などの案件で実績を上げており、防衛省関連の案件は高い継続性を伴うことから、中期的に同社の強力な収益基盤となり得る。とりわけ、防衛省向けは同社が強みとする最先端技術における俯瞰解析の質の高さを裏付けるものでもあり、ビジネスとしての信頼性が今後に生かされそうだ。業績は25年7月期に2ケタ減収となり、営業損益が7300万円の赤字に落ち込んだが、これは海外子会社が受注した案件の期ずれによる売り上げ減少と先行投資負担が重なったもの。26年7月期については大幅増収増益で切り返す公算が大きい。

 株価はここ商い急増のなか動兆しきりで、値動きは荒いものの市場の注目度は高い。防衛省と継続性を伴う取引関係を有する一方で、時価総額が50億円未満というのは見直し余地が大きいといえる。3月26日ザラ場に654円の昨年来高値をつけたが、結局長い上ヒゲ陰線で引けは大幅安となった。しかし、ここ最近の激しい上下動も後になって振り返れば、すべてが踊り場だったと言えるような、スケールの大きい株価変貌が生じる可能性もありそうだ。

◎シグマ光機 <7713> [東証S]

 シグマ光機は研究開発や産業分野の製造プロセスで使うレーザー用を主力に光学部品を手掛ける。商品の企画・開発、試作、検証、量産まで一気通貫で行う垂直統合体制を確立しているのが特長で、大学の研究機関や民間企業のR&D案件、官公庁向けでも圧倒的な信用力を誇る。持ち前の高技術力が中期的な成長シナリオを裏付けるが、その中で同社が製造するビームスプリッターは量子コンピューター分野などの最先端テクノロジーで重要な基盤製品として注目度が高い。更に、防衛産業向けシステム製品へのニーズが旺盛で着実に収益貢献を果たしている。同社の光ソリューションはデュアルユース(軍民両用)としての位置付けで活躍余地が期待されている。26年5月期はトップラインがほぼ横ばい見通しながら、好採算の半導体向けが牽引し営業利益は前期比8%増の12億2000万円を見込む。27年5月期も増収増益基調は維持される公算が大きい。

 株価は2月以降に動兆著しく、3月3日には瞬間風速で2365円まで上値を伸ばす場面があった。これは18年5月以来約7年10カ月ぶりの高値水準だ。その後は押し目を形成しているが、2000円大台未満のもみ合いは買い場と判断される。同社の場合、研究開発用のハイスペックの商品を製造しているテクノロジー企業でありながら、PERやPBRの割安感が際立つ。バリュエーション面でも株価の修正余地は大きい。

◎ACSL <6232> [東証G]

 ACSLは産業用ドローンの専業メーカーであり、自律制御などのロボティクス技術を駆使し、機体を含めた無人化システムの提供で他社とは一線を画す存在だ。防衛省向けで実績を積み上げており、直近でも防衛省が実施した入札において、小型空撮機体に関する大型案件(受注金額約10億円)を獲得したことを発表している。また、第一種型式認証機体であるPF2―CAT3の型式認証の更新を完了したことを3月24日に開示した。第一種型式認証とは、有人地帯での目視外飛行(レベル4飛行)を行うために必要な、国が定めた最高水準の安全・均一性基準への適合を証明する認証のことで、国内では同社のPF2―CAT3のみが取得している。業績は営業赤字が続いているが、防衛力強化に貢献する国策関連の一角として外せない銘柄だ。なお、損益自体は改善傾向を強めており、今期に続き27年12月期は営業赤字幅が一段と縮小する見通しにある。

 昨年6月23日に1849円の高値をつけているが、今年3月16日ザラ場に1841円まで買われ、これに肉薄した。その後は利食い圧力に抗せず調整を強いられ、足もとでは25日移動平均線を絡めた動きとなっている。貸株市場を経由した空売りが観測され上値を押さえているが、これは早晩買い戻し圧力として株価に浮揚力を与える公算が大きく、因縁場である1840~1850円を上抜け、中勢2000円台活躍が想定される。

◎アクセルスペースホールディングス <402A> [東証G]

 アクセルHDは政府機関や民間企業などの顧客向け小型衛星の開発・運用(アクセルライナー事業)と、自社保有の観測衛星で撮影した画像データの提供・分析サービス(アクセルグローブ事業)を展開する。衛星の受託開発ではNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)案件が好調なほか、防衛省案件も「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を受注するなど実力を発揮、安全保障の観点に立った案件獲得にも前向きに取り組んでいる。衛星コンステレーションによる通信サービスは、地上の通信を宇宙空間にある複数の人工衛星を連携させて中継するもので、防衛省が積極推進している。同社はその中核を担う企業の一社に位置付けられる。業績は開発コストが先行し赤字が続いているが、27年5月期はこの防衛省案件が売り上げに本格的に加算されていく見通しだ。このほか、防衛省以外ではJAXAも同社の主要顧客である。

 昨年8月13日に新規上場した直後に、3営業日連続ストップ高という華々しいデビューを飾った。しかし上場後6日目につけた1141円が最高値となり、その後は漸次水準を切り下げる展開で、昨年12月18日には409円の上場来安値に沈んでいる。ただ、そこをターニングポイントに現在は反転トレンドの初動に入った。今年2月27日には775円の戻り高値を形成し、時価は調整を入れているが早晩再チャレンジが有望視される。

株探ニュース

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