高市・成長戦略の風に乗る、株高へ離陸前夜の「空飛ぶクルマ」関連株 <株探トップ特集>
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―世界市場は40年にも約200兆円に、欧米との差別化でシェア獲得狙う― 米・イスラエルとイランの紛争が長期化するとの警戒感が根強いなか、株式相場や為替相場のボラティリティ(価格変動率)が高くなっている。積極的には手掛けにくい状況だが、マークしておきたいのが高市早苗政権の成長戦略をベースとした国策テーマだ。政府は10日に開いた日本成長戦略会議で、人工知能(AI)・半導体や量子、造船など戦略17分野のうち集中的に支援すべき61の製品・技術を提示。そのひとつに挙げられている「空飛ぶクルマ」の関連銘柄に注目したい。 ●官民でビジネスモデル構築へ 国土交通省によると、空飛ぶクルマとは「電動化、自動化といった航空技術や垂直離着陸などの運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段」のこと。諸外国ではeVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)やUAM(Urban Air Mobility)と呼ばれ、新たなモビリティとして世界各国で機体開発が行われている。 日本成長戦略会議で主要な製品・技術に選定された背景には、2040年にも世界の市場(機体やサービスなどを含む)が約200兆円に急成長すると予測されていることや、要素技術開発やサプライヤー育成は安全保障上も重要な航空機産業の発展につながることがある。 政府は今後の方向性として、国内機体の小型・軽量などの強みを生かしたビジネスモデルを構築し、産業基盤構築に向けた投資、認証取得能力の向上などに注力する方針。欧米製機体と差別化が可能な路線(都市内運航、観光などの短距離路線)を中心に、国内外市場の獲得(40年ごろに約1500億円)を目指すとしている。 ●社会実装に向け取り組み続々 SkyDrive(スカイドライブ、愛知県豊田市)は9日、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」に関して国交省航空局と全般計画書(適合性証明活動の全体構想)で合意したと発表。型式証明取得に向けて大きく前進したことになり、同社に出資する日本化薬 <4272> [東証P]、ニッパツ <5991> [東証P]、ユニバンス <7254> [東証S]、スズキ <7269> [東証P]などの今後の動向が注目される。 住友商事 <8053> [東証P]と日本航空 <9201> [東証P]が折半出資するSoracle(ソラクル)は7日、空飛ぶクルマ専用離着陸場「大阪港バーティポート」を運営する大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)と基本合意書を締結。商用運航の開始に向けて共同で推進し、27年以降の社会実装を目指すという。 兼松 <8020> [東証P]、三菱地所 <8802> [東証P]、スカイドライブの3社は、2月24~28日に東京ビッグサイト東棟屋外臨時駐車場で実運用を想定した空飛ぶクルマの飛行実証を行った。これは25年6月に採択された東京都の補助事業「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」の一環で、離着陸場の運用を自動化・最適化するシステムを活用した旅客ターミナルのオペレーションを実証した国内初の取り組みだ。 空飛ぶクルマの開発を手掛ける英バーティカル・エアロスペースは2月4日、丸紅 <8002> [東証P]と26年を目標に大阪湾岸地域でのデモ飛行を計画していると発表。使用される機体はバーティカル社が開発中の「Valo(バロ)」で、機体の航続距離は160キロ、最高速度は時速240キロになるという。 ●ブルーイノベなどにも注目 このほかの関連銘柄では、大阪・関西万博で日本UAS産業振興協議会(東京都文京区)などと安全運航管理の実証を行ったブルーイノベーション <5597> [東証G]も見逃せない。空の交通を混乱なく成立させるためには高度な運航管理が必要で、この実証ではドローンや空飛ぶクルマの運航状況を一元的に把握する運航管理システム(UTM)と現場での目視監視を組み合わせることで、複数のエアモビリティが飛行する状況を安全に管理できることが示された。 Terra Drone <278A> [東証G]は、子会社でベルギーに拠点を置くUTMプロバイダーのUnifly(ユニフライ)と空のインフラ構築実現に注力。25年7月には次世代エアモビリティの社会実装を目指す欧州の共同プロジェクト「EUREKA」で、空飛ぶクルマ離着陸場の統合管理に関する技術検証を主導し、実証実験に成功したことを明らかにしている。 また、空飛ぶクルマ向け材料ソリューションを展開する東レ <3402> [東証P]、次世代モビリティに求められる小型・軽量で高出力のモーターのコア(鉄心)材として使用できるモーターコア用軟磁性材を開発した実績がある大同特殊鋼 <5471> [東証P]、離着陸場上空における通信品質評価に協力した実績があるアンリツ <6754> [東証P]、航空管制に対応した半導体・高速インターフェース技術で存在感を示すザインエレクトロニクス <6769> [東証S]、次世代モビリティ向け着雷回避システムの研究開発を行っているSUBARU <7270> [東証P]、空飛ぶクルマに最適なモーターコアを扱う黒田精工 <7726> [東証S]のビジネス機会も広がりそうだ。 株探ニュース