明日の株式相場に向けて=面妖な相場と対峙、個別はドローンに電撃
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きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比736円高の5万2252円と大幅反発。1日を通じて何とも面妖な地合いであったといえる。きょうのところは首尾よく切り返しに転じたのだが、前日までの2営業日で3700円あまりの下落をみせたことを考えれば、戻り足としては物足りない。前夜の日経225先物の暴騰劇の残像があるだけに尚更かもしれない。値上がり銘柄数の圧倒的な多さにもかかわらず、玉虫色という形容が当てはまるリバウンド相場だった。 朝方はショートカバーによって浮揚力が働き、日経平均が1100円を超える上昇で5万2700円台まで駆け上がったところまではよかった。しかし、その後は一貫して下値を切り下げる動きとなり、前引けは400円弱まで上げ幅を縮小して着地。WTI原油先物価格が時間外で再上昇したことを嫌気したという解釈もあるが、原油高は緩やかでそれほどのリスク回避ムードをはらんでいるようには見えなかった。 ところが、前場が引けた時点の個別銘柄に目を向けると、プライム市場の94%近い銘柄が上昇していた。ここだけ見れば文字通り全面高の様相であり、この体感温度とのギャップはある意味衝撃的であった。後場も狭いゾーンでの往来で冗長な地合いが続いたのだが、それでも日経平均、TOPIXともに取引終盤に締まったのは注目すべき点であった。個別を見れば前場に輪をかけて95%を超える銘柄がプラス圏で引けている。他方、売買代金上位10傑では下げる銘柄も少なくなく、10銘柄のうち上昇したのは5銘柄にとどまっている。S級の主力銘柄は信用買い残が重荷となっているうえ、ポジション調整の外国人売りが上値を押さえつけた格好である。 時計の針を昨晩に戻すと日本時間の午後8時ごろ、現地時間では朝方にトランプ米大統領がSNSへ電撃的なTACO投稿を行った。「イランと実りある協議を行った」とし、発電所やエネルギーインフラに対する軍事攻撃を「5日間延期するように指示した」という。またもや性懲りもなく、というべきところだが、ここまで逆張りで買い向かっていた向きは歓喜の声を上げたかもしれない。図らずも日経225先物は奔騰し、短時間で約4000円も水準を切り上げ、5万4000円まで噴き上げた。だが、はしゃぎ過ぎの反動なのか、そこからは失速する展開となり上げ幅縮小を強いられた。この一連の動きが朝方の相場つきに凝縮されて投影されたようなイメージであるが、異なるとすれば前述したように、引けにかけて買いに厚みが加わったことである。 ここからの相場展望を予測するのは非常に難しい。トランプ氏の言う「実りある協議」はイラン側が「そんな事実はない」と真っ向から否定。どちらかが嘘をついていることになるが、答えは自明であろう。発言する言葉の軽さでは歴代の米大統領の中でも“群を抜く”トランプ氏だが、確信犯的に言うことをコロコロ変えるのは、深謀遠慮あってのことではなさそうである。中東有事の着地点は依然として見えないが、イランが勝利するというシナリオは希薄である。トランプ氏のエネルギーインフラ攻撃の脅しに対抗できる手の内のカードが、ホルムズ海峡しかないのでは彼我の差は覆い隠しようがない。だが、このホルムズ海峡を閉ざされると、日本にとってはかなりの痛手である。市場関係者は「ホルムズ海峡封鎖でガソリン価格上昇より怖いのは農産物の価格高騰に引火することだ。ここを経由する肥料原料などのコストが格段に上がる」(ネット証券アナリスト)とする。少し前の米騒動にも似たことが、また起こる可能性が否定できない。高市首相も頭の痛いところである ともあれ株式市場では、今は個人投資家の信用枠を使った逆張りスタンスでの買い増しがかなり目立っている。これまでは功を奏したケースが多く、その成功体験が強気の原動力だ。ただ、現物沈潜を前提に買い下がるならともかく、今はオールインで勝負する局面ではないという認識は持っておきたい。個別株についてはドローン関連で、少し前まで表向きにはタブー視されていた感のある軍需対応に光が当たり始めた。二番煎じを狙うという俗物的な意味合いはなくても、Terra Drone<278A.T>のストップ高のインパクトはやはり大きい。Liberaware<218A.T>や川田テクノロジーズ<3443.T>、菊池製作所<3444.T>などをマークしてみたい。 あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に開示される日銀金融政策決定会合の議事要旨(1月22~23日開催分)に市場の関心が高いほか、後場取引時間中には1月の景気動向指数改定値、2月の全国スーパー売上高、2月の外食売上高などが開示される。また、この日はIPOが2社予定されており、ジェイファーマ<520A.T>、ベーシック<519A.T>がいずれも東証グロース市場に新規上場する。海外では豪消費者物価指数(CPI)、英CPIが発表されるほか、3月の独Ifo企業景況感指数、2月の米輸出入物価指数、2025年10~12月期の米経常収支などにマーケットの注目度が高い。また、米5年物国債の入札も予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS