窪田朋一郎氏【リスクオフ加速、期末目前の急落相場の行方】(1) <相場観特集>

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コラム

―日経平均は一時5万円トビ台に、一段の下落余地は?―

 23日の東京株式市場は日経平均株価が続急落となった。一時は2600円以上の下げをみせ5万円トビ台まで水準を切り下げるなどリスク回避ムード一色に染まった。中東情勢の緊迫化を背景に原油価格の高騰や長期金利の上昇などが株式市場でも強く警戒される状況となっている。外部環境が厳しさを増すなか、ここからの相場展望について、目利きの市場関係者はどういう見解を示しているのか。今回は松井証券の窪田朋一郎氏、フィリップ証券の笹木和弘氏の2人に意見を聞いた。

●「日経平均は4万7000円近辺までの下落を警戒」

窪田朋一郎氏(松井証券 投資メディア部長 シニアマーケットアナリスト)

 東京株式市場は大幅続落で一時5万円トビ台まで売り込まれる場面があったが、結論から言えば一段の下値リスクを警戒せざるを得ない。中東情勢の緊迫化を背景とした原油市況の上昇に加え、日米ともに長期金利の上昇が改めてマーケットのセンチメントを冷やす公算が大きい。

 原油市況に関してよく引き合いに出されるWTI原油先物価格の高騰だが、現状は1バレル=100ドル近辺で推移しているものの、日本が輸入している原油価格の実勢とは大分開きがあることには注意を要する。日本が輸入している中東産原油でホルムズ海峡封鎖の影響を受けないのは、UAE(アラブ首長国連邦)産の一部を除くとオマーン産原油のみで、この価格が現在1バレル=173ドル前後まで急上昇している。したがって、最近の円安傾向と相まって日本にとっての物価上昇圧力は想定された以上にかなり厳しいものといえる。前週行われた日銀の金融政策決定会合では利上げが見送られたが、今後は一段と難しい舵取りを迫られることになる。東京市場もリスク回避の流れは当面続きそうだ。

 日米ともにインフレ懸念から長期金利の上昇に対する警戒感もここにきて増幅されている。米10年債利回りは直近4.37%台まで水準を切り上げたが、これが4.5%を超えるような水準まで上昇するようなケースとなれば、株式の相対的な割高感が一段と意識されやすく投げを助長する懸念がある。また国内では、新発10年債利回りが1月20日の2.37%を上回ってくるような状況に直面した場合、株式市場への更なるネガティブな影響は回避できず、日経平均の深押しにつながりそうだ。

 中東情勢次第とはいえ、当面は緊迫化した状態が継続する可能性が高く、日経平均の向こう1ヵ月の下値メドとしては4万7000円近辺まで水準を切り下げる余地があるとみている。一方、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃が終息の方向に向かった場合は、プットオプションなどの買い戻し圧力が一気に顕在化することで、大幅なリバウンドも視野に入る。その場合は日経平均が5万5000円前後まで急反発する可能性もありそうだ。

 しばらくはハイボラティリティな地合いが続くことで、投資対象の選別も難しいが、当面は半導体関連セクターなどの下げに買い向かう逆張り作戦はリスクも大きいと考えている。物色の方向性としては食品や鉄道などのディフェンシブストックが相対的に強さを発揮しやすいとみている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券に入社後、WEBサイトの構築や自己売買担当、顧客対応マーケティング業務などを経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。日々のマーケットの解説に加えて、「グロース市場信用評価損益率」や「デイトレ適性ランキング」など、これまでにない独自の投資指標を開発。また、投資メディア部長としてYouTubeチャンネルやオウンドメディア「マネーサテライト」を運営。

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