明日の株式相場に向けて=AI空間からマテリアル系大相場へ

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 きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1539円高の5万5239円と急反発。前日までの流れを考えると、ここで日経平均が1500円以上の上昇をみせ高値引けとなるシナリオはなかなか人間的な思考では生まれてこない。トランプ米大統領が「近い将来イランから撤退する」と発言したことは、“さもありなん”というところでサプライズに値する要素は希薄である。原油価格にリンクした相場ではあるが、目先上昇一服という段階で日経平均が急騰する蓋然性も乏しい。きょうの相場はショートポジションを積んでいた向きは悶絶するよりないが、気が付けば日経平均は75日移動平均線をサポートラインに理想的な底入れ足を形成しつつある。日米首脳会談でこれが覆るとみるのは悲観に傾斜した売り方の論理であり、現時点でマーケットはそれを完全否定したような形となっている。ただし、相場の質は足もとで様変わりしている。

 株式市場では、ついこの間まで生成AIの登場に端を発したバーチャル空間の革命的進化を買う相場であった。しかし、ここにきて、バーチャル革命ではなく地球上の物理的基盤の方に投資マネーの関心が移り、怒涛のローテーションが始まっている。いうなればマテリアル系の大相場である。AIバブル論の妥当性が俎上に載っているさなかに、その傍らでエネルギーバブル相場の様相を呈し始めた。AIインフラが過剰投資という見方が徐々に強まる気配をみせても、AIデータセンター用光ファイバーで象徴株の一角であるフジクラ<5803.T>や古河電気工業<5801.T>には、依然として波状的に大口資金が押し寄せてくる。この現実が意味するところは、フジクラや古河電はAI関連であってもソフトではなく“ハードの塊”であるという認識だ。社会の物理的基盤の範疇にある銘柄として、AIバブル論の矛先を悠々とかわしている。

 一方、きょうはレアアース関連では、三菱マテリアル<5711.T>がストップ高カイ気配で張り付いた。日米首脳会談でレアアースやリチウム、銅の共同開発で合意すると報じられるなか、同社はインディアナ州でのレアアース精錬事業に出資・参加を調整するほか、銅の精錬計画にも携わると伝わり物色人気に火が付いた。また、千代田化工建設<6366.T>はトヨタ自動車<7203.T>と協業で、水を電気分解して水素を製造する装置を2029年から量産すると報じられ、リバウンド局面への移行を鮮明としている。千代建についてはまだ戻り初動で、ここは追撃でも十分に間に合いそうである。更に、圧巻だったのは東京電力ホールディングス<9501.T>のパフォーマンスだ。朝方から一本調子に株価を上昇させ、前引け間際に値幅制限の上限に到達、以降はカイ気配で商い成立の気配すら見せなかった。非上場化も視野に入れたTOB思惑が走り出し、株価を突き上げる形となったが、それにしても恐るべきマネーの奔流を目の当たりにした感が強い。

 主力銘柄以外でも妙味を内包する株は多いはずで、こうしたマテリアル系大相場に乗る銘柄を探していく時間帯に入った。ペロブスカイト太陽電池関連では、屈曲性が求められる同電池用のソーラーケーブルを手掛けるJMACS<5817.T>が反撃の狼煙を上げている。また、次世代革新炉(レーザー核融合発電)関連では神島化学工業<4026.T>が三角もち合いを経て上に放れそうな気配を漂わせている。同社の手掛ける多結晶材料「透明YAGセラミックス」は高出力レーザーの増幅に不可欠な材料としてマーケットでも注目度が高い。

 更に、中期で変貌期待が大きい銘柄では、半導体材料を手掛ける化学メーカーでダイトーケミックス<4366.T>を挙げておきたい。きょうは大陽線を示現して目を引いているが、早晩500円台での活躍を視野に押し目買い対象としてマーク。営業利益は今期増額含みで来期も成長が続きそうであり、1倍未満に放置されているPBRは修正の初動を示唆する。

 これ以外では、水素関連株に資金が群がり始めた。前述の千代建は売買代金などを考慮すれば指標株となり得るが、個人投資家目線で穴株発掘にも目を向けたい。土木用プラント製造の日工<6306.T>は水素専焼バーナーで先駆しているほか、工業用ガスを供給する高圧ガス工業<4097.T>は水素ステーション向け水素蓄圧器で実績が高い。また、高純度の水素分離膜モジュールで高技術を有する日本精線<5659.T>もチェックしておきたい銘柄だ。更に三菱重工業<7011.T>を大株主に有し、防衛関連の側面を持つ三菱製鋼<5632.T>は鋼材切断用ガスの水素代替活用などで、カーボンニュートラルに積極的にチャレンジしている。

 あすのスケジュールでは、日米首脳会談がワシントンで開催される。また、日銀金融政策決定会合の結果が発表され、引け後に植田和男日銀総裁の記者会見が予定されている。これ以外では、朝方取引開始前に週間の対外・対内証券売買契約、1月の機械受注が開示されるほか、後場取引時間中には1月の鉱工業製生産(確報値)が発表される。海外では2025年11月~26年1月の英失業率、3月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、週間の米新規失業保険申請件数、1月の米新築住宅販売件数、1月の米卸売在庫・売上高などに注目度が高い。なお、この日は世界各国の中銀による政策金利決定が相次ぎ、マーケットの関心を集めそうだ。英中銀、スイス中銀、スウェーデン中銀のほか、ECB理事会も政策金利を発表する。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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