雨宮京子氏【中東を横にらみに乱高下、ここからの個別戦略は】 <相場観特集>
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―原油市況に一喜一憂、売り買い交錯のなか光明は見えるか― 週明け16日の東京株式市場は日経平均株価が朝方は思惑がぶつかり合うなか、プラス圏で推移する場面もあったが、その後は急速に軟化。前引け時点ではほぼ安値引けで680円あまりの下げを余儀なくされた。しかし、後場に入ると再び下げ渋るなど方向感の定まらない値動きが続いた。中東情勢の緊迫化で地政学リスクが意識される一方、原油市況の高騰を警戒する売りが止まらない。ここからの相場展望について、個人投資家層からの支持が厚い雨宮総研代表の雨宮京子氏に話を聞いた。 ●「全体相場は原油価格横にらみも個別株勝負」 雨宮京子氏(雨宮総研 代表) 東京市場はなかなか霧が晴れない状況を強いられている。「遠くの戦争は買い」という相場格言があるが、今回の米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃に関しては当てはまらなかった。これはホルムズ海峡の事実上封鎖などで原油価格が急騰し、これを目の当たりに市場参加者が悲観的な見方に傾いたことが背景にある。コストプッシュ型のインフレによる個人消費の落ち込みや企業業績の減速懸念がマーケットの重荷となる、という認識が瞬間的に投資家マインドを占有し、買いポジションの縮小に反映された。 その意味ではここからの株式市場の動向も、今後の原油価格の値動きに左右される要素が大きいといえる。WTI原油先物価格が下がらないまでも1バレル=100ドル前後で落ち着くのであれば、株式市場はそれを漸次織り込むことも可能であり、全体株価は徐々に回復に向かうと思われる。しかし、WTIが100ドル台乗せでは収まらず、一段の高騰に見舞われるようなケースでは、日経平均も想定を超えて深押しとなる場面を覚悟しておく必要がありそうだ。 もっともイランの抗戦にも限界があり、ホルムズ海峡の封鎖状態が長く続くことは想定しにくい。つれて、原油価格も落ち着きを取り戻すことをメインシナリオに掲げておきたい。今後波乱含みの動きが続いたとしても、日経平均が5万円大台を大きく割り込むようなことはないのではないか。一方、目先の波乱局面が一巡しても中東の地政学リスクがくすぶるなか、完全復活には時間がかかるだろう。3ヵ月程度の日柄調整が必要になると考えている。向こう1ヵ月の日経平均のレンジとしては下値が5万1500円、上値は5万6000円前後を想定している。 個別株ではまずエネルギー関連で、原発向け実績の高い日本製鋼所 <5631> [東証P]は国策買いに乗る銘柄としてマーク。また、トヨタグループの自動車部品最大手デンソー <6902> [東証P]は逆張り好機でPBR1倍割れは売られ過ぎだ。このほか、グロース市場上場銘柄にも流れが向いてきた。美容機器を手掛けるMTG <7806> [東証G]、サイバー防衛のテーマで存在感を高めつつある網屋 <4258> [東証G]、独自プラットフォームを強みにDX支援を手掛けトップラインの伸びが顕著なABEJA <5574> [東証G]など。また、グロース上場後、目を見張る利益成長路線を走るpluszero <5132> [東証G]も底値買い好機とみている。 (聞き手・中村潤一) <プロフィール>(あめみや・きょうこ) 雨宮総研 代表。元カリスマ証券レディとして、日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスター、SBI証券投資情報部などを経て、日経CNBC解説者に。 株探ニュース