4月の法改正で脚光浴びる、「マンション再生」関連で追い風強まる妙味株6選 <株探トップ特集>

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コラム

―建て替え決議の緩和など進む、建築や販売・管理、資材関連会社に注目集まる―

 いまマンションは、さまざまな問題に直面している。老朽化はもちろんのこと、その先にある建て替え合意形成の現実的な壁もある。また、地方都市での需要減退に伴う空室増や管理不全による売却や賃貸などが困難な「負動産化」の進行も大きな悩みだ。昨今は、タワーマンションの災害時の脆弱性、将来的な解体に対する備えの不足、外国人所有、闇民泊問題などもしきりに取り沙汰されている。しかし、そんな問題の一部を解決するための動きが始動しようとしている。今後の大きな課題となる「マンション再生」に向けた動きを追った。

●マンション価格の高騰が大きな問題に

 マンションは、日本国民の1割超が居住していると推計される重要な居住形態の一つだ。なかには、タワーマンションに対して、いつかは住みたいと羨望の眼差しを向ける向きもいるだろう。そんなマンションを取り巻く環境は足もとで大きく変化している。

 まず挙げられるのが価格の高騰だ。首都圏でのマンション価格の上昇が話題だが、ここでは地方の状況をみてみたい。福岡市が2月に新築マンションの取引状況に関する調査結果を公表した。2018年以降に竣工した市内新築マンションのうち、投機的取引も想定される高額な物件が含まれ、供給戸数が一定以上あるファミリー向けマンションを中心に、38棟4739戸を対象として調査を実施したものだ。抽出調査ではあるが、結果として非居住率(空き家率)は、20階建て以上の超高層と1億円以上の高額物件があるマンションでそれぞれ約25%と特に高かったが、市内全体の非居住率8.4%に対し、抽出した物件の平均は18.0%と投機的取引の傾向をうかがわせるものとなった。また、20階建て以上の超高層や1億円以上の高額物件があるマンションは、国外からの取得割合が比較的高い特徴も確認された。少子化を何とかしようという状況下で、投機的取引の影響もみられるなか実需層であるファミリーたちの手に届きにくくなっている状況が浮かび上がる。

●築40年以上の物件のストック数は今後急増へ

 一方、新築に比べ比較的手が届きやすい築古物件も深刻な悩みを抱えている。日本の高度経済成長期から大量供給された建築から長期間が経つ「高経年マンション」が増加していることは広く知られている話だろう。築40年以上のマンションストック数は34年末には、24年末(148万戸)の約2倍となる293万戸まで急増する推計だ。また、高経年マンションほど高齢世帯主の住戸割合が高いため、全体として管理不全が進むことも現実に起きつつある。特に地方では、人口減少に伴う空室化や所有者不明住戸の増加なども大きなリスクだ。

●マンションの建て替え決議なども緩和に

 そこで、26年4月1日から施行されるのが、マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法である。さまざまな変化が含まれている大きな改正だが、特に注目したいのは「再生の円滑化」にかかわる内容だ。従来建て替え決議は、区分所有者数及び議決権の5分の4以上の賛成が必要だったが、所在等不明区分所有者を決議の母数から除外することに加え、耐震性の不足などの客観的事由がある場合には多数決割合を4分の3に引き下げることが認められた。また、建物・敷地一括売却や建物の取り壊しなどを行うには、従来は区分所有者全員の同意が必要という厳しい条件だったところ、前出の建て替えと同等の多数決で建物・敷地の一括売却、取り壊し、一棟リノベーションなどを可能とする制度が創設される。高経年マンションが採用できる選択肢が広がったことで、今後、特に好立地の物件などで、建て替えなどの動きが出てくる可能性があるだろう。以下では、マンション再生に絡む、建築や施工・管理企業のほか足場・仮設資材、インフラに関連する企業を紹介する。

●長谷工やスターマイカ、タカミヤなど注目

 長谷工コーポレーション <1808> [東証P]~分譲マンション建築が主軸の準大手ゼネコン。首都圏マンション新規供給戸数に対して高い施工シェアをもつ。同社はマンション建て替えでも多くの実績を有しており、最適な事業計画を提案するなど、準備段階から入居後の管理運営までトータルで提供している。旧耐震基準で建てられたマンションの耐震改修もサポート。耐震診断から耐震改修(補強)工事までワンストップで対応する。

 スター・マイカ・ホールディングス <2975> [東証P]~分譲中古マンションの売買及び賃貸が主力の不動産会社であり、「賃貸中物件を購入し、空室になってからリノベーションしたあとに、消費者市場で売る」というビジネスモデルを構築。中古マンションの魅力を最大限に引き出すため、築年数や状態に応じたリノベーションで「高い居住性」と「手に入りやすい価格」を両立させている。

 大末建設 <1814> [東証P]~マンション建築、一般建築を主力とする総合建設会社。再生事業においては建物調査・診断を実施し、建物の劣化状況を確認した上で大規模修繕工事を行うことで、建物の性能を回復し、資産価値を維持・向上させることを提案する。耐震診断や耐震補強に関する依頼に対して付加価値をつけた提案として顧客の要望に合わせた「建築再生(リノベーション、コンバージョン、リファイニング)」を提案する。

 タカミヤ <2445> [東証P]~外部足場資材、支保工材、吊り足場資材、型枠材、安全養生材など建設現場で使われる仮設機材などを展開。階高1900ミリメートルで安全な作業空間を提供する次世代足場「Iq System」を手掛けている。19年には安藤・間 <1719> [東証P]と共同で、移動昇降式足場用の壁つなぎを開発している。

 第一カッター興業 <1716> [東証S]~舗装道路やコンクリート構造物の解体、撤去に必要な切断工事などを行う。ビルメンテナンス事業において、超高層タワーマンションやオフィスビル、商業施設などの給排水設備の高圧洗浄・保守点検・補修業務を行っており、マンション管理会社、ビル管理会社、商業施設、管理組合などを顧客に、年間1000棟を超えるマンションの雑排管清掃を実施している。

 ディー・エヌ・エー <2432> [東証P]~スマートフォン向けゲームの開発が主力。グループのスマート修繕がマンション・ビルなど大型建物に関する大規模修繕など共用部工事の見積もり、比較選定・工事支援サービス、建物調査診断サービスを手掛ける。スマート修繕は、26年中にマンションの管理業務に参入すると伝えられており、M&A(合併・買収)による既存の管理会社の取得を目指しているようだ。

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