【緊急インタビュー】世界株安再び、日経平均暴落でトレンド転換か ブーケ・ド・フルーレット代表 馬渕治好氏 <相場観特集>
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―4000円超下落する場面も、中東リスクで原油高騰し先行き不透明感が募る― 週明けの東京株式市場は急落に見舞われた。日経平均株価は先物主導で一時4000円を超える下げとなり、5万1000円台半ばまで一気に水準を切り下げる波乱展開に。全体相場の上昇トレンドは終焉を迎えたのか、それとも敢然と買い向かって報われるのか、投資家としても判断に迷うところである。ここからの相場展望について、株式市場と長く向き合ってきたベテラン市場関係者はどう見ているのか。ブーケ・ド・フルーレットの馬渕治好氏と内藤証券の田部井美彦氏の2人にそれぞれ見解を聞いた。 ●「下値は深く、当面は手出し無用か」 馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表) 日経平均株価は3月に入ってから急速に値を崩している。これは米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃が引き金となったとはいえ、足もとの下落に関してはバリュエーション調整の色が強い。需給先行で売りが加速するケースもあり、日経平均の下値メドは簡単には想定できないが、3月年度末に4万5000円近辺で着地しても違和感はなく、中期的に更に深押しもあり得ると考えている。年央までに一段と調整色を強め、4万円前後まで水準を切り下げるのではないか。 バリュエーション正常化の過程で、TOPIXベースで予想PERが13倍近辺まで調整する可能性がある。その場合は3000ポイントを割り込む状況が想定され、日経平均はTOPIXよりも若干オーバーシュートして4万円~4万2000円くらいの水準が下限ラインとして意識される。場合によっては更に下振れるケースもありそうだ。 この下げの背景には中東での軍事衝突以外に、米経済の減速懸念があり、加えてAI産業の過剰投資の反動に対する警戒感もくすぶる。エヌビディアのジェンスン・ファンCEOはオープンAIへの投資に関して、規模を縮小することにも言及しており、マーケットのAI・半導体関連に対する視線にも気迷いが生じている。また、英国の住宅金融会社の破綻が耳目を集めたが、米国でもブルー・アウル・キャピタルやブラックストーン 傘下の融資ファンド会社に資金の大量流出懸念が出るなど、金融面でネガティブな思惑も台頭している。これらが複合的に株価下落を誘発しているため、戻り相場もなかなかイメージしにくい。 反転の条件として明確なものは見当たらない。目先は需給要因からのリバウンドはあっても上昇トレンドへの回帰は見込みにくい。 AIや半導体関連の押し目買いニーズはそれなりに強いと思われるが、今はリバウンド局面でも銘柄によって株価の動きにばらつきが予想され、安易に買い向かうのは危険である。他方、エネルギー関連株も原油高頼みで買い上がっていくのは、OPEC増産などの思惑が生じ得るため限界があろう。結論として今は手を出すとしても現物の打診買いにとどめ、少し長い視点に立って4万円近辺でバリュエーション調整が終了する段階を待ちたい。 (聞き手・中村潤一) <プロフィール>(まぶち・はるよし) 1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程修了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は多数。最新の書籍は「コロナ後を生き抜く 通説に惑わされない投資と思考法」(金融財政事情研究会)。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。個人投資家などに向けてセミナー講演を活発に行っている。セミナーのスケジュールは「ブーケ・ド・フルーレット」のホームページ参照。 株探ニュース