明日の株式相場に向けて=丙午は驀進か、半導体がロケットスタート
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2026年相場の大発会となった5日の東京株式市場では、日経平均株価が前営業日比1493円高の5万1832円と急反騰。朝方取引開始前は強調展開が予想されてはいたものの、トランプ米政権による南米ベネズエラへの軍事攻撃などで地政学リスクも意識され、様子見ムードは拭えないとの見方が優勢。ところが、開始直前になって225先物が噴き上げ、日経平均もこれに追随する形でまさかのロケットスタートとなった。後場取引終盤には5万2000円台乗せという見せ場もつくった。なお、TOPIXの方は余裕で史上最高値を更新している。午尻下がりとはいうが、格言通りとしても先行逃げ切りというパターンがある。片山さつき財務相が大発会式典で「丙は太陽、馬は大地を表す。これは最強」とし、「天井破りの高値更新を期待」と景気づけたが、まさにその声が天に届いたかのような相場であった。 きょうはまず半導体関連株の強さが際立った。これは米国株市場を引き継いだAI関連株見直しの流れに乗ったという意味合いが強い。昨年12月にAI関連は過剰投資懸念の大合唱となったが、これは売り方のメディアを利用した仕掛け的な要素も強かったと思われる。その後、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が75日移動平均線を踏み台に綺麗にリバウンドに転じると、マーケットは現金なもので「2026年相場も引き続き生成AIと半導体による産業活性化に期待」というような論調が優勢となった。 周りの意見に流されて持ち株を投げてしまった人や、空売りを乗せた向きにすれば、年明けのSOX指数がマドを開けて陽線を形成したことに唖然としたかもしれない。夜明け前が一番暗いというが、SOX指数でいえば12月17日の大陰線がまさにその日が昇る直前の暗闇であった。なお、同指数に関しては11月中旬から下旬にかけても同様のリスクオフに晒される局面があった。短期間に2度繰り返されている。今後もAIバブルへの懸念は常につきまとい、株価も荒れた値動きとなる場面に幾度となく遭遇しそうだが、いきなり悲観論が大きくなったような時は、その後ろ側で必ず売りポジション(買いたい弱気も含む)をとっている投資家がいるということを、個人投資家は頭の片隅に置いておく必要がある。 売買代金で上位100位内に入っている半導体関連は文字通りの全面高となったが、まさか大発会に日経平均がザラ場とはいえ5万2000円台まで上値を伸ばすとは驚きである。主力どころは日経平均など全体指数との連動性が高いため、先物絡みのインデックス売買の影響が大きくなりやすい。ここから日経平均が5万3000円、5万4000円と大台を漸次切り上げていくのであれば、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>などのド真ん中の銘柄に乗って行けば良い理屈だが、日経平均の上値が重くなっても上昇トレンドを維持できる銘柄も選別対象としてリストアップしておきたい。 きょうのキオクシアホールディングス<285A.T>の物色人気が証明するように半導体メモリー関連株への資金流入が勢いを増している。半導体王国である台湾市場(台湾加権指数)の上値指向が鮮烈だが、これは足もとの潮流を映し出すものでもある。これまではスマートフォンやパソコン向けを主な需要先とし、AI半導体とは別枠の範疇でみられていたメモリーだが、今はAIデータセンターのSSD向けで爆発的に需要増勢となっているのは周知の通り。この流れに乗る半導体製造装置関連ではTOWA<6315.T>に出遅れ感が強く、投資妙味がある。また、中小型株では以前にも取り上げたAKIBAホールディングス<6840.T>及びミナトホールディングス<6862.T>の足の速さに着目。このほか、半導体商社の丸文<7537.T>は昨年来高値圏を走るが、0.6倍台のPBRや3.7%台の配当利回りなどを考慮して、引き続き水準訂正途上にあると判断できる。少し毛色の変わったところでは、北川精機<6327.T>をチェック。AI半導体向けプリント基板プレス装置への海外からの引き合いが活発で、昨年来高値払拭から4ケタ大台での活躍がイメージできる。 他方、半導体セクターと同類項でもあるフィジカルAIは、今年も折に触れ相場の有力テーマとしてフル稼働しそうだ。米国時間で今週6日から9日にかけて世界最大のテクノロジー見本市「CES」が開催されるが、AIとロボティクスの融合はCESの中核テーマでもあるだけに、おのずと関連銘柄にはフォローウインドが意識される。きょうはヒューマノイド開発に傾注するヒーハイスト<6433.T>がストップ高に買われたが、AIロボットの開発支援パッケージ「ROBODEV(ロボデブ)」の提供を行うジーデップ・アドバンス<5885.T>はフィジカルAI分野と密接に絡むだけに要注目。既に大きく動意づいてしまってはいるが、日足一目均衡表の雲抜けで好機といえる。これ以外では菊池製作所<3444.T>が需給相場の様相で仕手化モードにあり、短期割り切りが必要ながらマークしておきたい。 あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に12月のマネタリーベースが日銀から開示されるほか、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札及び10年物国債の入札が行われる。また、午後取引終盤には12月の財政資金対民間収支が財務省から開示。個別に高島屋<8233.T>の3~11月期決算が発表される。海外では世界最大級のテクノロジー展示会CESが米ラスベガスで今週末9日までの日程で開催される。(銀) 出所:MINKABU PRESS
