利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 30社選出 <成長株特集>

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コラム

 本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。

 総集編第1弾(12月14日配信)、第2弾(12月18日配信)に続き、今回は14日時点の時価総額が400億円以上1000億円未満の銘柄を対象に、25年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

 下表では、本決算月にかかわらず、25年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している30社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

 上振れ率トップとなったのは、ネイルサロン「ファストネイル」などを展開するコンヴァノ <6574> [東証G]。25年7-9月期(第2四半期)の税引き前利益は17.5億円とこれまでの過去最高益を8.4倍も上回って着地した。新たに参入したインベストメント&アドバイザリー事業で組合型ファンド投資の売却額が確定したことが収益を大きく押し上げたほか、暗号資産保有事業におけるプレミアム収入なども反映した。一方、決算発表後の11月21日に、26年3月期通期の同利益予想を従来の65.3億円→59.9億円(前期比46.8倍)に下方修正している。

 2位には昨年4月にタスキと新日本建設が経営統合して発足したタスキホールディングス <166A> [東証G]が入った。25年7-9月期(第4四半期)は最先端のテクノロジーを活用した新築投資用IoTレジデンスで大型案件を引き渡し、経常利益は45.7億円とこれまでの過去最高益を2.3倍も上回って着地。同時に発表した26年9月期の同利益は前期比19.1%増の93億円と2期連続の最高益更新を見込み、配当も前期比4円増の40円に増配する方針だ。配当利回りは5%台と高水準で推移している。

 3位のトーメンデバイス <2737> [東証P]は7-9月期(第2四半期)経常利益が前年同期比52.0%増の52.8億円と4四半期ぶりに過去最高益を達成した。中国の補助金政策による需要喚起を背景に、メモリー製品を中心に販売数量が増加した。半導体メーカーがAI関連製品へ生産をシフトする中、汎用メモリーの需給が逼迫し、メモリー製品の価格が急騰したことも大幅増益につながった。業績好調に伴い、減益予想だった26年3月期通期の同利益を一転して4期ぶりの最高益見通しに上方修正するとともに、配当も増額修正した。株価は11月20日に上場来高値1万2610円をつけている。

 4位にリスト入りした平河ヒューテック <5821> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、北米メガソーラー発電所の旺盛な需要を背景にエネルギー産業関連ケーブルの販売が好調だった。また、車載用ケーブルの新規量産品や医療用ケーブルの新製品も伸びたほか、産業機器用ケーブルでは一部FA分野が回復し、経常利益は前年同期比4.1倍の13.7億円に急拡大して着地。好調な業績を踏まえ、26年3月期の同利益予想を3期ぶり最高益見通しとなる40億円(従来予想は31億円)に大幅上方修正した。これを受けて、株価は11月20日に上場来高値3310円まで上値を伸ばす場面があった。

 5位のアズーム <3496> [東証P]は主力の月極駐車場サブリースサービスで分譲マンションやオフィスビルを中心に駐車場受託台数が拡大し、7-9月期(第4四半期)は売上高37.7億円(前年同期比26.9%増)、経常利益9.1億円(同59.4%増)といずれも過去最高を更新した。続く26年9月期の同利益は前期比20.4%増の31.4億円と7期連続の最高益更新を見込む。配当は126円と9月30日割当の株式分割を考慮した実質配当は18.9%増配となる方針だ。また、30年9月期に営業利益125億円(前期実績は26.1億円)を目標とする意欲的な中期経営計画も発表。株価は11月14日に上場来高値6230円まで急伸したが、その後は5000円前後に押し戻されている。

 23位にリストアップされた半導体テスト工程の受託会社であるテラプローブ <6627> [東証S]は、サーバー向けやAI(人工知能)関連製品の堅調な需要が継続したほか、EV(電気自動車)向けロジック製品の取引が拡大し、7-9月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比51.3%増の22.5億円と5四半期ぶりに過去最高益を更新した。併せて、過去最高見通しとしていた25年12月期通期の業績予想をさらに上乗せしたことも評価され、株価は24年4月以来の高値圏に浮上している。

 24位にリスト入りした第一工業製薬 <4461> [東証P]は工業用薬剤のトップメーカー。7-9月期(第2四半期)は電子材料の低誘電樹脂が好調だったほか、利益率の高い電池用材料の負極用水系複合接着剤も大きく伸び、経常利益は前年同期比38.2%増の19.1億円に拡大して着地。業績好調に伴い、26年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正した。株価は1990年5月以来、約35年7ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。

           ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名     上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER
<6574> コンヴァノ     742  1752   208   3508   5990   166 13.4 *
<166A> タスキHD     131  4571   1981   19.1   9300   7808  8.2
<2737> トーメンデバ   52.0  5288   3480    6.2   9000   8478 12.4
<5821> 平河ヒューテ   41.8  1378   972   14.3   4000   3501 12.6
<3496> アズーム     39.9   915   654   20.4   3140   2607 28.2
<2676> 高千穂交易    29.6   818   631    4.8   2100   2004 26.3
<4417> Gセキュリ    27.9   587   459   39.6   2181   1562 30.7
<3245> ディアライフ   24.0  4823   3888   27.7  10000   7831  8.2
<4071> PAコンサル   18.9  1947   1638   18.7   7500   6320 20.0
<9416> ビジョン     13.9  1842   1617   18.9   6445   5422 14.5

<6200> インソース    13.0  1691   1496   13.4   6800   5997 15.5
<9790> 福井コン     12.6  2118   1881    4.7   6658   6358 14.9
<3660> アイスタイル   11.0  1050   946   14.8   3800   3310 17.3
<2585> Lドリンク    10.0  1990   1809   35.8   6400   4712 21.5
<4290> PI        8.9  2671   2452    5.2   8900   8458 17.2
<3091> ブロンコB     7.9   874   810    9.7   3080   2807 31.2
<4718> 早稲アカ      6.0  1992   1879    3.6   3731   3600 16.6
<6946> 日本アビオ     5.8  1339   1266   43.9   3900   2711 23.8
<9467> アルファP     5.6   949   899   16.2   3760   3236 20.8
<3371> ソフトクリエ    5.0  1709   1627    7.6   6200   5764 13.8

<4362> 日精化       4.8  1711   1633    6.3   5730   5389 13.7
<5834> SBIリーシ    3.6  2483   2397   15.1   7000   6084  9.0
<6627> テラプローブ    3.4  2258   2184    8.8   8060   7411 18.3
<4461> 一工薬       1.8  1914   1880   37.7   7900   5737 19.7
<3150> グリムス      1.6  1916   1886    8.3   7195   6645 11.6
<9324> 安田倉       1.4  1672   1649    0.5   5000   4977 19.7
<4746> 東計電算      1.2  1833   1812   10.9   7156   6451 14.2
<9845> パーカー      1.2  1834   1813   15.5   5800   5022 10.6
<4658> 日本空調      0.5  1504   1496    0.6   4400   4373 13.3
<3445> RSテクノ     0.4  4861   4844    5.9  16600  15668 10.8

※ 2024年7月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

株探ニュース

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