ドル円は買戻し優勢 円安がドル円をサポート=NY為替概況

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ドル円は買戻し優勢 円安がドル円をサポート=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は買戻しが優勢となり、155.75円付近まで上昇。ドルはNY時間に入って戻り売りが優勢となっていたものの、円安の動きがドル円をサポートした模様。市場では日銀の利上げ期待が高まっているものの、円キャリー取引への期待も根強くあるようだ。本日の21日線が156円ちょうど付近に来ており、目先の上値メドとして意識される。

 前日発表の米雇用統計は米労働市場の冷え込みは示す内容ではあったものの、FRBの早期利下げを後押しする内容とまでは言えなかった。短期金融市場では1月のFOMCでの利上げの確率は20%程度で見ているが、来年2回の利下げ期待に変化はない。

 一方、日銀は今週の決定会合での利上げが確実視されている状況。市場は来年以降の姿勢に注目している。追加利上げの方向性は変わらないと見られるが、市場はそれによって円高に流れが変わるとまでは見ていない。実質金利から考えれば、エコノミストはまだ利上げが必要と見ているが、早ければ来年4月にも追加利上げと見る向きもいるようだ。

 ユーロドルは1.17ドル台半ばでの推移。ロンドン時間には戻り売りが優勢となり、1.17ドル台前半まで下落する場面が見られたものの、NY時間に入って再びドル安が優勢となったことで、ユーロドルも買い戻されている。

 明日はECB理事会が予定されており据え置きが確実視されている。利下げサイクルは終了との見方も広まる中、ECBの次の行動に市場は注目している。シュナーベルECB専務理事が、次の行動は「利上げ」になる可能性があると発言していたが、ECBがその見方を否定するようであれば、ユーロは下落する可能性があるとの指摘も出ていた。明日シュナーベル理事が少数派であることが明らかになり、ユーロ圏の成長予測が十分に上方修正されなければ、ユーロは下落する可能性があると述べている。

 ポンドドルは一時1.34ドル台まで買い戻される場面が見られた。NY時間に入ってロンドン時間の下げを取り戻す展開。一方、ポンド円も207円台前半まで下落したものの、NY時間に入って208円台に上昇している。ポンド円は21日線の上をしっかりと維持されており、上昇トレンドが続いている。

 ロンドン時間の下げはこの日発表の11月の英消費者物価指数(CPI)が前月比で予想外の低下となったことがポンドを押し下げている。明日は英中銀の金融政策委員会(MPC)の結果が公表されるが、市場では本日の英CPIで利下げが確実になったと見られている。

 エコノミストは、英CPIはサービスとコアインフレの軟化により、物価圧力の粘着性は低下しているように見える一方、労働市場の緩和と経済の低迷により、インフレは引き続き低下軌道をたどる公算が大きいと述べている。26年には食品と燃料のコストが低下し、予算によるエネルギー料金の変更もあり、来夏までにインフレは2%に低下し、物価は大幅に低下するはずだという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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