【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 2026年に向けて仕込むべき日本の屋台骨セクター!

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コラム

「2026年に向けて仕込むべき日本の屋台骨セクター」

●現局面では3つの戦略が選択肢に

 FRB(米連邦準備制度理事会)は12月10日、FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを決定した。日銀は18日~19日の金融政策決定会合でどう判断するのか。市場の予想は0.25%の利上げだ。この場合、常識的には日経平均株価は下げてもおかしくない。しかし、東京市場はいまや完全に米国市場に連動しており、特にAI(人工知能)関連株主導の相場となっている。そのため、日本の金融政策が少々変わっても、株式市場への影響は軽微で済んでいる。日米で金融政策が逆方向に動くという一見複雑な状況なのに……だ。市場は日銀の利上げをすでに消化し、「想定内のイベント」として受け止めている。こう見てよい。

 では、このような状況でどう動くべきか。まずは「全面的に強気になる」のではなく、勝ちやすい土俵を選ぶこと。具体的にはFRBの利下げを受け、日本は別にして世界的に金利低下が意識される局面では、将来の成長が評価されやすい業種と銘柄が見直される点に着目だ。

 次に注目したいのが、業績が拡大基調にありながら、株価が出遅れている銘柄群。市場全体が警戒ムードにあった間、好業績であっても評価されなかった銘柄は少なくない。こうした銘柄は、相場の地合い改善とともに、遅れて評価が進む傾向がある。売上・利益が伸びている、受注残が積み上がっている、こうした事実が確認できる企業は、今後の投資対象として有力候補になる。

 そして3つ目。米国景気の底堅さが追い風となる輸出関連株になる。日銀が利上げに踏み切ったとしても、円安基調がすぐに大きく転換する可能性は低い。米国の利下げは、景気の腰折れを防ぐ効果が期待され、日本の輸出企業にとっては依然として好環境となる。特に、価格転嫁力があり、利益率を維持できている企業は、株価の押し目が好機になりやすい。

●自動車・周辺銘柄は回復トレンドから力強い上昇へ

 そこで注目銘柄。いまはもう年内の上昇よりも、来年に力強い上昇が見込める銘柄に着目すべきで、業種としては 自動車とその周辺銘柄が筆頭になる。改めて述べるまでもなく、自動車株はトランプ関税により大苦境に陥った。そのため、多くが4月半ばに暴落に近い下げとなり、そこから年末にかけて回復トレンドとなったものの、年初の水準に届いていない。

 以上のような動きになった象徴的な銘柄は、世界販売首位であるトヨタ自動車 <7203> [東証P]。来年は関税引き上げを乗り越え、収益の好転はまず間違いないとみられ、株価は24年3月に付けた上場来高値3891円をクリアする。こう見てよく、年内の投資が有利といえる。

 また、自動車株はグループで動く傾向が強いため、トヨタ株が上昇するなら、当然ホンダ <7267> [東証P]、SUBARU <7270> [東証P]もそれに続くことになり、これらへの投資でもよい。

 正直なところ、自動車株やその周辺株は数が多すぎて選択に迷うが、当然タイヤ株もターゲットになる。首位はブリヂストン <5108> [東証P]だが、値動きの軽さで住友ゴム工業 <5110> [東証P]、TOYO TIRE <5105> [東証P]がお勧めだ。

 自動車ブレーキでは、日清紡ホールディングス <3105> [東証P]が魅力的だ。ブレーキ、ブレーキ用摩擦材に強いうえに、防衛省向け無線通信機に強い点も好ましい。

 最後に、日本特殊陶業 <5334> [東証P]を。自動車用点火プラグ、排気センサーで世界首位のブランド力と実績は見逃せない。いまから2026年の堅調高が見える。

2025年12月12日 記


株探ニュース

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