話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンバイオ、DOWA、北海電
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■サンバイオ <4592> 1,955円 +222 円 (+12.8%) 本日終値 サンバイオ<4592>が続急伸。同社は9日の取引終了後、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺に対する治療薬「アクーゴ」に関し、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更について承認されたと発表した。7月31日の条件及び期限付き製造販売承認を経て、4つの条件が付されていたが、このうち出荷の制限に関する条件を解除する変更について12月9日に承認された。発表を好感した買いが集まった。サンバイオは今後、薬価収載を経た後に、アクーゴの発売を予定。米国市場では来期から臨床試験に向けた準備を行う。国内では脳梗塞プログラムの臨床試験について、来期に規制当局と協議を開始する予定だとしている。 ■DOWA <5714> 6,500円 +384 円 (+6.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位 DOWAホールディングス<5714>は大幅高。SMBC日興証券が9日付で投資評価を「2(中立)」から「1(アウトパフォーム)」へ、目標株価を5500円から7400円へ引き上げたことが材料視された。同証券によると、高収益を稼いできたPCB処理が2027年3月で終了予定であることや、銀粉の赤字が拡大している点を指摘。ただ、それ以上に貴金属市況の上昇が全社業績を牽引するだろうとの見方を示した。 ■北海道電力 <9509> 1,064円 +53 円 (+5.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位 北海道電力<9509>が大幅高。前日まで7営業日続落していたが、きょうは8日ぶりに満を持して切り返す展開となった。北海道の鈴木直道知事が、きょう行われた道議会で、泊原発3号機の再稼働に同意する考えを表明したことが伝わった。ラピダスが北海道千歳市に巨大工場を建設し、2027年度をメドに最先端半導体の量産を目指しており、将来的に電力需要の急増が想定される。これに対応する形で27年早期の運転再開に向け一歩前進した格好となっている。市場では「北海道はラピダス効果による経済活性化の恩恵も享受する可能性が高く、中期的に北海電への見直し買いを誘導することも考えられる」(中堅証券ストラテジスト)という指摘が出ている。 ■TOTO <5332> 4,310円 +199 円 (+4.8%) 本日終値 TOTO<5332>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は9日、温水洗浄便座「ウォシュレット」の累計出荷台数が11月に7000万台を突破したと発表。海外で売り上げが伸長していることが買い手掛かりとなったようだ。ウォシュレットの海外販売は、1980年代後半にアメリカからスタートした。その後100カ国以上で発売し、中国や米州、アジア・オセアニア、欧州を中心に需要が増加。現在は普及期に入り、ソーシャルメディアの発達やインバウンドの増加による追い風、新型コロナウイルスの感染拡大後の清潔意識の急速な高まりで売り上げが大幅に伸びているという。 ■三菱マテリアル <5711> 3,342円 +126 円 (+3.9%) 本日終値 三菱マテリアル<5711>や住友金属鉱山<5713>、東邦亜鉛<5707>など非鉄株が軒並み高。ロンドン金属取引所(LME)で銅価格(3カ月先物)が8日に一時1トン=1万1771ドルに上昇し、連日で過去最高値を更新したことが好材料視された。9月に発生したインドネシアのグラスバーグ鉱山の事故の影響により、銅鉱石の供給懸念が生じていることが価格上昇の背景にあるとされる。銅価格の上昇は業績に直結するだけに、非鉄株が買われている。なお、9日のLME銅価格は反落しているが、きょう付の日本経済新聞朝刊で「非鉄金属の国際価格が上昇している」と報じられたことが関連銘柄物色に火をつけた側面もあるようだ。 ■物語コーポレーション <3097> 4,440円 +105 円 (+2.4%) 本日終値 物語コーポレーション<3097>は3日ぶり反発。9日取引終了後、11月度の月次動向を発表した。既存店売上高(国内直営店とフランチャイズ店の合計)は前年同月比6.7%増と、3カ月ぶりにプラスに転じた。全店ベースでは同15.7%増だった。これが好感された。 ■イズミ <8273> 2,984円 +62 円 (+2.1%) 本日終値 イズミ<8273>が反発。9日の取引終了後に、2月28日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることを目的としている。 ■クミアイ化学工業 <4996> 705円 +14 円 (+2.0%) 本日終値 クミアイ化学工業<4996>が後場終盤になって上げ幅を拡大。午後3時ごろに集計中の25年10月期連結業績について、売上高が従来予想の1690億円から1704億円(前の期比5.8%増)へ、営業利益が100億円から105億円(同7.5%減)へ、純利益が35億円から43億円(同68.4%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好材料視された。農薬及び農業関連事業における出荷増に加えて、為替レートが想定よりも円安で推移したことにより為替差損が減少したことが要因としている。 ■コンドーテック <7438> 1,518円 +28 円 (+1.9%) 本日終値 コンドーテック<7438>が反発。9日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、オーストリアに拠点を置く投資ファンドのタドラナ・マネジメント・ウンド・アセット社の株式保有割合が5.01%と、新たに5%を超えたことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資で、報告義務発生日は12月2日となっている。 ■トヨタ自動車 <7203> 3,116円 +50 円 (+1.6%) 本日終値 トヨタ自動車<7203>が3日続伸、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前で戻り足に拍車がかかりつつある。また、同社系列の自動車部品最大手デンソー<6902>やアイシン<7259>などへの買いも目立つ。足もとで米長期金利の水準が切り上がっていることに加え、国内新発10年債利回りが上昇一服、これを受け外国為替市場ではドル買い・円売りの動きを誘発している。目先1ドル=157円台目前まで円安が進行しており、為替感応度の高い自動車セクターへの投資資金シフトを促している。トヨタは26年3月期通期想定為替レートが1ドル=146円で、実勢よりも10円あまり円高で設定されており、為替による収益メリットが大きいとみられる。 株探ニュース
