前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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■ラクオリア <4579>  1,405円 (+300円、+27.2%) ストップ高

 ラクオリア創薬 <4579> [東証G]がストップ高。低分子創薬に強みを持つ研究開発型 創薬ベンチャーで、製薬企業へのライセンス供与によるロイヤルティ収入などを収益源としている。合成レチノイドであるタミバロテンとがん治療薬併用投与の米国における用途に関する特許査定を受領したことを発表し、これを契機に大口の投資資金による波状的な買いが続いていた。株式需給面では11月末段階で貸株市場経由の空売りが急増していたこともあり、足もとでは強制的な買い戻し圧力の発現に伴い踏み上げ相場の様相を呈していた。

■菊池製作 <3444>  436円 (+80円、+22.5%) ストップ高

 菊池製作所 <3444> [東証S]がストップ高。同社は先端企業の集積地である東京・多摩地域に本社を置き、福島県内の複数の工場をもとに製造業向けの試作・設計や金型製造を強みとしてドローンの製造やロボットの開発支援に事業を展開する。ファナック <6954> [東証P]が1日、米エヌビディア  とフィジカルAI領域での協業を発表したことなどを背景に、株式市場においてフィジカルAIが注目テーマとして浮上している。こうしたなかにあって、菊池製作に対してはAIが自律的に制御するロボットの試作ニーズが拡大するとの思惑が浮上。投資資金の流入を誘発する格好となった。

■ジーデップ <5885>  2,900円 (+500円、+20.8%) ストップ高

 ジーデップ・アドバンス <5885> [東証S]がストップ高。ファナック <6954> [東証P]が米半導体大手エヌビディア  と協業し、人工知能(AI)とロボットを融合させ自律的に作動させる「フィジカルAI」分野に積極展開する姿勢を示していることで、その流れに乗る銘柄としてジーデップに注目する動きがあるようだ。同社はAI領域のハード・ソフトの開発・販売を手掛けるが、エヌビディアのエリートパートナー認定企業でもあり、今年8月下旬にはエヌビディア製最先端GPU搭載サーバーの提供を開始している。また、国内ではマクニカホールディングス <3132> [東証P]と協業でAIロボットの開発支援パッケージ提供しており、これがフィジカルAI開発向けで需要を捉える公算がある。26年5月期は営業利益段階で前期比11%増の9億3400万円予想と2ケタ成長で連続の過去最高更新を見込んでいる。

■ヒーハイスト <6433>  510円 (+80円、+18.6%) ストップ高

 ヒーハイスト <6433> [東証S]がストップ高。3日付の日本経済新聞朝刊で、「電子部品や 半導体などの日本企業が連携し、ヒト型ロボット(ヒューマノイド)の量産に乗り出す」と報じられており、ヒューマノイド開発への期待感から買いが流入したようだ。記事によると、早稲田大学や村田製作所 <6981> [東証P]が立ち上げたロボット開発の連携組織「京都ヒューマノイドアソシエーション(KyoHA)」にルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]、住友重機械工業 <6302> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]、日本航空電子工業 <6807> [東証P]の4社が新たに参画したと報じられているが、ヒーハイストは10月2日付リリースでKyoHAへの参画を発表。KyoHAでは初期プロトタイプとして災害現場向けのパワー重視モデルと俊敏性や機能性を重視した研究向けの2種類のヒューマノイド開発に取り組んでいるが、ヒーハイストは関節関係の設計・量産を担当する。

■Tホライゾン <6629>  668円 (+59円、+9.7%)

 テクノホライゾン <6629> [東証S]が6日続急伸。11月6日につけた年初来高値647円を一気に抜き去り、22年4月以来3年8ヵ月ぶりの高値圏に突入した。同社は映像・IT分野に特化した製品やサービスを強みとし、ロボティクス分野でもFA関連を中心に実績を重ねている。生産現場に向けてAI技術による高速検査機能を搭載したX線装置なども提供している。生成AIの進化系である「フィジカルAI」の概念が世界的に注目されている。国内では直近、ファナック <6954> [東証P]が米半導体大手エヌビディア  との協業を発表し、 人工知能(AI)とロボティクスの融合によるフィジカルAI分野に傾注する構えをみせマーケットの視線を集めた。これを受けて、東京市場ではAI技術を有する企業でロボティクス分野に経営資源を注ぐ銘柄に焦点が当たっており、Tホライゾンはその関連有力株として投資マネーの琴線に触れた格好だ。経営面ではM&A戦略にも長じていることで、これを駆使した業容拡大に向けた思惑も底流していた。

■ブルーミーム <4069>  1,429円 (+112円、+8.5%)

 BlueMeme <4069> [東証G]が4日ぶり急反発。同社は独自技術を使った次世代システム開発企業で、アジャイル手法とローコード技術を標榜し、これに人工知能(AI)を融合させた受託開発を展開している。2日取引終了後、九州大学との共同研究で開発した量子AIを活用したゲノム解析技術「QTFPred」を開発し、その研究成果が国際学術誌「Briefings in Bioinformatics」に掲載されたことを発表した。これを材料視する形で投資資金が流入した。同社の株価は前日2日まで3日続落で一時約4ヵ月ぶりに1300円台を割り込んだが、株価が底値圏に沈んでいたことから、値ごろ感に着目した買いも誘引した。

■ベクターHD <2656>  144円 (+11円、+8.3%) 一時ストップ高

 ベクターホールディングス <2656> [東証S]が急反発、一時ストップ高となった。3日、米Cornamiが提供する新世代AIサーバーを導入することとアデコ(東京都千代田区)とのデータアノテーション領域における連携開始を発表しており、材料視された。各社の技術や知見を組み合わせることで、国内企業が安心してAIを導入・運用できる環境の整備を目指す。ベクターHDによると、Cornami社のデータサーバーはデータを暗号化したまま情報処理ができる完全準同型暗号(FHE)技術を備えており、医療・金融・公共サービスといった高い機密性が求められる分野におけるAI活用の安全性を大幅に向上させることが期待できる。アデコと連携して取り組むアノテーションはAI・機械学習における分析対象のデータに対してラベルを付与するプロセスであり、ベクターHDはアデコのノウハウを活用し、日本語特有の語彙・文体・文化的背景を適切に反映した高品質な学習データの整備を推進する。

■F&LC <3563>  7,481円 (+474円、+6.8%)

 東証プライムの上昇率3位。FOOD & LIFE COMPANIES <3563> [東証P]が急反発。2日に発表した11月度の国内スシローの既存売上高は前年同月比9.4%増となっており、2023年7月以来、28ヵ月連続で前年同月を上回っている。11月におけるインバウンド客の減少について「現段階では国内スシロー業績への影響は限定的」とコメントしており、業況を評価した買いを引き寄せた。11月は自信のこだわりネタ「大切り本鮪中とろ」や「濃厚うに包み」などの販売や、Vチューバー「さくらみこ」氏とのコラボキャンペーンに取り組んだ。

■SBG <9984>  16,670円 (+1,000円、+6.4%)

 東証プライムの上昇率7位。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が4日ぶり急反発。前日2日は5%を超える下落で終値では11月25日以来となる1万5000円台まで水準を切り下げたが、3日は前日2日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇し、同社傘下のアーム・ホールディングス  も反発したことから、リバウンド期待の買いを誘った。ただ、値動きは重かった。同社が出資するオープンAIのサム・アルトマンCEOが競合するグーグルの「ジェミニ3」に対する警戒を強め、全社的に「コードレッド」を宣言したことで、これはソフトバンクGの株価にとってもネガティブ材料として意識された。株式需給面では信用買い残が高水準に積み上がっていたことで、投げを誘発しやすくなっていたことも上値に対する懐疑的なムードを醸成していた。

■T-BASE <3415>  426円 (+25円、+6.2%)

 東証プライムの上昇率8位。TOKYO BASE <3415> [東証P]が急反発。日本ブランドにこだわったアパレルのセレクトショップを運営、ファッション性の高い若年層をターゲットとした「STUDIOUS」を主力に需要獲得を進めている。2日取引終了後に発表した月次売上高速報で、11月の既存店売り上げは前年同月比15.5%増と好調が続いている。10月の既存店売り上げも16.1%増と2ケタ伸長を示していたほか、8-10月期累計ベースでも13.7%増と高い伸びを維持していたことから、見直しムードに拍車をかけていた。

■イオレ <2334>  455円 (+22円、+5.1%)

 イオレ <2334> [東証G]が3日続急伸。東京証券取引所が2日の取引終了後、同社株の信用取引による新規の売り付け及び買い付けに係る委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)とする信用取引の臨時措置を3日売買分から解除すると発表。また、日本証券金融も3日から貸借取引自己取引分及び非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分に係る銘柄別増担保金徴収措置を解除すると発表しており、取引負担の減少で短期資金の流入が再び活発化するとの思惑から買いが流入したようだ。

■阪神燃 <6018>  4,140円 (+190円、+4.8%)

 阪神内燃機工業 <6018> [東証S]が3日ぶり大幅反発。香港に拠点を置き、インベスト・マネジメント業務を営むオールド・ピーク・グループが3日午前9時6分ごろに関東財務局へ提出した変更報告書で、株式保有比率が従来の6.63%から7.67%に上昇しており、手掛かり視した買いが入った。報告義務発生日は11月26日。保有目的は「純投資」としている。

■古河電 <5801>  10,090円 (+400円、+4.1%)

 古河電気工業 <5801> [東証P]が大幅続伸。3日の寄り前、保有する投資有価証券の一部を2日に売却したのに伴い、26年3月期第3四半期に投資有価証券売却益160億円を特別利益として計上すると発表しており、好材料視された。なお、通期業績予想には概算金額として織り込み済みとしている。

■パークシャ <3993>  3,340円 (+85円、+2.6%)

 PKSHA Technology <3993> [東証P]が4日ぶり反発。3日、グループ会社のタレントアンドアセスメントが提供する対話型AI面接サービス「SHaiN」について新機能を開発したと発表した。パークシャが保有する自然言語処理技術を活用し、対話の質の向上や面接における傾聴機能の大幅な強化を行ったとしており、材料視した買いが入った。

■パナHD <6752>  1,870円 (+39円、+2.1%)

 パナソニック ホールディングス <6752> [東証P]が3日ぶり反発。モルガン・スタンレーMUFG証券は2日、同社株の目標株価を2100円から2500円に引き上げ、「トップピック」銘柄とした。26年以降のエナジー事業で、データセンター向けBBU(バックアップ電池)を中心とする産業・民生向け事業の利益成長が車載向け事業の停滞をカバーする確信が高まれば、AI・データセンター銘柄としての認知が高まるとみている。

■アスクル <2678>  1,407円 (+16円、+1.2%)

 アスクル <2678> [東証P]が3日ぶり反発。3日、10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害に関して、サービスの復旧に向けた取り組みの進捗を発表。ASKUL Webサイトでの注文を午前9時に再開したことが好感された。なお、一部物流センターからの倉庫管理システムを使用した在庫商品出荷の再開は12月中旬以降を予定している。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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