株価指数先物【寄り前】 ショーカバーを誘う形での押し目待ちのロング対応
投稿:
大阪12月限ナイトセッション 日経225先物 50280 +30 (+0.05%) TOPIX先物 3376.5 -3.0 (-0.08%) シカゴ日経平均先物 50230 -20 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。祝日明けの短縮取引ではあったが、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの観測が高まるなかで、主力株への買いが続いた。月末のドレッシング買いが入ったとの見方もあり、相場を支える形になったようだ。27日夜に米取引所CMEグループの電子取引システムで障害が発生したが、28日朝に再開した。通常取引の前に復旧したこともあり、相場への大きな影響は見られなかった。 S&P500業種別指数はエネルギー、小売、ソフトウエア・サービス、銀行が上昇した。一方で、医薬品・バイオテクノロジー、保険、半導体・同製造装置、ヘルスケア機器・サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム、IBM 、JPモルガン・チェース 、マイクロソフト が買われた。半面、エヌビディア 、トラベラーズ 、ジョンソン・エンド・ジョンソン 、マクドナルド が軟調。 シカゴ日経平均先物清算値は、大阪比20円安の5万0230円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比20円安の5万0230円で始まった。5万0100円まで売られた後に5万0250円まで戻したが、米国市場の取引開始後に軟化し、5万0090円まで売られる場面もみられた。ただし、5万円割れを狙ったショートは強まらず、売り一巡後は終盤にかけて切り返すと5万0350円まで上げ幅を広げ、5万0280円でナイトセッションの取引を終えた。 米国市場が短縮取引だった影響もあって、日経225先物はナイトセッションで膠着感の強い相場展開だったが、5万円接近での底堅さがみられる中、一時5万0350円まで買われる場面もみられた。25日移動平均線(5万0350円)を捉えており、同線では強弱感が対立するものの、明確に上抜けてくる局面では上へのバイアスが強まりやすいだろう。 米国では感謝祭からクリスマス休暇に入る投資家が多いとされるが、利下げ期待が高い状態は続くとみられる。また、ブラックフライデーの売り上げが前年に比べて加速したと報じられており、米国の年末商戦が好スタートを切ったことも支援材料になりそうだ。 さらに、国内では前週後半から中間配当金の支払いが本格化している。12月前半にかけて配当金の支払いが実施されるとみられており、今年は総額で約8兆8000億円の支払いが予定されている。配当金の再投資への思惑が高まりやすく、これが需給面での下支えとなることでショートを入れにくくさせよう。 まずは25日線で強弱感が対立することから、オプション権利行使価格の5万円から3万0375円の狭いレンジでの推移となろう。ただ、25日線突破となればボリンジャーバンドの+1σ(5万1340円)とのレンジに移行する可能性がありそうだ。その場合にはオプション権利行使価格の5万0375円から5万1375円のレンジが意識されやすいため、ショーカバーを誘う形での押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。 28日の米VIX指数は16.35(27日は17.21)に低下した。12月の利下げ期待による買いが続くなかで低下傾向が強まり、一時15.78まで下げる場面もみられた。これにより10月半ば以来の水準まで低下しており、リスク選好に傾きやすい。 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.86倍(27日は14.87倍)に低下した。足もとで緩やかな上昇をみせてきたが、下向きで推移する-1σに上値を抑えられているため、同バンドを突破してくるか見極めは必要だろう。突破する局面では、25日線(15.16倍)辺りが射程に入りそうだ。TOPIX(東証株価指数)が史上最高値に接近するなかで日経平均株価の出遅れ感が意識されやすいと考えられ、NTロング転換のタイミング待ちになりそうだ。 株探ニュース
